百万文字の世界

百万文字の世界final

25.

✴︎
「あと、二人ねぇ」
　トラックに乗っていた人は，そう言った。
　そして，トラックを叩いた。
「誰か，わからなかったら，殺せねぇって話かもな」
　トラックに乗っていた人は、わらった。
　そして，
「あと、二人だ。殺してやろうぜ」
　そう言って，トラックに乗り込んだ。
✴︎
　私は，そのノートの切れ端に何か書こうと思った。
　だから，自分の指を傷つけた。
　そして，少し血を出す。
　そして，指の血でノートの切れ端に書く。

『百万文字の世界が終わりますように』

　そして，私は，ノートの切れ端をポケットに突っ込む。
　しかし，
「ねぇ，あんた、いったい何をポケットにしまったんだい？」
「……」
　やばい、見つかった。
「いえ、ハンカチがあるかなーと思いまして」
「なんで，ハンカチなんか？」
　私は，急いで考える。
　そこで，指を見て言う。
「ちょっと爪で指を傷つけちゃいまして」
「ふーん。その深爪で？」
　あ、死んだ。
　私は，そう思った時、走り出す。
　一刻も早く姉さんから逃げ出さないと。
「なんで，なんで，なんで……ニゲルノサッ！」
　姉さんは，グールになる。
　体が黒くなり、ブチブチといわせて、筋肉が皮を破る。
「ニゲルナッ！」
　グールと化した姉さんから私は，逃げる。
【残りノートを知る人物、三名】
【呪い発動まで、三時間】