今日もまた、妄想中です。

菊椿

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どうも、妄想女子です?!

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「華、華。ねぇ、起きてる?」
 後ろから、友人の声が聞こえる。今、とてもいい妄想をしていたのに一瞬で打ち消された。
「何よ、くるみ。今いいとこだったのに。」
 華は、ちょとムスッとして友人のくるみの方を見た。
「そんなに、ムスッとしないでよ。華に良い事教えてあげようとしてたのに。」
 そう言って、友人のくるみはとても嬉しそうに言ってきた。そんな様子を見て華は、大体想像ができた。前にもこういう事が何度もある、会社にイケメンの人が入って来たら、いつも機嫌がいいのだ。
「相変わらず、イケメンが好きね。」
 華は、ちょと嫌味っぽく言ってみた。
「そうなの!、今回のイケメンは一味違うのよ。」
 くるみは、自信満々に言ってきた。私の嫌味に気付かずに。
(今回のイケメンって、どんなけ面食いなのよ。)
 と、思いつつくるみの話しを仕方なくきいてあげる事にした。
「で、どういうひとなの?」
「それはね、今までのイケメンはイケメンだけあって、チャラかったじゃない?」
「まぁ、たしかに」
「でも、今回のイケメンは違うの。クールで仕事も出来るってうわさなの」
(噂かよ。)
 と、突っ込みたくなったが、ここは我慢しよう。
「いつ、そのイケメンくんはここに来るの?」
「明日、来るんだって。」
 それまた、急に。会社は忙しいみたいだ。
   

 
 今日は噂のイケメンくんがくる。そのため、女性社員はほとんどオシャレをして来ている。なかには、ケバくて大丈夫かと、言いたくなるようなひともいた。  
 突然会社の扉が開き、女性社員たちはイケメンくんを見るためだけに会社をきたかの様に扉をみつめた。
「おはようございます。」
 扉から、爽やかな声が聞こえてきた。
イケメンくんの顔立ちはとても綺麗でクールビューティーてきな顔立ちだった。
「涼宮暁くん、こちらに。」
 課長がイケメンくんを呼んで、自己紹介するように言った。
「涼宮暁、27歳。よろしくお願いします。」
 イケメンくんは、シンプルな自己紹介をし、会社の人達から握手を貰っていた。すると、会社の女性社員たちはすぐイケメンくんの周りにあつまり、質問をしてきた。
「ねぇ、暁くんは彼女とかいるの?」
 一人の女性社員が質問してきた。
「いや、居ませんが。」
「えー、以外。世の女性たちはほっとかないと思うのに。」
「そこ、話しをしないで仕事をしなさい。」
 課長が、イケメンくんの周りの女性社員たちに注意した。
「あの、ジジィ。チッ」
 そう言って、女性社員たちはイケメンくんから去っていった。私はいつもの様に仕事をしながら妄想をしていた。今回の妄想の内容は、自分がネコになってご主人様とほのぼのした日常を妄想していた。それが思いの外、面白く妄想できたのでちょっと笑ってしまった。もちろん小さく笑った事をバレない様に。
「あの、」
 急に後ろから、声が聞こえたので振り返ってみると、そこにはイケメンくんが。まさか、イケメンくんに一人で笑った事バレたのではと、ちょっと心配はしたが今までバレた事は無いので、大丈夫だと自分に言い聞かせた。
「なんか困った事でもあったの?」
 と、私は優しくきいてみた。するとイケメンくんは。
「森山さんから、この資料が終わったら成瀬さんに渡せと、言っていたので。」
「あ、そうなんだ。ありがとう」
 (早い、もうこの資料終わったのか。噂どうりだ)
 だと、思いずつ資料を受け取るとイケメンくんはその手を離さない。
「えっと、あと何かあるの?」
 私はちょっと、びっくりして聞いてみた。
「あの、笑うならもっと大きく笑った方がいいですよ」
 (イケメンくんはそれを言うためだけに手を離さなかったのか。)
 と思いうと、妄想で笑っていた事がバレたのがすごい恥ずかしかった。
(あの、イケメンは危険)
 私はこの時、イケメンくんの第一印象が決まったのだ。
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