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16.

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✴︎
「え?」
 その時、白いドラゴンは,波を,感じた。
 あの波は,『伝説殺し』だけが使えた波。
「まさかね」
 ドラゴンは,波の方向に向かう。
✴︎
「あーやってるねー」
「せやなぁ」
「まじかいな」
 3人は,笑ってみていた。
 天界で。
「しっかしなー」
 『天魔』サラドラッドは,笑う。
「シドリアって生きとったんやなー」
「せやなー」
 『呪詛殺し』ダリアンネットも笑う。
「いやいや、グリッドも捨てたもんじゃないぞ」
 『死神』ダーネリアンが言う。
「「「結局あいつらお似合いよなー」」」
 そして,盛大に笑った。
✴︎
 もう一撃!
「魔天剣!封印解除!」
 いくぜ!
 俺は,機嫌が良かった。
 世界を壊す勢いで蟲に飛びかかる。
「蟲は、攻撃だけでなく,防御にも……」
「うっさいわ!とりあえず、死ね!」
 魔天剣の封印を解除した。
 すると,魔天剣が一気に軽くなる。
 効率の良い切り方……。
 効率の良い殺し方……。
 ま、当然見えるよな。
「先手ひっしょ……」
 俺は,切りかかるタイミングで言い放った。
「うな?」
 俺は,蟲の体を引き裂いた。
 たかが蟲だ。
 どうってことは,ない。
 その時、一匹のドラゴンが降りてくる。
「あ?あぁ?あああああああああああああああああああああ!」
 俺の絶叫だけがこだました。
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