愛させてよΩ様

ななな

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1章

18

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迎えに来た馬車に乗った。
喧嘩した後だから少し気まずい。

「おはようございます」
「おはよう。もう体は大丈夫?」
「全開です!ご心配をおかけしました」

良かった。
いつも通りだ。

「これで、私が運命だって分かったよね?」
「え、あぁ、えっと」
「......まだ誤魔化したい?」
「違くて...初めての発情期ヒートで焦って運命だとか考えてませんでした......」
「そう。じゃあ今日沢山考えて欲しいな」
「はい......」

忘れてた。
アル様の運命の番か確かめなきゃいけなかったのに。
でも、発情期ヒート中考えていたのはアル様の事ばかりだし。
いや、僕が好きだからアル様のことを考えてしまっただけかもしれない。
どうしたらいいんだろう。
確かにアル様の匂いはすごくいい匂いだけど、他の人の匂いを僕は知らない。
今まではαの匂いなんて全然しなかったのに、発情期になってからαの匂いが分かるようになった。
今日学校でアル様以上の好きな香りがあったら、その人との方が相性が良いのかな。
学校に着いたらきっと分かるはずだ。
そんなことを考えていたら、もう学校に着いた。
アル様と一緒に校舎に入ると、すれ違う人から時々いい香りがした。
でも、やっぱりアル様の匂いが1番な気がしてしまう。
盲目になりすぎているんだろうか。
教室に入ってもそれは変わらなかった。

「はぁ......」
「リオン様、おはようございます。体調はいかがですか」
「おはよう、オリヴァー。もうすっかり大丈夫だよ」
「それはよかったです。実習の花もしっかり世話してるので安心してくださいね」
「ありがとう!今日からは僕もしっかりやるよ」
「無理しないでくださいね」

一週間も世話を任せっきりにしてしまったのに本当いい人だ。
休んでいる間のノートはアル様が手紙と一緒にくれたし、授業もしっかり着いていかないと。
いつも以上に気合いを入れて午前中の授業に取り組んだ。
それでもやっぱり分からないところがあって先生に聞こうと思ったのに生憎、先生は午後から出張のようで後日になってしまった。
午後は実習だったから、問題なく終えられあっという間に帰る時間になった。

「リオ、体調は大丈夫?」

今は馬車に揺られながら帰っている途中だ。

「大丈夫です。いつも通り過ごせました」
「授業で分からなかったところがあったら教えて。私が教えるよ」
「いいんですか!先生に聞きに行ったんですけど時間が無くて教えてもらえなかったんです」
「どこだい?」
「ここなんですけど......」

このままじゃ見えにくいかな。
アル様の隣に座ろう。

「あぁ、これはこの公式を使ってその後に......」
「あ!そういうことか!ありがとうございます!」
「他には?」
「もう大丈夫です!」

やっぱりアル様の教え方は分かりやすいな。
よし、言われた通りの公式と手順をメモしたし、元々座っていた向かいの席に戻ろう。

「ところで、リオ。運命かどうか分かりそう?」
「......まだはっきりとはわかりませんが、アル様の匂いが1番良い匂いでした」
「そっか」

それだけしか言わなかったけど、アル様の顔はすごく嬉しそうで、なんだかこっちまで嬉しいような気がした。
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