愛させてよΩ様

ななな

文字の大きさ
22 / 23
1章

18

迎えに来た馬車に乗った。
喧嘩した後だから少し気まずい。

「おはようございます」
「おはよう。もう体は大丈夫?」
「全開です!ご心配をおかけしました」

良かった。
いつも通りだ。

「これで、私が運命だって分かったよね?」
「え、あぁ、えっと」
「......まだ誤魔化したい?」
「違くて...初めての発情期ヒートで焦って運命だとか考えてませんでした......」
「そう。じゃあ今日沢山考えて欲しいな」
「はい......」

忘れてた。
アル様の運命の番か確かめなきゃいけなかったのに。
でも、発情期ヒート中考えていたのはアル様の事ばかりだし。
いや、僕が好きだからアル様のことを考えてしまっただけかもしれない。
どうしたらいいんだろう。
確かにアル様の匂いはすごくいい匂いだけど、他の人の匂いを僕は知らない。
今まではαの匂いなんて全然しなかったのに、発情期になってからαの匂いが分かるようになった。
今日学校でアル様以上の好きな香りがあったら、その人との方が相性が良いのかな。
学校に着いたらきっと分かるはずだ。
そんなことを考えていたら、もう学校に着いた。
アル様と一緒に校舎に入ると、すれ違う人から時々いい香りがした。
でも、やっぱりアル様の匂いが1番な気がしてしまう。
盲目になりすぎているんだろうか。
教室に入ってもそれは変わらなかった。

「はぁ......」
「リオン様、おはようございます。体調はいかがですか」
「おはよう、オリヴァー。もうすっかり大丈夫だよ」
「それはよかったです。実習の花もしっかり世話してるので安心してくださいね」
「ありがとう!今日からは僕もしっかりやるよ」
「無理しないでくださいね」

一週間も世話を任せっきりにしてしまったのに本当いい人だ。
休んでいる間のノートはアル様が手紙と一緒にくれたし、授業もしっかり着いていかないと。
いつも以上に気合いを入れて午前中の授業に取り組んだ。
それでもやっぱり分からないところがあって先生に聞こうと思ったのに生憎、先生は午後から出張のようで後日になってしまった。
午後は実習だったから、問題なく終えられあっという間に帰る時間になった。

「リオ、体調は大丈夫?」

今は馬車に揺られながら帰っている途中だ。

「大丈夫です。いつも通り過ごせました」
「授業で分からなかったところがあったら教えて。私が教えるよ」
「いいんですか!先生に聞きに行ったんですけど時間が無くて教えてもらえなかったんです」
「どこだい?」
「ここなんですけど......」

このままじゃ見えにくいかな。
アル様の隣に座ろう。

「あぁ、これはこの公式を使ってその後に......」
「あ!そういうことか!ありがとうございます!」
「他には?」
「もう大丈夫です!」

やっぱりアル様の教え方は分かりやすいな。
よし、言われた通りの公式と手順をメモしたし、元々座っていた向かいの席に戻ろう。

「ところで、リオ。運命かどうか分かりそう?」
「......まだはっきりとはわかりませんが、アル様の匂いが1番良い匂いでした」
「そっか」

それだけしか言わなかったけど、アル様の顔はすごく嬉しそうで、なんだかこっちまで嬉しいような気がした。
感想 0

あなたにおすすめの小説

流れる星、どうかお願い

ハル
BL
羽水 結弦(うすい ゆずる) オメガで高校中退の彼は国内の財閥の一つ、羽水本家の次男、羽水要と番になって約8年 高層マンションに住み、気兼ねなくスーパーで買い物をして好きな料理を食べられる。同じ性の人からすれば恵まれた生活をしている彼 そんな彼が夜、空を眺めて流れ星に祈る願いはただ一つ ”要が幸せになりますように” オメガバースの世界を舞台にしたアルファ×オメガ 王道な関係の二人が織りなすラブストーリーをお楽しみに! 一応、更新していきますが、修正が入ることは多いので ちょっと読みづらくなったら申し訳ないですが お付き合いください!

劣等アルファは最強王子から逃げられない

BL
リュシアン・ティレルはアルファだが、オメガのフェロモンに気持ち悪くなる欠陥品のアルファ。そのことを周囲に隠しながら生活しているため、異母弟のオメガであるライモントに手ひどい態度をとってしまい、世間からの評判は悪い。 ある日、気分の悪さに逃げ込んだ先で、ひとりの王子につかまる・・・という話です。

人気アイドルの俺、なぜかメンバー全員に好かれてます

七瀬
BL
デビュー4年目の人気アイドルグループ「ECLIPSE(エクリプス)」に所属する芹沢 美澄(せりざわみすみ)は、昔からどこか抜けていてマイペースな性格。 歌もダンスも決して一番ではないはずなのに、なぜかファンからもメンバーからも目を離されない存在だった。 世話焼きな幼なじみ、明るく距離の近い同い年、しっかり者で面倒見のいい年上、掴みどころのない自由人、そして無言で隣にいるリーダー——。 気づけば、美澄の周りにはいつも誰かがいて、当たり前のように甘やかされていく。

モブらしいので目立たないよう逃げ続けます

餅粉
BL
ある日目覚めると見慣れた天井に違和感を覚えた。そしてどうやら僕ばモブという存存在らしい。多分僕には前世の記憶らしきものがあると思う。 まぁ、モブはモブらしく目立たないようにしよう。 モブというものはあまりわからないがでも目立っていい存在ではないということだけはわかる。そう、目立たぬよう……目立たぬよう………。 「アルウィン、君が好きだ」 「え、お断りします」 「……王子命令だ、私と付き合えアルウィン」 目立たぬように過ごすつもりが何故か第二王子に執着されています。 ざまぁ要素あるかも………しれませんね

どうも。チートαの運命の番、やらせてもらってます。

Q矢(Q.➽)
BL
アラフォーおっさんΩの一人語りで話が進みます。 典型的、屑には天誅話。 突発的な手慰みショートショート。

【完結】出会いは悪夢、甘い蜜

琉海
BL
憧れを追って入学した学園にいたのは運命の番だった。 アルファがオメガをガブガブしてます。

六年目の恋、もう一度手をつなぐ

高穂もか
BL
幼なじみで恋人のつむぎと渉は互いにオメガ・アルファの親公認のカップルだ。 順調な交際も六年目――最近の渉はデートもしないし、手もつながなくなった。 「もう、おればっかりが好きなんやろか?」 馴ればっかりの関係に、寂しさを覚えるつむぎ。 そのうえ、渉は二人の通う高校にやってきた美貌の転校生・沙也にかまってばかりで。他のオメガには、優しく甘く接する恋人にもやもやしてしまう。 嫉妬をしても、「友達なんやから面倒なこというなって」と笑われ、遂にはお泊りまでしたと聞き…… 「そっちがその気なら、もういい!」 堪忍袋の緒が切れたつむぎは、別れを切り出す。すると、渉は意外な反応を……? 倦怠期を乗り越えて、もう一度恋をする。幼なじみオメガバースBLです♡

愛され方を教えて

あちゃーた
BL
主人公リハルトは自分を愛さなかった元婚約と家族のために無惨に死んだ…はずだった。 次に目が覚めた時、リハルトは過去に戻っていた。 そこは過去のはずなのにどこかおかしくて…