生まれ変わっても変わらず好きでいてくださいね

ななな

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聞かなくてもいつでもしてください

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古い映画館なのに中はとても広かった。
内装はレトロで本当に絵本の中に入ったみたいだ。
上映される部屋に入ったけど、中は俺たち以外いなかった。特等席の真ん中あたりに座って、映画が始まるのを待つ。

「緊張してきたかも」

「俺も緊張してきました」

ここでいい感じにくっつくいていい雰囲気にしようと思うとやっぱり緊張してくる。
やっぱり、手握るのはやりたい。
あと、出来たらハグもしたい。
怖がるフリも上手くやらないと、バレたら恥ずかしいし。

「そろそろ、始まるみたいだね」

「なんだか、もう怖くなってきました」

「早いよ。まだこれから」

映画はジャパニーズホラーって感じでじわじわくるタイプだった。
こういう系は見てる時よりも見終わった後の帰り道とかが怖いんだよな。

「手、握っていい? 思ったより怖い」

ギャップ萌えを狙ってるとしか思えない。
まさか、葉月さんからくっつくいてくれるなんて!
葉月さんが可愛いく感じる。
それに、俺たち以外いないのに、小声で喋るあたり真面目だな。

「はい。葉月さんの事は俺が守るんで大丈夫です」

思った感じと違うけど、いい雰囲気になれそうだ。
そろそろ、クライマックスが来るはず。
その時は僕から抱きつく。
そろそろかな。

「うわぁっ」

マジかー。俺が抱きつくより先に葉月さんが抱きつくのは予想してなかったけどこれはこれでいい。
ホラー苦手だったんだ。可愛い。

「ごめん。結構、怖くて抱きついちゃった」

可愛いすぎる。本当、可愛い。
映画が終わったあと、映画館の外にある緑のベンチに座って話している。

「葉月さんって怖いの苦手なんですか」

「日本のホラーは苦手かも」

「可愛かったですよ。俺的には抱きついてくれてラッキーでした」

「恥ずかしいな」

「好きです。葉月さん、付き合ってください」

やばい。可愛いすぎて口から勝手に出た。
もう少し雰囲気作りたかったのに。
でも言うつもりだったし、もう言っちゃったからしょうがない。

「あー、僕から言うつもりだったのに。いつも先に言われちゃうな」

「葉月が可愛いすぎて思わず言っちゃいました」

こんなにかっこいい見た目なのに中身が可愛いすぎて、更に好きにさせてくる。

「これからよろしくね」

「はい」

「優雨って可愛いのに性格は男前なんだね」

「葉月さんはかっこいいのに性格は案外可愛いんですね」

「そう思うのは優雨だけだよ。でも、優雨に言われるなら悪くないね」

「かっこいい葉月さんも可愛い葉月さんもどっちも好きです」

「僕もずっと優雨が好きだよ」

「照れますね」

「優雨、キスしていい?」

「聞かなくてもいつでもして良いですよ」

「そういうとこ本当好き」

初めてしたキスはレモンの味なんてしなかったけど、胸がいっぱいになって幸せだった。








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