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第3章 北の都市スウェトルノーツ
19.親子の再会
しおりを挟む今日はまだ暖かい日でした。
新作を今日から始めましたので読んでみてくださいませませ(^^)/
─────────────────
あ、暑苦しい…。
私の右腕はアヴィ、左腕にはロナ…と二人にがっしりと掴まれています。
アヴィは私をロナに取られまいと掴み、ロナはー…私と闘う言質を取るまで腕を離さないと言ってあれからずっとくっついてます。
図鑑にも載ってましたが、龍人族は強い者と出会うと力比べをしたくなると………すっかり忘れていました。
ん?
白龍夫婦ですか?
えっとー…今私はトカゲくん改めましてちび白龍くんのおうちの中のソファーに座っているのね?
で、その目の前の床に直に正座スタイルでキラキラと四対の瞳を輝かせて、私をひたすら見詰めてきています。
…その視線がまたうっと─……ゲフンゲフン、暑苦しくて私の目はきっと死んでいることでしょう。
あーもう、しょうがないなー…。
「ロナ、時間ができたら闘ってあげるから腕を離して。
あと、白龍夫婦。
私従者はいらない、でもね友達ならいいよ、シュリウスさんとララナクトさん?
…というか私より優先すべき事はあるでしょう、8年ぶり…なんでしょ?
必死に探していたのに抱っこもしてあげないの?」
「リアリアリアー!
時間ができたら絶対よ?!
もし忘れたら、くすぐりの刑なんだから!」
「従者になれないのは残念だが、このシュリウスを友としてくれるなら喜んでなろうぞ!」
「私も従者になれないのは残念ですが、私ララナクトもラフィリア様と友になれるなら喜んでなりましょう」
……ふ、なんだろうー。
ロナは腕を離してくれたし、白龍夫婦の従者問題もなくなったけど…………闘うよりHPが消耗していってる気がする。
私の心の疲れを感じ取ったのかアヴィが私を膝抱っこし、頭を撫でてきた……………私もう成人なのよ?と思いつつも抵抗する気が微塵も沸き起こらない。
ああ…依存がどんどん進んでるよ。
「やっと会えたというのに放置してすまないな。
我は龍人族の次期長であるシュリウス………お前の父だ」
「シュリウスの妻ララナクトです。
ああ、やっと…やっと会えました!
私達の〝ラーナシュトス〟」
二人とも腕を広げて抱っこカモーンしてます。
ふぅ…やっと親子の再会になりました。
本当ならすぐこうじゃない?
ちび白龍くんは女の子の腕の中から床へ降り、トテトテと白龍夫婦に近づいていって夫婦二人に抱っこされた。
「おら、トカゲじゃないの?
龍人族なのか?」
「お前はトカゲなどではない」
「貴方は私達の子、龍人族よ。
なぜ、トカゲ族と思ったのかしら?」
「おら、トカゲ族に育てられたんだ。
そこでおらだけそこのトカゲ達と違って細くなかったから、太っちょトカゲって言われてた」
お?
人族に拐われたんじゃなかったの?
何がどうなってトカゲ族のところで育てられることになったんだろう??
「トカゲ族…?
どういうことだ?
人族に拐われたはず…」
「うーん…そういえば卵の中にいる時に話し声が聞こえてきたぞ?
何言ってるかわからなかったけど…。
でも、しばらくしたら揺れが激しくなって…うん、グルグルだった!
目が回りすぎてしばらく気を失ってるうちに、いつの間にか卵の中じゃなく目の前がトカゲの顔だらけの所にいたんだぞ」
えっとー、それはつまりこうか?
人族に誘拐されるも途中何かあって転がり拾ったのかトカゲ族ってこと?
そのトカゲ族も卵の状態で拾ってたんだとしたら……食料として拾った可能性も?
うん………無事で良かった。
* * *
『ふぅ~、何とか無事に事がすんだねー』
『そ、だね』
『白龍…夫婦…の子…あの…まま…人族…の所…にい…たら…死ん…でた…から…ちょ…っと…だけ…手を…出し…た』
『うん、白龍夫婦の子が死ねば夫婦に子の死が伝わって狂ってしまうもんねー』
『狂い、龍、一体、だけ、でも、大変』
『二体…はちょ…っとね』
『よし!これにて白龍の子が死なないように見守る任務は終わりだね!』
この後精霊王様に報告し、任務完了となった。
本来、子供が拐われようが精霊が関わる事はないが世界への影響がありそうなことだったので指令が出された。
ラフィリアに関しても神が関わってるので、精霊の目がなくなることは生涯ないだろう……。
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