TS転生したら性奴隷になった~いやどうして⁉~

文字の大きさ
2 / 5
一章「異世界に転生した」

奴隷オークションに出されたんだが

しおりを挟む
「どこに連れて行く気だ」
「お前は奴隷だ。しかも女だ。ならばどういうところに行くのかくらいは想像できるだろう。無駄口をこれ以上叩くようなら喋れなくしてやる」

 首輪と手枷につけられた鎖を引っ張る力が強くなってこけそうになったが、それを気にもしない。そしてしばらく歩くと、一層明るい場所が見えてきた。そしてそこにどんどん引っ張られていく。そこはステージみたいで椅子にはたくさんの金持ちそうな人がいる。俺は台に立たされた。

「さあ皆さま、お次の商品は18歳の処女でございます。健康体でありまして、魔法も使用できるとのこと。また顔はこの通り美しく、髪もこの国では比較的珍しい、純粋な黒となります!」

 どうも奴隷オークションというらしい光景だ。オークションといえば聞こえはいいが、巨大な人身売買会場でしかない。まったく、醜悪な場所だ。でもこれで俺はよくわからんが、転生して女になって性奴隷というやつにされてしまったという事実がよく分かった。
 ……俺、どう考えても詰みだな。

 そうこうしている間にもオークショは進んでいき、俺の値段は跳ね上がっていく。鏡はまだ見ていないが美人なのだろう。それはよかった。そしてとうとう落札者決まったらしい。大金を出して俺を買ったのは若い青年だった。これなら俺も逃げられるかもしれない。

 折を見て逃げ出そうとした。鎖が外された瞬間だ。そこを狙おう。

「その反抗的な目、いいねやっぱり当たりかもしれない。こういうのは初めてだけど、最初の奴隷にしてはかなりいいのを買えたかな」
「仰る通りかと思います。それでは契約に移りますのでこちらに」
「分かった」

 青年と奴隷商は談笑をしている。俺も当然同行させられている。そして金のやり取りが終わった後に、奴隷契約とやらを結ばされることになるということだ。

「お前はこっちだ」

 無理やり引っ張られて少し睨むと青年は、いいねその顔と言われた。この男かなりいい性格をしているらしい。

「さてお客様、こちらに血をお願いします」
「もちろんだとも」

 着々と契約の準備は整えられている。俺はというと、床に鎖を固定されて動けずにいる。まったく腹立たしい。人を何だと思っているんだ。

「ではよろしいですかな」
「よろしい。始めてくれ」

 奴隷商人は怪しげな呪文を詠唱すると、俺の周囲に魔法陣が現れた。そして血を流したり何やらしている内に完了したらしい。これで終わりなのかと思うほど一瞬だった。こういうのだと大概、痛みと可が伴うものなのだが……。

「では実際に奴隷紋が刻まれているか確認されますか」
「頼む」
「承りました」

 奴隷商は俺に近づき、服をめくった。抵抗したが、拘束されている状態では何をしたって無駄らしい。とてつもない、無力感に襲われた。

「こちらでございます。ご要望の通りの奴隷紋でございます」
「ふむ立派なものではないか。これで私のものということだな」
「その通りでございます。この奴隷はもうお客様の命令には逆らうことが出来ません。法律上も当然、人ではありませんから、生かすも殺すも持ち主であるお客様次第ということになります」

 そんな扱いなのか。奴隷は本当にものということか。奴隷紋はどうも俺のおへそのあたりにあるようだ。何か淫紋みたいな感じだ。俺はもともと男なのに、どうしてやろうか。それにメス堕ちなんて絶対にしてやるもんか。

「それではご挨拶をしなさい」
「絶対にしてやるもんか」
「生意気な娘だ。どういたしましょうか」
「これはこれで楽しみがいがあるからな。問題ない」

 楽しみがいって怖いな。一体、俺に何をする気だろうか。

「まあ、今はそんな勝気になっているかもしれないが、すぐにかわいい声を上げられるようにしてあげよう。大丈夫。僕と一緒に楽しもうじゃないか」

 耳元でささやいてきた。ぞわっとする。一人称が【私】でないあたり、本音ということがよくわかる。

 何も言い返す気にはなれない。逃げ出したい。どこかでチャンスはあるに違いない。

「ではこちらで終了となります。本日はありがとうございました」


 取引はどうやら終わったらしい。でも何だか気分は晴れない。外に鎖につながれ、拘束されたまま、出た。綺麗なもんだ。月明かりはどのような世界でも綺麗ということだろうか。
 そして青年の馬車に載せられた。

しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――

のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」 高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。 そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。 でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。 昼間は生徒会長、夜は…ご主人様? しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。 「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」 手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。 なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。 怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。 だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって―― 「…ほんとは、ずっと前から、私…」 ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。 恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

巨乳すぎる新入社員が社内で〇〇されちゃった件

ナッツアーモンド
恋愛
中高生の時から巨乳すぎることがコンプレックスで悩んでいる、相模S子。新入社員として入った会社でS子を待ち受ける運命とは....。

自習室の机の下で。

カゲ
恋愛
とある自習室の机の下での話。

セクスカリバーをヌキました!

ファンタジー
とある世界の森の奥地に真の勇者だけに抜けると言い伝えられている聖剣「セクスカリバー」が岩に刺さって存在していた。 国一番の剣士の少女ステラはセクスカリバーを抜くことに成功するが、セクスカリバーはステラの膣を鞘代わりにして収まってしまう。 ステラはセクスカリバーを抜けないまま武闘会に出場して……

服を脱いで妹に食べられにいく兄

スローン
恋愛
貞操観念ってのが逆転してる世界らしいです。

転生先は男女比50:1の世界!?

4036(シクミロ)
恋愛
男女比50:1の世界に転生した少女。 「まさか、男女比がおかしな世界とは・・・」 デブで自己中心的な女性が多い世界で、ひとり異質な少女は・・ どうなる!?学園生活!!

敗戦国の姫は、敵国将軍に掠奪される

clayclay
恋愛
架空の国アルバ国は、ブリタニア国に侵略され、国は壊滅状態となる。 状況を打破するため、アルバ国王は娘のソフィアに、ブリタニア国使者への「接待」を命じたが……。

処理中です...