10 / 83
2 再会〜疑似恋愛契約〜
2-3
しおりを挟む
これがきっと"売り言葉に買い言葉"ってやつね……言ったそばから後悔を始めた。普通の恋愛だって上手くいかなかったのに、疑似恋愛なんて出来るわけがない。
しかしふとあの夜のことを思い出し、体の奥がキュンと締め付けられた。
「ねぇ、それって……その……体の関係も含まれるわけ?」
六花が尋ねると、宗吾は驚いたように目を見開いてしばらく考え込む。それからゆっくり口を開いた。
「さぁ……俺は大歓迎だけど、阿坂が嫌ならしない。子どもも別に望んでるわけじゃないしね。俺は隣にいてくれる心地良い誰かがいればいい。ただ結婚するからには確かに相性は大事だけど……まぁ体の相性が良いのはお互い確認済みか」
愛情も子どもも望んでるわけじゃないーーその言葉に心のどこかで気落ちしながらも、プレッシャーを感じずに済むのは有り難かった。
恋人だった男とは長いこと関係はなく、まだ肌を触れ合わせていた頃も、宗吾とのたった一夜の熱を越えるようなものはなかった。
馬鹿みたい……私たちに愛がないのはわかっているのに、あの激しく熱い絡み合いを期待している自分がいる。
体の関係自体には冷めた考えでいるかと思ったけど、内心は意識を失うほどの快楽を欲していたなんて……それくらいあの夜は六花を満たしてくれた。
でも愛のない結婚に意味があるのだろうかーー体だけの関係って虚しいだけじゃない?
二人の視線が合うと、宗吾の顔がゆっくりと近付いてくる。
「どうする?」
宗吾の指が六花の唇の上をなぞり、キスをされた途端にあっという間に彼の侵入を許してまう。舌を絡めあいながら夢中になってキスをしていると、スイッチが入ったかのように、六花は体が熱く溶けていくのを感じた。
そのことに気付いたのか、宗吾は彼女の背中に腕を差し入れ、ソファへゆっくりと押し倒す。
こんなに激しいキス、あの日以来かもしれない……六花はうっとりと目を閉じる。服の隙間から彼の長い指が滑り込んでくると、口からは小さな声が漏れ、その動きに反応するかのように体がうねる。
あぁ、どうしよう……やっぱり貴島って上手なんだわ。こんなに気持ち良くなっちゃうの、あの日以来だもの……快楽に流され、堕ちていく。付き合っているわけじゃない。体だけでも良いと思わせるほどの感覚ーーもうずっと忘れていた。
体の相性なんて、心の相性に比べればそれほど重要視していなかったのに、この快楽を知ってしまうとそうとは言い切れなくなってしまう。
宗吾の指先が六花の中へとゆっくり挿入され、彼女が感じる部分をじっくりと攻め立てる。
「ここ……あの時も好きだったよな」
反論しようとした六花の唇を塞ぐと、舌を絡めながら、息が絶え絶えになるほどの激しい愛撫を繰り返した。
「なぁ……名前呼んでよ」
「名前……? あっ……んっ……貴島……!」
「そうじゃなくて下の名前。疑似恋愛するんだし、名前で呼んだ方が感情も入りやすいと思う」
「……そんなもの?」
「あぁ、そんなものだよ。六花」
急に名前を呼ばれたからドキッとした。確かにスイッチは入りやすいかもしれない。
「……宗吾……やっぱりちょっと恥ずかしい……んっ……」
すると宗吾の動きが急に激しくなり、我を忘れるほどの快楽の波が徐々に押し寄せる。宗吾が六花の中へと身を沈めると、体が小刻みに震えるのがわかった。
「六花」
あぁ、来た……宗吾から与えられる快感に心臓が早鐘のように打っていく。そして宗吾の全てを受け入れるように体の力が抜けていくのがわかる。
なんて気持ちが良いのかしら……二人の体がピタリと重なり合う。それでも心の片隅にはアサカさんの存在を留めておいた。
勘違いしちゃダメ……名前を呼ばれた瞬間、まるで愛されているかのように錯覚してしまった。でも彼が愛しているのは今もきっとアサカさん。だから疑似恋愛なんて提案をするのよ。
アサカさんの代わりに抱かれるのはこれで二度目ね……それでも寂しかった心の隙間を埋めるのは十分だった。
しかしふとあの夜のことを思い出し、体の奥がキュンと締め付けられた。
「ねぇ、それって……その……体の関係も含まれるわけ?」
六花が尋ねると、宗吾は驚いたように目を見開いてしばらく考え込む。それからゆっくり口を開いた。
「さぁ……俺は大歓迎だけど、阿坂が嫌ならしない。子どもも別に望んでるわけじゃないしね。俺は隣にいてくれる心地良い誰かがいればいい。ただ結婚するからには確かに相性は大事だけど……まぁ体の相性が良いのはお互い確認済みか」
愛情も子どもも望んでるわけじゃないーーその言葉に心のどこかで気落ちしながらも、プレッシャーを感じずに済むのは有り難かった。
恋人だった男とは長いこと関係はなく、まだ肌を触れ合わせていた頃も、宗吾とのたった一夜の熱を越えるようなものはなかった。
馬鹿みたい……私たちに愛がないのはわかっているのに、あの激しく熱い絡み合いを期待している自分がいる。
体の関係自体には冷めた考えでいるかと思ったけど、内心は意識を失うほどの快楽を欲していたなんて……それくらいあの夜は六花を満たしてくれた。
でも愛のない結婚に意味があるのだろうかーー体だけの関係って虚しいだけじゃない?
