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第1章
第9話 死神の戦旗と、彼を恐れる世界
しおりを挟む誰もいない食堂にて、流実は早速基本的な文字を教わっていた。
「これは“あ”、そして“い”です」
「“あ”、“い”…」
ギルバートが書いた見本の文字を真似て、用意してくれた紙とペンで何度も練習をする。
本当に文字だけが違ったようで、五十音でできた日本語そのものだった。
「飲み込みが早いですね」
ニコリと優しく微笑むギルバート。彼の雰囲気や口調が優しいせいか、すっかり緊張は解けてリラックスして勉強できていた。
兄はいないが、こんなに優しくてイケメンの兄だったら毎日楽しいだろうなぁ。とボンヤリ妄想したところで。
「文字はここまでできれば、良いでしょう」
「えっ、でも…」
「それより、世話係の仕事には軍の専門用語や書類の送付方法などを覚える方が大切ですよ」
「確かに…そうですね」
その通りだ。
軍の総司令官の世話係になるのだ。文字はもちろん、覚える事は山積みだ。
そう思った時だった。
勢いよく開けられたドアの音。
思わずビクリとしてそちらを見れば、不機嫌そうにやって来たのは銀髪で端正な顔立ちの己の主人だった。
何事かと思ったが、流実は靭だと気付くとホッと息を吐く。一方のギルバートは逆に緊張で表情が固くなっていた。
「お前、ここで何してんだ」
「……え?勉強ですけど…」
「あれだけ家事をすると言っておきながら、今何時だと思ってる」
「―――あ!」
その言葉に、素早く壁に掛けてある時計を確認する。現在夜の九時前。勉強に夢中になり過ぎてあっという間に時間が経っていたようだ。
流実は慌てて席を立つ。すると、ギルバートが何故が顔を真っ青にして謝罪を口にした。
「申し訳ありません族長!つい長居をしました。彼女は何も悪くないのです」
「え?そんな、私が夢中になったから…」
「私のせいです」と言おうとした瞬間だった。
「いえ!私が悪いのです。ですから、どうか寛大なご対応を!」
隣から、恐怖に震えたギルバートの声に遮られた。
(……え?靭さんってこんな事で怒る人なの?)
顔面蒼白になったギルバートの姿についチラリと本人を見れば、まるで地の底から煮え滾る怒りを押し殺す様な目でギルバートを睨んでいた。
(―――あ、やっぱり勘違いされてるんだ)
何故か、その表情を見て、理解してしまった。
これは私に怒ってるんじゃない。こんな事で怒ると思われている事に、怒ってるんだと。
「ギルバートさん大丈夫です。クロノアさんは器の小さな人ではありません」
「は…!?」
「えっ!?」
気付いた時には、口に出ていた。
「この国の軍の総司令官なんですよね?そんな人が、お腹空いたくらいで怒るなんて。ね?クロノアさん」
「!?」
「遅れて本当にごめんなさい。直ぐに夕飯にします。ギルバートさんも、またよろしくお願いします」
「えっ?あ、はい」
呆然とするギルバートにペコリと会釈をし、何事もなかったようにさっさと食堂を後にする。
流実が出て行った先を見た靭は何とも言えない表情を浮かべ、グシャリと髪を掻き上げていた。あそこまで言われたら、本当に怒る事などできないのだろう。
「…で。どうなんだ」
「え?!」
「あいつは少しは使えそうなのか」
「! は、はい。文字は練習すれば問題ないかと。これから世話係の勉強も行う予定です」
靭はそれだけ確認すると、ため息を漏らして食堂から出て行く。やはりどこか納得のいかない顔をしていたが、先程の怒りは引っ込んでしまったようだ。
「……流実さんは不思議な能力でもあるんでしょうかねぇ」
食堂に一人残されたギルバートが、目の前の光景が信じられずにボソリと呟いた。
普通は族長の怒りを前にし、恐怖から正気ではいられなくなる。
それ程に闇方軍総司令官クロノア・アギルは恐怖の対象だったし、『死神』のイメージしかない。
だが、あの人間の少女は信じられない事に族長に睨まれても平然としていた。更に怒りを受け流すだけではなく、いなしてさえいる。
こんな事…不思議と言わずに何と言う?
