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一章「異世界に転生した」
奴隷オークションに出されたんだが
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「どこに連れて行く気だ」
「お前は奴隷だ。しかも女だ。ならばどういうところに行くのかくらいは想像できるだろう。無駄口をこれ以上叩くようなら喋れなくしてやる」
首輪と手枷につけられた鎖を引っ張る力が強くなってこけそうになったが、それを気にもしない。そしてしばらく歩くと、一層明るい場所が見えてきた。そしてそこにどんどん引っ張られていく。そこはステージみたいで椅子にはたくさんの金持ちそうな人がいる。俺は台に立たされた。
「さあ皆さま、お次の商品は18歳の処女でございます。健康体でありまして、魔法も使用できるとのこと。また顔はこの通り美しく、髪もこの国では比較的珍しい、純粋な黒となります!」
どうも奴隷オークションというらしい光景だ。オークションといえば聞こえはいいが、巨大な人身売買会場でしかない。まったく、醜悪な場所だ。でもこれで俺はよくわからんが、転生して女になって性奴隷というやつにされてしまったという事実がよく分かった。
……俺、どう考えても詰みだな。
そうこうしている間にもオークショは進んでいき、俺の値段は跳ね上がっていく。鏡はまだ見ていないが美人なのだろう。それはよかった。そしてとうとう落札者決まったらしい。大金を出して俺を買ったのは若い青年だった。これなら俺も逃げられるかもしれない。
折を見て逃げ出そうとした。鎖が外された瞬間だ。そこを狙おう。
「その反抗的な目、いいねやっぱり当たりかもしれない。こういうのは初めてだけど、最初の奴隷にしてはかなりいいのを買えたかな」
「仰る通りかと思います。それでは契約に移りますのでこちらに」
「分かった」
青年と奴隷商は談笑をしている。俺も当然同行させられている。そして金のやり取りが終わった後に、奴隷契約とやらを結ばされることになるということだ。
「お前はこっちだ」
無理やり引っ張られて少し睨むと青年は、いいねその顔と言われた。この男かなりいい性格をしているらしい。
「さてお客様、こちらに血をお願いします」
「もちろんだとも」
着々と契約の準備は整えられている。俺はというと、床に鎖を固定されて動けずにいる。まったく腹立たしい。人を何だと思っているんだ。
「ではよろしいですかな」
「よろしい。始めてくれ」
奴隷商人は怪しげな呪文を詠唱すると、俺の周囲に魔法陣が現れた。そして血を流したり何やらしている内に完了したらしい。これで終わりなのかと思うほど一瞬だった。こういうのだと大概、痛みと可が伴うものなのだが……。
「では実際に奴隷紋が刻まれているか確認されますか」
「頼む」
「承りました」
奴隷商は俺に近づき、服をめくった。抵抗したが、拘束されている状態では何をしたって無駄らしい。とてつもない、無力感に襲われた。
「こちらでございます。ご要望の通りの奴隷紋でございます」
「ふむ立派なものではないか。これで私のものということだな」
「その通りでございます。この奴隷はもうお客様の命令には逆らうことが出来ません。法律上も当然、人ではありませんから、生かすも殺すも持ち主であるお客様次第ということになります」
そんな扱いなのか。奴隷は本当にものということか。奴隷紋はどうも俺のおへそのあたりにあるようだ。何か淫紋みたいな感じだ。俺はもともと男なのに、どうしてやろうか。それにメス堕ちなんて絶対にしてやるもんか。
「それではご挨拶をしなさい」
「絶対にしてやるもんか」
「生意気な娘だ。どういたしましょうか」
「これはこれで楽しみがいがあるからな。問題ない」
楽しみがいって怖いな。一体、俺に何をする気だろうか。
「まあ、今はそんな勝気になっているかもしれないが、すぐにかわいい声を上げられるようにしてあげよう。大丈夫。僕と一緒に楽しもうじゃないか」
耳元でささやいてきた。ぞわっとする。一人称が【私】でないあたり、本音ということがよくわかる。
何も言い返す気にはなれない。逃げ出したい。どこかでチャンスはあるに違いない。
「ではこちらで終了となります。本日はありがとうございました」
取引はどうやら終わったらしい。でも何だか気分は晴れない。外に鎖につながれ、拘束されたまま、出た。綺麗なもんだ。月明かりはどのような世界でも綺麗ということだろうか。
