地下牢に閉じ込められていたシリアスキラーが20年後に突然解放されたら、勇者は、雑魚だった。

魔狼ちゃん

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✴︎
 俺は,消える前のゲートに少しでも近づこうとするが,出来ずにゲートは,消えてしまった。
 シドリアは,いったい何者なのか。
 覚えている記憶は,ない。
 多分,ミルを蘇生するときに失ったのかもしれない。
「……」
「ふふふ……」
 ミルは,笑っていた。
 無邪気な子供だった。
 可愛らしい美少女。
 腕は,何故か,再生していた。
 ただ,百パーセントの問題は、
「服がねーんだよな……」
 そう,ミルの服がビリビリに破れてしまっているのだ。
 ほとんど隠れているところがない。
 これは,一番ありえないパターンだ。
 このタイミングでもし,ミルが起きたりでもしたら,
「ふにゅ……朝ですか?」
 そうゆうのは,フラグだと聞いたことがある。
「な、ななななななななな……」
 『な』を,連呼するな。
 と言いたいところだ。
 しかし,このまま叫ばれてしまっては,俺は,犯罪者呼ばわりだ。
 てか,だいぶん人が集まってきそうな気配がする。
 多分俺たちのことについてだろう。
 仕方ない。
 俺は,上着の黒いコートをバサッとミルに着せてやった。
 ちょっとぶかぶかしてたが問題なさそうだ。
 というより、
「羽生えてね?」
「あっ!」
 あ,やば,ついちゃいけないところだったらしい。
 俺は,ミルに殴られる前に、
「……ッ!」
 天使に口づけを。
 俺たちの時は,そこで永遠に止まって欲しかった。
 だって,多分そこが一番幸せなのだから。
 少ししたら,
「ぷんぷん」
 ミルは,怒っていた。
「なんで,ですか,私に羽根があること見てるんですか?」
「はい,すいません。申し訳ありません」
 俺は,一生懸命謝っていた。
 なんか,変なやつっぽい目で見られているのが痛い。
「ま,いいけど……」
 あ、ちょっと機嫌が直ったぽい。
 俺は,そう思った。
「で、結局のところお前は、なんなんだ?」
 ミルは,息を吸って、
「私は、『女神王』らしい」
「おいおい,なんだそのらしいってのは……」
 ミルは,ちょっと言いづらそうに、
「その、誰かが,私に教えてくれるの」
「誰に?」
「わからないけど,あなたは、って」
 俺は,そのわからない人が誰か気になった。
 もしかしたら,あっているのかもしれない。
「でも,その人の声が最後に『女神王』だって言ってから途切れてたの」
 あ,そうなんだ。
 じゃ,『女神王』じゃないの。
 っていう感想になる。
「だけど,その人,さっき殺してきたんだけど……」
「はぁ?」
「いや,さっきって言っても、ここにくる前ね」
「おう」
 おうって言ったけど,内心全く良くないってことを考えている。
「で,その人に会って教えてくれた」
「どうゆう……」
「『雷帝』じゃないって」
「でも,それの結論付けで『女神王』ってなる?」
「まだ,まだ,いろいろあるのっ!」
 ミルは,まだ,話し足りないようだ。
「で、アーネイルを,見たときに思ったの。私のことを王として見ているのかなって」
「え?」
「だって,私から逃げられなかったでしょ?」
 確かに,逃げようと思えば逃げられたのに,彼女は,逃げなかった。
 俺は,何個かの仮説が立ちそうだったが,断定的な根拠がなかったので,何も決められなかった。
「ミル」
「なに?」
 俺は,ミルを抱きしめた。
 そして,額に口づけし、
「愛してる」
 たったこの四文字の言葉を言った。
 それだけで、この世界に『治癒クリア』をもたらしたかのようになった。

ー第一章 了

✴︎
 はい,第一章が終わりました。
 聖戦は,これからも続いていくのですが,一旦、ここで一章として,終了させていただきます。
 最後だけ,長々と書いてしまい申し訳ないです。
 第二章の制作は,また,後日ある程度の話数を,書いてから更新します。
 一章が終わる前に五話以上かけていましたら,更新しますので,どうぞ今後ともよろしくお願いします。
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