(人間の価値の高さは、この世界の“常識”を覆せるからかも…?)
ギルバートは、声には出さずにただ心の中で呟く。
そして。
「流実さんなら…族長を変えられるのかも知れませんね…」
そう、今度は声に出して呟いていた。
◇◇◇◇
離れに戻った流実は、玄関のドアを開けた瞬間思わず口を開けて固まっていた。
昼間、歩くスペースすらない程に家中の空間を占拠していた書類や本の山。それがいつの間に組み立てられていた本棚に綺麗に収まっており、まるで図書館のようになっていたからだ。
これは――うん、後でちゃんと謝ります。
二人で生活するには大きい家だと思っていたが、こうして荷物が入れば意外と手狭に感じる。彼が“城”でこの資料を元に仕事をしていたのかと思うと、早速世話係の業務に一抹の不安が過ったところで。
「―――早くご飯作ろう」
現実逃避をするように食品庫の中に入り、ガサゴソと確認しながらメニューを考える。すると、ふと足元に乾麺が入った箱を見つけた。
(…あ!煮込みうどん!)
家でよく作っていた、お気に入りの手抜きメニューだ。今は時間もないしちょうど良い。
そうと決まれば、早速ふむるが運んでくれた新品の鍋を開封して野菜やお肉を調理し始めるのであった。
◇◇◇◇
煮込みうどんが出来上がった頃、ガチャリと玄関のドアが開き、ちょうど良いタイミングで靭が帰って来る。
「! おかえりなさい、クロノアさん」
流実はキッチンから顔を出す格好で話しかける。
雇用主におかえりというのは少し違う気もするが、一緒に暮らすのだし、挨拶しないと。
リビング越しに目が合った靭は一瞬驚いた表情を見せるが、無言で一瞥するとそのまま洗面所に向かってしまった。
……仕方ない。彼が怒るのは分かる。結局片付けを一人でやらせてしまったのだから。
流実は気持ちを切り替え、テーブルに鍋やお椀などを運んで食べる準備を進める。
洗面所から帰ってきた靭に箸を渡し、無理矢理笑顔を作った。
そんな流実に――彼は思いがけない事を口にした。
「お前は」
「え?」
きょとんと彼を見つめる。私は?何だろう。
「何も食べてないだろ」
「!」
(……やっぱり、怒ったように見えるだけだったんだ)
改めて心の中で確認する流実。
ご飯を食べてない事を覚えている上に心配してくれるなんて、何と表情と考えている事が合わない人だろうか。
やはり彼は自分と同じコミュ障なのかも知れない。不器用で素っ気ないが、決して冷たい人ではないのだ。
「あの…じゃあ一緒に食べても良いですか?」
本音は一緒に食べたい。もう限界な程お腹がペコペコなのだ。
靭は一瞬たじろいだ表情を見せたが、「別に」と返事をする。
流実は食事にありつける嬉しさからつい満面の笑顔になり、自分のお椀を持ってくると遠慮なくうどんをよそった。
「いただきます」
笑顔で言った流実に、再び小さく動揺した靭はボソリと「ああ」と呟く。
テンションの低さとは正反対に、あっという間にうどんを平らげていく靭。やはり美味しいとは言ってくれないが、早々に平らげたので合格点なのだろう。
結構な量を作ったはずなのに、あっという間になくなった空の鍋を見てどこに入ったのだろうと不安になる。身長も高いし、筋肉質っぽいし、燃費が悪いんだろうか。
(それより今は…謝らないと)
「あの……家の片付けはすみませんでした」
このタイミングだと思った流実はしおらしく謝る。
