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本編
4、ご主人様を探せ
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もらった資料に目を通し、学園内の地図を頭に入れ職員室へ向かった。
担任となる教諭は授業中で不在らしい。
代わりに、復学のための必要書類を事務職員に渡す。
明日から登校ということで、朝礼より前に職員室に寄るよう指示された。
職員室を後にする。がやがやと騒がしくなった廊下に、授業が終わったのかと気づいた。
今、歩いているのは1年生の学年棟のはず、ご主人様を見かけるかもしれないと、雑踏に紛れて一人一人の生徒の顔を盗み見た。
「…いない、か。」
教室の中をのぞいたりするも、ご主人様の姿を拝むことは出来なかった。
肩を落とし、また、明日からだと俺は寮に戻る事にした。
……
………
…………
宇留島は次の授業は特別棟で行われるのだったと、授業の道具を持ち、足を進める。
ふと、窓の向こう。中庭を挟んで反対側の渡り廊下に、自身の執事である結斗の姿を見た気がした。
一度瞬きをし、目を凝らそうとする間に姿は見えなくなった。
先日帰宅し、会えなかった分を補充したはずだが、学園でもその姿を探してしまう自分に、苦笑する。
「流石に、重症だな。」
いつも側にいた存在に、寂しさを感じる。
一度思い浮かぶと声が聞きたくなるな、今日あたり電話でもしてみようかと考えながら、廊下を歩いていく。
そんな中、曲がり角の方から見かけない生徒がいたという話が聞こえてきた。
「…ねぇ、さっきの子、どこのクラス?」
「わかんない。あんな子いたっけ?」
「入学式とかで見かけないよね。」
「いたら絶対わかるでしょ。噂になるレベルの顔してた。」
思わず足を止め聞き耳をたてる。
「確かに…メガネ取ったら美人そうだよね。」「えー可愛い感じじゃない?」
「絶対美人だって!」
「可愛いって言ったら、1組の上月(こうづき)じゃない?」
「あーアイツね…女子みたいに可愛いは可愛いけど、敷島様とかにベタベタしすぎ!」
「お前、敷島先輩のファンだもんね。」
「だって、他にもさー…」
見かけたことのない生徒の情報を聞きたかったが、話題は切り替わってしまった。
さらには避けてきた生徒の名前も出た。
これ以上、有益な情報はないかと止めていた足を動かし廊下を曲がった。
「「「…っ!宇留島様‼︎」」」
「こんにちは。…予鈴も鳴ったし、もうすぐ授業始まるよ。」
にこ、ともう癖になっている笑顔を話をしていた同学年に向ける。
「教えてくださり、ありがとうございますっ」
「で、では!」
「…」
それぞれの反応を見せ、パタパタと去って行ってしまった。
顔を赤くする生徒もいた事に、はぁと息をこぼす。
この学園独特の環境にはいまだに慣れない。
ただ、もしも自身の行動で顔を赤らめるのが結斗であれば…、上がりそうな口角を手で隠す。
そうであればこの環境も悪くないし、むしろ利用して…、そこまで考え思考をやめた。
他のデメリットが多いからこそ共に入学をしなかったのである。
現金な自分に呆れながら、教室のドアを潜ったのであった。
担任となる教諭は授業中で不在らしい。
代わりに、復学のための必要書類を事務職員に渡す。
明日から登校ということで、朝礼より前に職員室に寄るよう指示された。
職員室を後にする。がやがやと騒がしくなった廊下に、授業が終わったのかと気づいた。
今、歩いているのは1年生の学年棟のはず、ご主人様を見かけるかもしれないと、雑踏に紛れて一人一人の生徒の顔を盗み見た。
「…いない、か。」
教室の中をのぞいたりするも、ご主人様の姿を拝むことは出来なかった。
肩を落とし、また、明日からだと俺は寮に戻る事にした。
……
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…………
宇留島は次の授業は特別棟で行われるのだったと、授業の道具を持ち、足を進める。
ふと、窓の向こう。中庭を挟んで反対側の渡り廊下に、自身の執事である結斗の姿を見た気がした。
一度瞬きをし、目を凝らそうとする間に姿は見えなくなった。
先日帰宅し、会えなかった分を補充したはずだが、学園でもその姿を探してしまう自分に、苦笑する。
「流石に、重症だな。」
いつも側にいた存在に、寂しさを感じる。
一度思い浮かぶと声が聞きたくなるな、今日あたり電話でもしてみようかと考えながら、廊下を歩いていく。
そんな中、曲がり角の方から見かけない生徒がいたという話が聞こえてきた。
「…ねぇ、さっきの子、どこのクラス?」
「わかんない。あんな子いたっけ?」
「入学式とかで見かけないよね。」
「いたら絶対わかるでしょ。噂になるレベルの顔してた。」
思わず足を止め聞き耳をたてる。
「確かに…メガネ取ったら美人そうだよね。」「えー可愛い感じじゃない?」
「絶対美人だって!」
「可愛いって言ったら、1組の上月(こうづき)じゃない?」
「あーアイツね…女子みたいに可愛いは可愛いけど、敷島様とかにベタベタしすぎ!」
「お前、敷島先輩のファンだもんね。」
「だって、他にもさー…」
見かけたことのない生徒の情報を聞きたかったが、話題は切り替わってしまった。
さらには避けてきた生徒の名前も出た。
これ以上、有益な情報はないかと止めていた足を動かし廊下を曲がった。
「「「…っ!宇留島様‼︎」」」
「こんにちは。…予鈴も鳴ったし、もうすぐ授業始まるよ。」
にこ、ともう癖になっている笑顔を話をしていた同学年に向ける。
「教えてくださり、ありがとうございますっ」
「で、では!」
「…」
それぞれの反応を見せ、パタパタと去って行ってしまった。
顔を赤くする生徒もいた事に、はぁと息をこぼす。
この学園独特の環境にはいまだに慣れない。
ただ、もしも自身の行動で顔を赤らめるのが結斗であれば…、上がりそうな口角を手で隠す。
そうであればこの環境も悪くないし、むしろ利用して…、そこまで考え思考をやめた。
他のデメリットが多いからこそ共に入学をしなかったのである。
現金な自分に呆れながら、教室のドアを潜ったのであった。
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