上 下
16 / 88

15.

しおりを挟む
✴︎
 長々と進んでいく話なのですが、すいません。
 全話が短くなりました。
 実は,毎日投稿を目指していたのですが、熱中していたものに気を取られてしまって、現段階で、投稿できる全てのものを投稿し終えていました。
 楽しみにしておられた方。
 大変申し訳ございませんでした。
 これからも出来るだけ、毎日投稿を続けてまいります。
✴︎
 グリッドは,ハッとしたかのように我にかえった。
「お、俺は,わかってる。俺は,俺だ」
 そう自分に暗示をかけた。
 俺は,マレート王国の地下牢にいた。
「あー、やっぱ捕まったって感じかー」
 そういうと,人がやってきた。
「お?起きたか?『伝説殺し』」
「お前,誰だ?」
 俺は,咄嗟に敵意を向ける。
 敵反応。
「俺は,『蟲』だ」
 俺は,少し考えてわかった。
「『蟲』か」
 俺は,ふっ、吐息を漏らして,
「こんなところでじっとしておられるかっつうの」
 バリッン。
 俺は,牢をぶち破る。
「それでこそ『伝説殺し』」
 蟲は、そう言ってきた。
 蟲は、腕を差し出してきた。
 そして、
「死んでください。グリッドさん」
 蟲は、剣を抜き、蟲の力を借りて、
「大地の力,【バインドアウト】!」
 こ、これは……!
 体が痺れる。
 俺は,知っている,この力を。
「【バインドアウト】っていったな?」
「はい。【蟲蟲蟲蟲蟲蟲蟲蟲蟲蟲蟲蟲蟲ガリードエードエリートバリッツオーバー】!」
 はい、蟲ですね。
 蟲蟲うっせぇな。
「俺もさ、つかっていい?」
「出し惜しみしないでくださいよ!」
 俺は,ニヤッと笑った。
「あぁ、わかったよ。出し惜しみは,しない」
 俺は,『死神』、『呪詛殺し』、『天魔』、そして、『黄白龍』に届くように、
「【将棟紅楼波ロードエナジー・フルカウント】」
 俺がそう言うと、
 大地に亀裂が走ったように感じた。
 あぁ、やってやるぜ。
 まだ,暴れたりねぇんだよ。
 楽しいんだよ。
 世界を壊すのがっ!
魔天剣まてんけん!」
 俺は,手元に剣を呼び寄せる。
 それは,どこからともなくやってきたものだ。
「俺は,勝つ!」
 俺は,蟲野郎に凸る。
 そして,首を落とす。
 そして,そのまま階段を上がる。
 そして、そのまま外に飛び出る。
 するとあの時のように輝いて見える。
 みんなの影が。
 なんて,ことは,ない。
 でも,それでいいんだ。
 俺は,救われた。 
しおりを挟む

処理中です...