すると、これにはきちんと反応した靭が「お前良い度胸してるよな」と流実を睨んだ。
「本当にごめんなさい」
「まあ、お前に文字を教えろと言ったのは俺だ。それに、まさか文字が違うとは……」
それを言った瞬間、ピタリと靭が固まる。
そして、それ以上は言わなかった。
ピリリとした雰囲気が周囲を覆っていく。それは、冷気にも似た緊張感。
―――この空気は、“違う”。
一瞬で彼の様子と言葉の意味に気付いた流実は、これ以上空気が悪くならないように咄嗟に話題を変えた。
「明日の朝食はどうしますか?というか、いつも食べてました?」
「…ああ」
「分かりました。何か希望はあります?」
「別に」
「じゃあ、適当に作ります。できたら呼びますので」
焦りを気付かれないよう、できるだけ自然に笑い、言った。
すると少しだけ気まずそうに眉を寄せた靭が「ああ」とだけ返事をしてそのまま書斎へ消えて行った。
―――どうやらギリギリ地雷を踏まずに済んだらしい。
幸か不幸か、人の顔色を読む癖が付いていて助かった。
(……結構前から、この世界にいるんだ…)
また小さく息を吐く流実。
“まさか文字が違うとは”
総主に謁見した日。いつからこの世界にいるのか答えてくれなかった理由を垣間見た流実は、この不思議な同居生活に初めて気が重くなるのであった。
◇◇◇◇
翌日から流実は本格的に世話係の勉強を始めていた。
この日は「世界を知る」というテーマだ。
世界地図を見て一番驚いた事は、“二つの大陸”しか描かれていなかった事だ。
左側には森林ばかり描かれている「森林大陸」の北國。右側は海に面し、適度に森林地もある「海洋大陸」の南國。
分かりやすいと言えば分かりやすいが、本当に二つの国しかないらしい。
「この南國の“パラマ地区”は一番北國に近いんですね」
覚えたばかりの地名を言いながら、その場所を指でなぞる流実。それに、ギルバートは小さく頷いた。
「ええ。そのせいか小競り合いはしょっちゅうです。我々もたまに出陣しますし」
昨日玄関先で聞いた“パラマ”とは、恐らくこの場所の事だ。
出陣。―――つまり戦いに行くという事だ。
暗くなって流実が俯くと、ギルバートはじっとその様子を見つめ心配そうな表情になった。
「……話は変わりますが、昨日は大丈夫だったでしょうか?」
突然の話に、流実は思わず「え?」と呟いてギルバートを見つめた。
「流実さんが族長に叱責されてしまったのか、心配で」
「え?怒られてないですけど…。一緒にご飯も食べましたし」
「そうですか。ご飯も……ご飯も!?」
物腰柔らかく冷静だと思っていたギルバートが初めて奇声を上げた瞬間だった。その様子に流実はビクリと肩を揺らし、怯えたようにギルバートを見つめる。
「あ、あの、何か変な事…?」
「えっ、あ、すみません。少し聞き違いしたようで。族長と流実さんが、一緒に夕飯を食べたなんて」
ふーっと長いため息を吐きながら、モノクル眼鏡を拭き始めるギルバート。まるで現実逃避でもしているかのようだった。
つまり、ギルバートが奇怪な行動を取るほど…闇方軍総司令官と一緒に食事をするのは変だったという事ではないか?
「すみません、まさか私、知らなくて…!」
「え?」
「軍の総司令官みたいな偉い人と一緒にご飯を食べたらダメなんて知らなくてー」
「? そんな決まりなどありませんが」
(…ん?なら、なぜこんなに驚いているんだろう?)
