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二章「奴隷との初めての冒険」
時間のかかる依頼を受けました
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「おはようございますご主人様……」
「おはようルナ。よく眠れたか?」
「できるなら、もう少し寝たいです」
ルナを起こしたが、まだ眠そうだ。もし牢屋の中にずっといたのなら、あまり運動もしていないから昨日は体力的に辛かったかもしれないな。それでまだ眠いってことかもしれない。今日も移動が続くだろうけどちょっと我慢してもらわないといけないな。移動をどうにもできないのは心苦しいが仕方ない。
「さあ、今日は忙しいんだ。さっさと準備してくれよ」
「分かってますから……尻尾をなでるのをやめてくれませんか」
「おっと、つい。すごく触り心地のよさそうな毛並みだったもので」
ルナの尻尾と耳は毛並みが本当に良くてモフモフしているので触りたくなる。ついつい手が伸びてしまうのも致し方ないのだ。
「次やったらこの宿の人たちにご主人様は小さな女の子をいたぶるの大好きな変態だと吹聴しますよ」
「ないことまで吹き込もうとするのはやめてくれない・・・?」
これ以上はルナの報復が怖い。俺が社会的に抹殺されてしまいそうだ。
「さあ、着替えて早くギルドに行こうか」
「分かりました……」
尻尾を触るのをやめても少し機嫌が悪そうだ。これは街にいる間に機嫌を取らないダメだな。
「朝ご飯は何食べたい? すぐに移動するから重くないので選んでくれ」
「そうやって私の機嫌を取る気なんですね。私はそういうものに引っかかりませんから」
声のトーンを変えずに冷たい表情を保っているが、尻尾は正直な反応をしている。感情が素直に出る部位なのだろうか。まあ好きな朝ご飯を食べることが出来るというのは嬉しいのだろう。
「ギルドに行くまでの屋台で何か買おうか」
「重くないのですよね」
今から考えているのか。表情もコロコロ変わるし、調子のいいやつだ。
宿屋の部屋を出て、受付にいるオヤジに伝えなくちゃいけないこともある。
「オヤジ、ここから数日はここに戻らないからよろしく頼む」
「あいよ。大変だろうけどあんちゃんも嬢ちゃんも頑張れよ!」
「おうよ!」
オヤジは明るく見送ってくれる。こういうオヤジの対応は帰ってくる場所があるような気がしてきて嬉しい。
「ご主人様、私あれがいいです」
感傷に浸っていたのにすぐにルナの声によって現実に引き戻された。屋台を指さしている。どうやら食べたいものが決まったようだ。何を食べたいというのか。
「ああ、これならいいな」
「そうでしょう」
ルナはドヤ顔だ。少しのけぞって目を閉じてどこまでも調子に乗っている顔だ。こういう時の頬を突いてみたいがこれ以上、ご機嫌をとるのも時間の浪費なのでまたの機会にしよう。
「二つ頼む」
「へい!」
金を屋台の店主に払い、器を渡すとそれに盛ってくれる。この世界には紙皿のような使い捨ての皿はない。また屋台であれば、器ごと売ればいい値段になってしまう。それを解決する方法というのが、客が自らの器を持ち込んでそれに盛ってもらうことなのだ。串焼きならそれも必要ないが、これは汁物なので容器がないといけない。
「美味しいですねご主人様」
「このうどんみたいな麺はいいな」
「うどんって何ですか?」
この世界にうどんはないのか。でもパスタみたいなのがあるのだからうどんのような水と塩で小麦を練ると作れる麺がないと考えるほうが不自然じゃないか。名前こそ違うけど。
「まあ、俺の故郷にこれに似た料理があるんだよ」
「そうなんですか。では故郷の味を思い出すことが出来たのは私のおかげですね」
ルナ、本日二度目のドヤ顔である。なんだろう、さっきは可愛げがあったけど、今度は半端に煽っているせいか腹が立つ。別に嫌な腹の立ち方ではないけど。
「はいはい、ルナのおかげで思い出すことが出来たよ。ありがとうな」
「わっ、ちょ、いきなりやめてください」
とりあえず、ルナの頭を撫でてみた。可愛いのは事実だしまあいいだろう。
「そうだ、食べ終わったら器洗うから俺によこしてくれ」
ルナは小さくうなずいた。狐ではあるけどルナはどうやら猫舌のようでゆっくりと食べている。夕食はずいぶんとがっついていたのにかなり違う光景を俺は目にしている。ルナが食べ終わらないと器が回収できない。この屋台の近くに洗い場があるのでそこで洗っておきたい。別にそのまま持って行ってもいいけど、清潔感が気になる。
