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〈お菓子の魔女〉と呪いの少女
今回の果てに
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朝日は那雪を優しく包み込む。一体あの疲れや熱っぽさはどこへ行ってしまったのだろう。知らない分からない。起き上がる那雪の目の前にいたのは愛しいあの人であった。
「よっ、なゆきち。薬は効きたみたいだな」
一真の話によると夜中、〈東の魔女〉奈々美が訪ねて来て薬を一真に渡して立ち去ったのだという。そしてそれを一真が飲ませたのだというが、何故かその説明、ただそう話すだけであるにも関わらず一真は頬を赤く染めて目を逸らしていた。那雪には何の事やら一切合切理解は出来ない。
那雪に対してそれだけ話すと一真は「今日はちゃんと休んで。ムリはしないようにな」と言って「俺は用事があるから」と付け足した上で立ち去る。
那雪はその部屋を出る。その先に待っていたのは初めての大切な友だち。小城 洋子であった。洋子は優しい笑顔で那雪を迎える。
「おはよう、那雪ちゃん」
「おはよう……洋子ちゃん」
那雪は洋子の眩しい笑顔を見てどこか照れ恥ずかしく思えていた。
洋子は那雪に何かを手渡す。それは固くて茶色のお菓子。
「実は私が1番好きな羊羹なの。外は固くて中はしっとりとした羊羹。お母さんも大好きで、そこから洋子って付けてくれたんだ」
とても可愛い少女の話を聞いて那雪はほのかな微笑みを浮かべる。
「そっか、とても美味しいね。普通の羊羹と比べてしっとりとして良い味。洋子ちゃんみたい」
ふたりはそんな会話を交わして優しい朝を過ごしていた。
✡
古びた家は朝日にも負けずにその雰囲気を出していた。
一真はそんな家に入り込み、ローブを着た美人に訊ねる。
「あの薬に魔力が足りないのわざとだろ」
奈々美は天井を仰いで美しい唇を動かす。
「どうかしら。別に私は薬を作れと言われただけだもの。魔力を加えて長時間経って効果が薄れるより、その服用方法で強く素早く効かせた方が当然良いでしょ?」
「うるせえ、おかげさまで俺がどんな事したと思ってる」
奈々美はただ淡々と語るのであった。
「粘膜から魔力を注いでそこから那雪ちゃんの口に注ぎ込んだのよね。それは当然その魔力を注いだ粘膜から那雪ちゃんの口に」
それはあまりにも柔らかくて熱い唇であった。そんな熱を持った唇に熱い想いを持って注ぎ込んだのだ。
そんな話を聞いて言葉をかける女が1人。
「つまり那雪ちゃんとキスをしたんだね、その程度でそんなに照れちゃって。キミは純粋なのか」
刹菜の言葉に言葉を返す。
「普通のキスならそんなに恥ずかしくないっつーの」
そして話をズラす。
「ところで刹菜、お前今回役に立つ事したのか?」
刹菜はしばらく考え込んだ後、いつもの得意技、ニヤけを浮かべて言うのであった。
「今回の私は真昼の空に灯る街灯だった」
「昼行灯の事かよ! つまり役立たずかこのバカ」
そんな辛辣な言葉を受けたにも関わらず刹菜はとても表情を輝かせていたのでという。
「よっ、なゆきち。薬は効きたみたいだな」
一真の話によると夜中、〈東の魔女〉奈々美が訪ねて来て薬を一真に渡して立ち去ったのだという。そしてそれを一真が飲ませたのだというが、何故かその説明、ただそう話すだけであるにも関わらず一真は頬を赤く染めて目を逸らしていた。那雪には何の事やら一切合切理解は出来ない。
那雪に対してそれだけ話すと一真は「今日はちゃんと休んで。ムリはしないようにな」と言って「俺は用事があるから」と付け足した上で立ち去る。
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「おはよう、那雪ちゃん」
「おはよう……洋子ちゃん」
那雪は洋子の眩しい笑顔を見てどこか照れ恥ずかしく思えていた。
洋子は那雪に何かを手渡す。それは固くて茶色のお菓子。
「実は私が1番好きな羊羹なの。外は固くて中はしっとりとした羊羹。お母さんも大好きで、そこから洋子って付けてくれたんだ」
とても可愛い少女の話を聞いて那雪はほのかな微笑みを浮かべる。
「そっか、とても美味しいね。普通の羊羹と比べてしっとりとして良い味。洋子ちゃんみたい」
ふたりはそんな会話を交わして優しい朝を過ごしていた。
✡
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一真はそんな家に入り込み、ローブを着た美人に訊ねる。
「あの薬に魔力が足りないのわざとだろ」
奈々美は天井を仰いで美しい唇を動かす。
「どうかしら。別に私は薬を作れと言われただけだもの。魔力を加えて長時間経って効果が薄れるより、その服用方法で強く素早く効かせた方が当然良いでしょ?」
「うるせえ、おかげさまで俺がどんな事したと思ってる」
奈々美はただ淡々と語るのであった。
「粘膜から魔力を注いでそこから那雪ちゃんの口に注ぎ込んだのよね。それは当然その魔力を注いだ粘膜から那雪ちゃんの口に」
それはあまりにも柔らかくて熱い唇であった。そんな熱を持った唇に熱い想いを持って注ぎ込んだのだ。
そんな話を聞いて言葉をかける女が1人。
「つまり那雪ちゃんとキスをしたんだね、その程度でそんなに照れちゃって。キミは純粋なのか」
刹菜の言葉に言葉を返す。
「普通のキスならそんなに恥ずかしくないっつーの」
そして話をズラす。
「ところで刹菜、お前今回役に立つ事したのか?」
刹菜はしばらく考え込んだ後、いつもの得意技、ニヤけを浮かべて言うのであった。
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そんな辛辣な言葉を受けたにも関わらず刹菜はとても表情を輝かせていたのでという。
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