そして青年の馬車に載せられた。
「お前は奴隷だ。しかも女だ。ならばどういうところに行くのかくらいは想像できるだろう。無駄口をこれ以上叩くようなら喋れなくしてやる」
首輪と手枷につけられた鎖を引っ張る力が強くなってこけそうになったが、それを気にもしない。そしてしばらく歩くと、一層明るい場所が見えてきた。そしてそこにどんどん引っ張られていく。そこはステージみたいで椅子にはたくさんの金持ちそうな人がいる。俺は台に立たされた。
「さあ皆さま、お次の商品は18歳の処女でございます。健康体でありまして、魔法も使用できるとのこと。また顔はこの通り美しく、髪もこの国では比較的珍しい、純粋な黒となります!」
どうも奴隷オークションというらしい光景だ。オークションといえば聞こえはいいが、巨大な人身売買会場でしかない。まったく、醜悪な場所だ。でもこれで俺はよくわからんが、転生して女になって性奴隷というやつにされてしまったという事実がよく分かった。
……俺、どう考えても詰みだな。
そうこうしている間にもオークショは進んでいき、俺の値段は跳ね上がっていく。鏡はまだ見ていないが美人なのだろう。それはよかった。そしてとうとう落札者決まったらしい。大金を出して俺を買ったのは若い青年だった。これなら俺も逃げられるかもしれない。
折を見て逃げ出そうとした。鎖が外された瞬間だ。そこを狙おう。
「その反抗的な目、いいねやっぱり当たりかもしれない。こういうのは初めてだけど、最初の奴隷にしてはかなりいいのを買えたかな」
「仰る通りかと思います。それでは契約に移りますのでこちらに」
「分かった」
青年と奴隷商は談笑をしている。俺も当然同行させられている。そして金のやり取りが終わった後に、奴隷契約とやらを結ばされることになるということだ。
「お前はこっちだ」
無理やり引っ張られて少し睨むと青年は、いいねその顔と言われた。この男かなりいい性格をしているらしい。
「さてお客様、こちらに血をお願いします」
「もちろんだとも」
着々と契約の準備は整えられている。俺はというと、床に鎖を固定されて動けずにいる。まったく腹立たしい。人を何だと思っているんだ。
「ではよろしいですかな」
「よろしい。始めてくれ」
奴隷商人は怪しげな呪文を詠唱すると、俺の周囲に魔法陣が現れた。そして血を流したり何やらしている内に完了したらしい。これで終わりなのかと思うほど一瞬だった。こういうのだと大概、痛みと可が伴うものなのだが……。
「では実際に奴隷紋が刻まれているか確認されますか」
「頼む」
「承りました」
奴隷商は俺に近づき、服をめくった。抵抗したが、拘束されている状態では何をしたって無駄らしい。とてつもない、無力感に襲われた。
「こちらでございます。ご要望の通りの奴隷紋でございます」
「ふむ立派なものではないか。これで私のものということだな」
「その通りでございます。この奴隷はもうお客様の命令には逆らうことが出来ません。法律上も当然、人ではありませんから、生かすも殺すも持ち主であるお客様次第ということになります」
そんな扱いなのか。奴隷は本当にものということか。奴隷紋はどうも俺のおへそのあたりにあるようだ。何か淫紋みたいな感じだ。俺はもともと男なのに、どうしてやろうか。それにメス堕ちなんて絶対にしてやるもんか。
「それではご挨拶をしなさい」
「絶対にしてやるもんか」
「生意気な娘だ。どういたしましょうか」
「これはこれで楽しみがいがあるからな。問題ない」
楽しみがいって怖いな。一体、俺に何をする気だろうか。
「まあ、今はそんな勝気になっているかもしれないが、すぐにかわいい声を上げられるようにしてあげよう。大丈夫。僕と一緒に楽しもうじゃないか」
耳元でささやいてきた。ぞわっとする。一人称が【私】でないあたり、本音ということがよくわかる。
何も言い返す気にはなれない。逃げ出したい。どこかでチャンスはあるに違いない。
「ではこちらで終了となります。本日はありがとうございました」
取引はどうやら終わったらしい。でも何だか気分は晴れない。外に鎖につながれ、拘束されたまま、出た。綺麗なもんだ。月明かりはどのような世界でも綺麗ということだろうか。
そして青年の馬車に載せられた。
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