「ご主人様、食べ終わりました」
「おう、じゃ、ちょっと洗ってくるから待っていてくれ」
「いえ、、私がやってくるのでご主人様の分もください」
ルナが自分から仕事をしようとしている。こんな積極的な子なのか。ありがたい限りだ。ルナの言葉に甘えて器を渡して俺がここで待つことになった。
「お待たせしました」
「おう、ありがとうな。器も……うん、大丈夫だな。そしたらギルドにいこうか」
ルナはしっかりと器を洗ってくれたようだ。布も渡しておいたからそれでくれたから水分もない。器をしまってギルドに入った。ギルドは、朝早いこともあって人は少ない。受付にも並ぶことなくいける。いつもこうだと助かるんだよなあ。
依頼が貼ってあるボードに目を通してみると、ちょうどいい依頼がいくつもあるが、これらは今日は受けない。昨日のうちに今日受ける依頼がギルドの方からあらかじめ手配してもらっていらからだ。ボードから移動し、受付のところに行く。
「昨日、手配してもらっていた依頼を今から開始するから手続きの方を頼む」
「はい、翔太様ですね。昨日の担当から話は聞いています。森の奥深くにいる魔物の生態調査で三日から四日を要する依頼ですね」
「それで間違いない」
「承知しました。ではこちらに記入をお願いします」
依頼を受けた場合、冒険者が依頼を受けたことを偽ることのないように、直筆での署名を求められる。また、文字をかけない場合であっても直筆のサインが求められるので、実はどんな冒険者でも名前は書くことができるのだ。そうして書類はギルドで保管され、完了したときに、改めて直筆でのサインが求められる。それとギルドカードを照会して本人確認をするのだ。魔法が発達している世界と考えれば原始的な方法かもしれないが、筆跡鑑定には魔法を使っているみたいだし、全部が原始的でもない。よくできている仕組みだと思う。
「これで頼む」
「はい大丈夫です。こういったた依頼は難易度の関係もあって、当ギルドで受けてくださる方は少ないので助かっています。今後もよろしくお願いします」
「無事に情報を持ってこられるように頑張ってくるよ」
受付での手続きも終わったので早速、街を出ることにした。ルナも気合が入っているみたいだ。
「おはようルナ。よく眠れたか?」
「できるなら、もう少し寝たいです」
ルナを起こしたが、まだ眠そうだ。もし牢屋の中にずっといたのなら、あまり運動もしていないから昨日は体力的に辛かったかもしれないな。それでまだ眠いってことかもしれない。今日も移動が続くだろうけどちょっと我慢してもらわないといけないな。移動をどうにもできないのは心苦しいが仕方ない。
「さあ、今日は忙しいんだ。さっさと準備してくれよ」
「分かってますから……尻尾をなでるのをやめてくれませんか」
「おっと、つい。すごく触り心地のよさそうな毛並みだったもので」
ルナの尻尾と耳は毛並みが本当に良くてモフモフしているので触りたくなる。ついつい手が伸びてしまうのも致し方ないのだ。
「次やったらこの宿の人たちにご主人様は小さな女の子をいたぶるの大好きな変態だと吹聴しますよ」
「ないことまで吹き込もうとするのはやめてくれない・・・?」
これ以上はルナの報復が怖い。俺が社会的に抹殺されてしまいそうだ。
「さあ、着替えて早くギルドに行こうか」
「分かりました……」
尻尾を触るのをやめても少し機嫌が悪そうだ。これは街にいる間に機嫌を取らないダメだな。
「朝ご飯は何食べたい? すぐに移動するから重くないので選んでくれ」
「そうやって私の機嫌を取る気なんですね。私はそういうものに引っかかりませんから」
声のトーンを変えずに冷たい表情を保っているが、尻尾は正直な反応をしている。感情が素直に出る部位なのだろうか。まあ好きな朝ご飯を食べることが出来るというのは嬉しいのだろう。
「ギルドに行くまでの屋台で何か買おうか」
「重くないのですよね」
今から考えているのか。表情もコロコロ変わるし、調子のいいやつだ。
宿屋の部屋を出て、受付にいるオヤジに伝えなくちゃいけないこともある。
「オヤジ、ここから数日はここに戻らないからよろしく頼む」
「あいよ。大変だろうけどあんちゃんも嬢ちゃんも頑張れよ!」
「おうよ!」
オヤジは明るく見送ってくれる。こういうオヤジの対応は帰ってくる場所があるような気がしてきて嬉しい。
