呪う一族の娘は呪われ壊れた家の元住人と共に

焼魚圭

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〈お菓子の魔女〉と呪いの少女

刹菜と満明の、〈南の呪術師〉探し!

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 放課後、那雪と洋子は帰るよう促され、言われるがままに帰路をたどり行く。そうして遠ざかって行く2人は小さくなって行き、やがて見えなくなったことを確認して刹菜はその名を呼ぶ。
「満明、行くよ」
 現れた男、満明は刹菜と並んで歩き出す。
 刹菜は笑顔で満明の左腕に絡まるように両腕で包むように抱く。
「そこまでする必要あるか?」
 刹菜はニヤけて言ってのける。
「これで良いんだ、気配隠して奇を衒うよりも気を隠さずして奇を隠す。デートの方が自然だろう」
「年齢差考えろ。確かに俺も刹菜のことは好きだが」
 満明は単純な疑問を口にする。
「それはそうと刹菜、〈南の呪術師〉は本当に外にいると思うか」
 刹菜のニヤけ面はそのような疑問では崩れることもない。
「満明が今から探れば大丈夫。まさかあの中学生がサボるわけもないし」
 何故サボるわけもないと断定出来たのだろう。根拠の無いただの直感に気が付くはずもなく満明はただ言われた通りに気配を探る。
「なるほど、大きな力を隠し切れていないな」
「だろう? 中学生だと結界でも張らなきゃ魔力の気配もまだまだ隠せないのに歳不相応の力を持ってるから尚更酷い。天才故に天災が舞い込む出る杭は打たれる、私たちは杭を打つ金づちさ。もしかして金づちってことは私たち泳げない? 私は一応泳げる」
 そんな話をしながら〈南の呪術師〉キャサリン・サウスステラの気配の元へと近付いて行く2人。背の低いビル群の下でやがて見えてきたそれはセーラー服を着た褐色肌の小さな少女。
「見付けた。満明は幼女のストーキングしてて変態気分にならない? 私は今スゴく背徳的な気分さ」
「バカ言うな、これは俺たちなりの戦いだ」
 刹菜は頷く。
「まさに仰る通り」
 刹菜は標的に気付かれない声で訊ねる。
「しかし、この組み合わせで良かったのだろうか」
「ん? 何がだ」
 その言葉では刹菜が何を言っているのか当然誰も理解出来ないであろう。刹菜は続けた。
「満明は顔見られてるからアウト、真昼さんも奈々美もヴァレンシアも間違いなく知られてる。一真と一緒に行った方が良かったかも」
「言うな。それは俺が許さねえ」
「気配を具体的に知ってるのは満明だけ、私は多分ウワサのアホ女。男装すれば良かったかも」
 そんな提案に満明は肩を落とす。
「アホ女を実行しようとするな」
「私なら多分行けると思うんだ。身体細いしさ。『なあなあ満明、那雪ちゃんにかけられた術を解く為に術者の髪の毛収穫なんてやめてボクと一緒に遠くへ逃げないかい? いつでも準備は出来てるよ。あと必要なのはキミの肯定だけさ』なんてね」
「調子に乗ってる感じがうぜえ、てかその言葉どこから引き出して来た」
『良いんだよ、人1人見捨てて罪を背負う準備は出来てるんだ、ボクと共に永遠の愛を紡いで行こう』
「コイツ……もう手に負えないな」
「なあに、冗談だよ。私がそんな甘い誘い逃避行の誘惑なんてするわけないだろするわけ……」
「なんで止めた」
「ここからの作戦を作成した。小学生にも分かるやつ」
 なんと言うことだろう。ふざけてばかりいる刹菜が突如真面目な事を言い出したではないか。
「満明はハサミの準備をして。これから傷害罪に加担してもらうけど良い?」
「今更何言ってんだ、準備はもうとっくに出来てる」
 その言葉を聴いて刹菜は安心して駆け出した。その走り出した身体は、動かしている足はキャサリンを絡めて2人揃って地に倒れる。
「あっええと、ゴメンなさい。とても美人な外人さん」
 キャサリンが刹菜とのアクシデントに気を取られている内に満明はハサミを用いてキャサリンの綺麗な髪を切って奪い取る。
ーこの作戦に俺必要か?ー
「髪の毛何本盗んだ」
 疑問に思う満明だったがそんな言葉を聞いて恐怖に怯える。
ー嘘だろ気づくのかコイツー
「髪の毛盗む。何それ、もしかして不思議ちゃんか? 外人さん」
「何もない、大丈夫頭心配ないよ」
 そう答える中、満明を狙って地から上がる水の攻撃を撃つキャサリン。
 満明は情けない叫び声を上げながら逃げるのであった。
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