よく分からずにギルバートを見つめていると、彼は困ったように眉尻を下げた。
「その様子だと、族長と暮らすのは問題ないのですね?」
「え?あ、はい」
「そうですか…」
再び長いため息を吐いたギルバートがゆっくりと目を瞑った。そして目を開け、拭き終わったモノクル眼鏡をかけて流実に向き直った。
「一緒に食事を取れるくらいですし、本当に大丈夫なのでしょうが…。どうも私は心配性でして。流実さんがぞんざいな扱いを受けないか不安なんです」
「それなんですけどね!」
流実は思わず声を大きくした。
実は昨日ビックリした事があり、誰かに言いたくて仕方なかったのだ。
「クロノアさん、書斎の隣の小部屋に私の部屋を作ってくれたんですよ!」
「!?」
「部屋の整理をするついでにベッドを運んだと言ってました。一階の部屋の隅で生活する覚悟だったんですが、お陰様でぐっすり眠れましたよ!」
そう、彼は文句を言いながら流実の部屋を作ってくれていたのだ。片付けの際に邪魔だからと高校の制服を突っ込んだ四畳程の小部屋がそのまま流実の部屋になったという事だ。
ギルバートはその事に想像以上に驚いたらしく目を丸くしたまま言葉を失っている。
「クロノアさん、良い人ですよね」
「え!?は、はぁ。いやはや、本当に驚きです。イメージが違い過ぎて」
イメージ。
そこで、初めて流実はギルバートの言いたい事が分かった。
リリィ宅で見た彼や、紅族に拠点を移した日の彼の冷え切った恐ろしい雰囲気。
その上戦場での彼はもっと“冷酷”だとリリィは言っていた。そんな靭しか知らないのなら確かにそう思うのかも知れない。
逆に自分はこの世界での靭―『クロノア・アギル』を知らない。
正直まだ彼の性格は掴みきれていないが、不器用だけど優しいし、彼等が怯える程怖い人だとはやはり思えなかった。
「流実さんは、族長が怖くないんですね」
その時だった。ふとギルバートが呟いた。ついその言葉に眉を顰めてしまう。リリィと同じ事を言われたからだ。
「ギルバートさんは、どう思ってるんですか?」
「? 苦手ですよ」
今度は流実が面食らった。
え?今サラッと凄い事言いませんでした?
「そ、その、上司、だからですか?」
「いえ、逆です。仕事だから族長と関わりがあるんです。プライベートならまず近付きません」
朗らかに笑いながら話すギルバート。
ただ、表情と喋る内容が違い過ぎて怖い。リリィとは違った意味で心臓がキュッと掴まれるように痛くなる。
リリィといい、ギルバートといい、彼に対する心情は辛辣そのものだ。
(本当に…誰も靭さんの優しいところを知らないんだ…)
確かにいつも不機嫌そうな顔してるけど、実際は優しいのに。
「ところで、流実さんは族長が皆から“死神”と言われる理由を存知で?」
何故そんな事を聞かれるのか分からず、ビクリと身体が揺れる。そして恐る恐る「…何でですか?」と答えた。
「それ程に、あの方のイメージが“死”だからです」
「!」
「族長の戦闘力は一騎当千です。場合によっては万の兵でも敵わない。…時辰儀の戦旗を見た者は生きて帰れぬと敵兵は口を揃えて言います」
「じ、じしん儀…?」
ポカンと反芻した流実にギルバートは「丁度いい。これを」と言って一番下の本を取って流実に見せた。
開いたページには、いくつもの旗が描かれていた。ギルバートはその中で一番大きく描かれている旗の絵を指し示す。
―――懐中時計のような古い時計が中心に描かれている。その時計を囲うように、白い睡蓮が幾つか咲いていた。よく見れば睡蓮の葉も時計になっており、細かい所まで装飾され、パッと見ても、とても華やかで美しい旗の絵だった。
(綺麗だけど…どういう意味だろう?)
流実が見上げると、ギルバートはまた朗らかに笑って答えてくれた。
「族長の…闇方軍総司令官の戦旗ですよ」
「! クロノアさんの…?」
言われて改めてまじまじと本を見つめる。
とても綺麗なこの旗は、彼の紋章であり戦旗らしい。絵画のような靭にお似合いの美しさだ。
「とても綺麗でしょう?」
「はい…。とても」
「意味は、“死までの時間”と“滅亡”ですよ」
「えっ」
思わず固まる。
えっ、今、何て?
「時辰儀…時計は、その者の寿命が尽きるという事。そして白の睡蓮の花言葉は滅亡。“誰も生かして帰さない”という意味の戦旗です」
「っ」
「美しいモノにはトゲがある。薔薇しかり、戦旗しかり、そして族長しかり…です。あの綺麗な外見に騙されない方が流実さんのためですよ」
そう言って朗らかに笑うギルバートに、流実は引きつった笑顔を向けた。
“……あそこは俺にとっての牢獄だ”
再び、彼の声が流実の頭の中を木霊する。
(本当に……誰も……)
軍の総司令官である彼には、誰も味方がいない。
それは、死ぬ間際まで同じ孤独を抱えていた自分のようで、流実は暫くうまく息が吸えなかった。
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