「ご主人様、私あれがいいです」
感傷に浸っていたのにすぐにルナの声によって現実に引き戻された。屋台を指さしている。どうやら食べたいものが決まったようだ。何を食べたいというのか。
「ああ、これならいいな」
「そうでしょう」
ルナはドヤ顔だ。少しのけぞって目を閉じてどこまでも調子に乗っている顔だ。こういう時の頬を突いてみたいがこれ以上、ご機嫌をとるのも時間の浪費なのでまたの機会にしよう。
「二つ頼む」
「へい!」
金を屋台の店主に払い、器を渡すとそれに盛ってくれる。この世界には紙皿のような使い捨ての皿はない。また屋台であれば、器ごと売ればいい値段になってしまう。それを解決する方法というのが、客が自らの器を持ち込んでそれに盛ってもらうことなのだ。串焼きならそれも必要ないが、これは汁物なので容器がないといけない。
「美味しいですねご主人様」
「このうどんみたいな麺はいいな」
「うどんって何ですか?」
この世界にうどんはないのか。でもパスタみたいなのがあるのだからうどんのような水と塩で小麦を練ると作れる麺がないと考えるほうが不自然じゃないか。名前こそ違うけど。
「まあ、俺の故郷にこれに似た料理があるんだよ」
「そうなんですか。では故郷の味を思い出すことが出来たのは私のおかげですね」
ルナ、本日二度目のドヤ顔である。なんだろう、さっきは可愛げがあったけど、今度は半端に煽っているせいか腹が立つ。別に嫌な腹の立ち方ではないけど。
「はいはい、ルナのおかげで思い出すことが出来たよ。ありがとうな」
「わっ、ちょ、いきなりやめてください」
とりあえず、ルナの頭を撫でてみた。可愛いのは事実だしまあいいだろう。
「そうだ、食べ終わったら器洗うから俺によこしてくれ」
ルナは小さくうなずいた。狐ではあるけどルナはどうやら猫舌のようでゆっくりと食べている。夕食はずいぶんとがっついていたのにかなり違う光景を俺は目にしている。ルナが食べ終わらないと器が回収できない。この屋台の近くに洗い場があるのでそこで洗っておきたい。別にそのまま持って行ってもいいけど、清潔感が気になる。
「ご主人様、食べ終わりました」
「おう、じゃ、ちょっと洗ってくるから待っていてくれ」
「いえ、、私がやってくるのでご主人様の分もください」
ルナが自分から仕事をしようとしている。こんな積極的な子なのか。ありがたい限りだ。ルナの言葉に甘えて器を渡して俺がここで待つことになった。
「お待たせしました」
「おう、ありがとうな。器も……うん、大丈夫だな。そしたらギルドにいこうか」
ルナはしっかりと器を洗ってくれたようだ。布も渡しておいたからそれでくれたから水分もない。器をしまってギルドに入った。ギルドは、朝早いこともあって人は少ない。受付にも並ぶことなくいける。いつもこうだと助かるんだよなあ。
依頼が貼ってあるボードに目を通してみると、ちょうどいい依頼がいくつもあるが、これらは今日は受けない。昨日のうちに今日受ける依頼がギルドの方からあらかじめ手配してもらっていらからだ。ボードから移動し、受付のところに行く。
「昨日、手配してもらっていた依頼を今から開始するから手続きの方を頼む」
「はい、翔太様ですね。昨日の担当から話は聞いています。森の奥深くにいる魔物の生態調査で三日から四日を要する依頼ですね」
「それで間違いない」
「承知しました。ではこちらに記入をお願いします」
依頼を受けた場合、冒険者が依頼を受けたことを偽ることのないように、直筆での署名を求められる。また、文字をかけない場合であっても直筆のサインが求められるので、実はどんな冒険者でも名前は書くことができるのだ。そうして書類はギルドで保管され、完了したときに、改めて直筆でのサインが求められる。それとギルドカードを照会して本人確認をするのだ。魔法が発達している世界と考えれば原始的な方法かもしれないが、筆跡鑑定には魔法を使っているみたいだし、全部が原始的でもない。よくできている仕組みだと思う。
「これで頼む」
「はい大丈夫です。こういったた依頼は難易度の関係もあって、当ギルドで受けてくださる方は少ないので助かっています。今後もよろしくお願いします」
「無事に情報を持ってこられるように頑張ってくるよ」
受付での手続きも終わったので早速、街を出ることにした。ルナも気合が入っているみたいだ。
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