二人の視線が合うと、宗吾の顔がゆっくりと近付いてくる。
「どうする?」
宗吾の指が六花の唇の上をなぞり、キスをされた途端にあっという間に彼の侵入を許してまう。舌を絡めあいながら夢中になってキスをしていると、スイッチが入ったかのように、六花は体が熱く溶けていくのを感じた。
そのことに気付いたのか、宗吾は彼女の背中に腕を差し入れ、ソファへゆっくりと押し倒す。
こんなに激しいキス、あの日以来かもしれない……六花はうっとりと目を閉じる。服の隙間から彼の長い指が滑り込んでくると、口からは小さな声が漏れ、その動きに反応するかのように体がうねる。
あぁ、どうしよう……やっぱり貴島って上手なんだわ。こんなに気持ち良くなっちゃうの、あの日以来だもの……快楽に流され、堕ちていく。付き合っているわけじゃない。体だけでも良いと思わせるほどの感覚ーーもうずっと忘れていた。
体の相性なんて、心の相性に比べればそれほど重要視していなかったのに、この快楽を知ってしまうとそうとは言い切れなくなってしまう。
宗吾の指先が六花の中へとゆっくり挿入され、彼女が感じる部分をじっくりと攻め立てる。
「ここ……あの時も好きだったよな」
反論しようとした六花の唇を塞ぐと、舌を絡めながら、息が絶え絶えになるほどの激しい愛撫を繰り返した。
「なぁ……名前呼んでよ」
「名前……? あっ……んっ……貴島……!」
「そうじゃなくて下の名前。疑似恋愛するんだし、名前で呼んだ方が感情も入りやすいと思う」
「……そんなもの?」
「あぁ、そんなものだよ。六花」
急に名前を呼ばれたからドキッとした。確かにスイッチは入りやすいかもしれない。
「……宗吾……やっぱりちょっと恥ずかしい……んっ……」
すると宗吾の動きが急に激しくなり、我を忘れるほどの快楽の波が徐々に押し寄せる。宗吾が六花の中へと身を沈めると、体が小刻みに震えるのがわかった。
「六花」
あぁ、来た……宗吾から与えられる快感に心臓が早鐘のように打っていく。そして宗吾の全てを受け入れるように体の力が抜けていくのがわかる。
なんて気持ちが良いのかしら……二人の体がピタリと重なり合う。それでも心の片隅にはアサカさんの存在を留めておいた。
勘違いしちゃダメ……名前を呼ばれた瞬間、まるで愛されているかのように錯覚してしまった。でも彼が愛しているのは今もきっとアサカさん。だから疑似恋愛なんて提案をするのよ。
アサカさんの代わりに抱かれるのはこれで二度目ね……それでも寂しかった心の隙間を埋めるのは十分だった。
0
あなたにおすすめの小説
【R18】純粋無垢なプリンセスは、婚礼した冷徹と噂される美麗国王に三日三晩の初夜で蕩かされるほど溺愛される
奏音 美都
恋愛
数々の困難を乗り越えて、ようやく誓約の儀を交わしたグレートブルタン国のプリンセスであるルチアとシュタート王国、国王のクロード。
けれど、それぞれの執務に追われ、誓約の儀から二ヶ月経っても夫婦の時間を過ごせずにいた。
そんなある日、ルチアの元にクロードから別邸への招待状が届けられる。そこで三日三晩の甘い蕩かされるような初夜を過ごしながら、クロードの過去を知ることになる。
2人の出会いを描いた作品はこちら
「純粋無垢なプリンセスを野盗から助け出したのは、冷徹と噂される美麗国王でした」https://www.alphapolis.co.jp/novel/702276663/443443630
2人の誓約の儀を描いた作品はこちら
「純粋無垢なプリンセスは、冷徹と噂される美麗国王と誓約の儀を結ぶ」
https://www.alphapolis.co.jp/novel/702276663/183445041
この溺愛は契約外です~恋焦がれた外科医から愛し愛されるまで~
水羽 凛
恋愛
不幸な境遇を生きる健気な女性花名は母親の治療費と引き換えに外科医である純正の身の回りの世話をすることになる。恋心を隠せない花名に純正は……。
契約書は婚姻届
霧内杳/眼鏡のさきっぽ
恋愛
「契約続行はお嬢さんと私の結婚が、条件です」
突然、降って湧いた結婚の話。
しかも、父親の工場と引き替えに。
「この条件がのめない場合は当初の予定通り、契約は打ち切りということで」
突きつけられる契約書という名の婚姻届。
父親の工場を救えるのは自分ひとり。
「わかりました。
あなたと結婚します」
はじまった契約結婚生活があまー……いはずがない!?
