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〈お菓子の魔女〉と呪いの少女
待ち遠しい昼休み、おはよう昼休み
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学校にたどり着き、授業を受けている生徒一同。教科書は教典のようで授業は賛美歌のよう。まさに現代社会における一つの宗教であり、社会の中で神の存在が淘汰されている今ではまさに教育、勉学、成績、この神よりも強い神など存在しない。
那雪はそんな授業が終わったその後も1人きり。友だちなどクラスの中に1人もいないのであった。
そんな面白みもない休憩時間が終わって始まる次の授業もまた、相変わらず退屈でしかなくて、那雪はそんな退屈さを紛らわすようにいつもの癖でついやってしまうのであった。小声で外の世界に気付かれないようにこっそりぽつりと。
【転けたらいいのに】
しかし、そんな言葉は届くこともない。いつもと違う那雪の状態、魔法封じが効いているのだから。那雪は退屈しのぎの一つも満足にこなすことも出来なくて、心は不満で、〈南の呪術師〉の呪いに対抗すべく先程よりも大きな力を込めて呪詛を送るのであった。
【教卓にぶつかれ】
特に反応もなく授業を続けていた教師はその文字を刻むべくチョークを動かしていたが、それが終わり説明しようと振り向いた。その瞬間、勢いが余ったのであろうか教師は滑り教卓に身体を思い切りぶつけていた。
その瞬間を見ていた生徒たちはみな嘲笑を浮かべていたが、そんな中で那雪だけが胸を押さえて浅い呼吸を速く疾く何度も繰り返していた。息苦しさに肺は酸素を欲して心臓が刻むリズムは絶え間なく、そして意識は朧気で、一言で言えば苦しかった。
✡
やがて来たる休息の時、昼休み。那雪はこの時をこれほどかという程に待ちわびていた。あの苦しみは40分程で嘘のように消えてなくなり、今際の気分が今は元気へと変わっていた。那雪は財布をポケットに突っ込んで歩く。そして食堂に入るとうどんを頼み、隅の方の席を探した。あるテーブルに座っている洋子と刹菜を見つけて那雪はそのテーブルの席に座るのであった。
「おはよう昼休み、どうしてキミはすぐに立ち去って行くのか」
そう語るのはニヤケ顔を浮かべた刹菜。洋子は笑いながら答えた。
「昼休みが過ぎなきゃ一生このままだよ」
「それもそうか。はっ、もしかして早く過ぎ去るのは私たちを早く自由の身にする為か」
そんな会話の内容など無視して那雪は今日のことを話し始めた。
「それより刹菜さん、私力使えました。ただしばらく苦しかったですけど」
「うん、無理やり抵抗したね。それはもう非常事態の時しかやらないように。じゃなきゃ死んじゃう可能性だってありありさんなんだからさ。一真の……男のみっともない泣き顔なんか見たくもない」
3人はそれぞれに今日の昼ごはんを見せ合う。
「私はそこで頼んだうどんです」
刹菜は那雪の持っているうどんを眺めて言った。
「惜しい! ラーメンなら人骨スープとか言ってやったのに。私のはサンドイッチ。レタスとトマトを挟んでバジルソースをかけるのさ。キミらにはない圧倒的オシャレ感。これぞまさに先輩だな」
「私は菓子パン持って来たよ、チョコとカスタードクリームの」
なんとこの集団、刹菜のボケに対するツッコミ役が存在していないのであった。刹菜は頭を抱えながら悩み諦めそして黙々と食べ始めた。2人とも刹菜のこんなにも静かな姿を見たのは初めてだったのだという。
那雪はそんな授業が終わったその後も1人きり。友だちなどクラスの中に1人もいないのであった。
そんな面白みもない休憩時間が終わって始まる次の授業もまた、相変わらず退屈でしかなくて、那雪はそんな退屈さを紛らわすようにいつもの癖でついやってしまうのであった。小声で外の世界に気付かれないようにこっそりぽつりと。
【転けたらいいのに】
しかし、そんな言葉は届くこともない。いつもと違う那雪の状態、魔法封じが効いているのだから。那雪は退屈しのぎの一つも満足にこなすことも出来なくて、心は不満で、〈南の呪術師〉の呪いに対抗すべく先程よりも大きな力を込めて呪詛を送るのであった。
【教卓にぶつかれ】
特に反応もなく授業を続けていた教師はその文字を刻むべくチョークを動かしていたが、それが終わり説明しようと振り向いた。その瞬間、勢いが余ったのであろうか教師は滑り教卓に身体を思い切りぶつけていた。
その瞬間を見ていた生徒たちはみな嘲笑を浮かべていたが、そんな中で那雪だけが胸を押さえて浅い呼吸を速く疾く何度も繰り返していた。息苦しさに肺は酸素を欲して心臓が刻むリズムは絶え間なく、そして意識は朧気で、一言で言えば苦しかった。
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やがて来たる休息の時、昼休み。那雪はこの時をこれほどかという程に待ちわびていた。あの苦しみは40分程で嘘のように消えてなくなり、今際の気分が今は元気へと変わっていた。那雪は財布をポケットに突っ込んで歩く。そして食堂に入るとうどんを頼み、隅の方の席を探した。あるテーブルに座っている洋子と刹菜を見つけて那雪はそのテーブルの席に座るのであった。
「おはよう昼休み、どうしてキミはすぐに立ち去って行くのか」
そう語るのはニヤケ顔を浮かべた刹菜。洋子は笑いながら答えた。
「昼休みが過ぎなきゃ一生このままだよ」
「それもそうか。はっ、もしかして早く過ぎ去るのは私たちを早く自由の身にする為か」
そんな会話の内容など無視して那雪は今日のことを話し始めた。
「それより刹菜さん、私力使えました。ただしばらく苦しかったですけど」
「うん、無理やり抵抗したね。それはもう非常事態の時しかやらないように。じゃなきゃ死んじゃう可能性だってありありさんなんだからさ。一真の……男のみっともない泣き顔なんか見たくもない」
3人はそれぞれに今日の昼ごはんを見せ合う。
「私はそこで頼んだうどんです」
刹菜は那雪の持っているうどんを眺めて言った。
「惜しい! ラーメンなら人骨スープとか言ってやったのに。私のはサンドイッチ。レタスとトマトを挟んでバジルソースをかけるのさ。キミらにはない圧倒的オシャレ感。これぞまさに先輩だな」
「私は菓子パン持って来たよ、チョコとカスタードクリームの」
なんとこの集団、刹菜のボケに対するツッコミ役が存在していないのであった。刹菜は頭を抱えながら悩み諦めそして黙々と食べ始めた。2人とも刹菜のこんなにも静かな姿を見たのは初めてだったのだという。
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