若園朋香、26歳
ごくごく普通の、町工場の社長の娘
×
押部尚一郎、36歳
日本屈指の医療グループ、オシベの御曹司
さらに
自分もグループ会社のひとつの社長
さらに
ドイツ人ハーフの金髪碧眼銀縁眼鏡
そして
極度の溺愛体質??
******
表紙は瀬木尚史@相沢蒼依さん(Twitter@tonaoto4)から。
俺と結婚してくれ〜若き御曹司の真実の愛
ラヴ KAZU
恋愛
村藤潤一郎
潤一郎は村藤コーポレーションの社長を就任したばかりの二十五歳。
大学卒業後、海外に留学した。
過去の恋愛にトラウマを抱えていた。
そんな時、気になる女性社員と巡り会う。
八神あやか
村藤コーポレーション社員の四十歳。
過去の恋愛にトラウマを抱えて、男性の言葉を信じられない。
恋人に騙されて借金を払う生活を送っていた。
そんな時、バッグを取られ、怪我をして潤一郎のマンションでお世話になる羽目に......
八神あやかは元恋人に騙されて借金を払う生活を送っていた。そんな矢先あやかの勤める村藤コーポレーション社長村藤潤一郎と巡り会う。ある日あやかはバッグを取られ、怪我をする。あやかを放っておけない潤一郎は自分のマンションへ誘った。あやかは優しい潤一郎に惹かれて行くが、会社が倒産の危機にあり、合併先のお嬢さんと婚約すると知る。潤一郎はあやかへの愛を貫こうとするが、あやかは潤一郎の前から姿を消すのであった。
【完結】退職を伝えたら、無愛想な上司に囲われました〜逃げられると思ったのが間違いでした〜
来栖れいな
恋愛
逃げたかったのは、
疲れきった日々と、叶うはずのない憧れ――のはずだった。
無愛想で冷静な上司・東條崇雅。
その背中に、ただ静かに憧れを抱きながら、
仕事の重圧と、自分の想いの行き場に限界を感じて、私は退職を申し出た。
けれど――
そこから、彼の態度は変わり始めた。
苦手な仕事から外され、
負担を減らされ、
静かに、けれど確実に囲い込まれていく私。
「辞めるのは認めない」
そんな言葉すらないのに、
無言の圧力と、不器用な優しさが、私を縛りつけていく。
これは愛?
それともただの執着?
じれじれと、甘く、不器用に。
二人の距離は、静かに、でも確かに近づいていく――。
無愛想な上司に、心ごと囲い込まれる、じれじれ溺愛・執着オフィスラブ。
※この物語はフィクションです。
登場する人物・団体・名称・出来事などはすべて架空であり、実在のものとは一切関係ありません。
一夜限りのお相手は
栗原さとみ
恋愛
私は大学3年の倉持ひより。サークルにも属さず、いたって地味にキャンパスライフを送っている。大学の図書館で一人読書をしたり、好きな写真のスタジオでバイトをして過ごす毎日だ。ある日、アニメサークルに入っている友達の亜美に頼みごとを懇願されて、私はそれを引き受けてしまう。その事がきっかけで思いがけない人と思わぬ展開に……。『その人』は、私が尊敬する写真家で憧れの人だった。R5.1月
冷酷総長は、彼女を手中に収めて溺愛の檻から逃さない
彩空百々花
恋愛
誰もが恐れ、羨み、その瞳に映ることだけを渇望するほどに高貴で気高い、今世紀最強の見目麗しき完璧な神様。
酔いしれるほどに麗しく美しい女たちの愛に溺れ続けていた神様は、ある日突然。
「今日からこの女がおれの最愛のひと、ね」
そんなことを、言い出した。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる