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〈お菓子の魔女〉と呪いの少女
〈森の魔女〉を追って
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那雪たちが〈南の呪術師〉や〈お菓子の魔女〉、そして勇人との件に巻き込まれている時のこと。
40は過ぎているはずだがどうみても30手前にしか見えない大人の女性、鉄輪 真昼はタバコを右手にメタリックグリーンの車を走らせてある田舎へと向かっていた。そこはお椀を被せたような火山と大きな森が特徴的な田舎。隣りに乗っている少女は金髪と褐色肌が特徴的で恐らく本来は学校指定のものであろうカッターシャツのボタンは閉めておらず大きな胸元を開いて紺色のネクタイは緩く締める程度で存在する意味を成していない。座っているので今は見えないが、真昼は褐色肌の少女の事をいつも見ているために分かる。制服のボタンは2つしか閉められておらず、褐色の細い腹とへそが見えている事とスカートは短く、柔らかそうな太ももが真昼の視線も心も何もかもをいつでもどこでも奪うのだ。
「あなたは脚が長くて良いわね、私もそのくらい脚を伸ばしたいわ、ねぇ、ヴァレンシア」
言葉は容易く伝わったのだろう。褐色肌の少女、〈西の魔導士〉ヴァレンシア・ウェストは笑顔を作る。
「そういう真昼こそ綺麗で羨ましい。私はあんまり可愛くないから。現地では」
人種の違いのせいであろうか、真昼にはヴァレンシアの顔がとても美しいものにしか見えないのであった。
✡
車を停めて真昼は助手席に座るヴァレンシアを抱きしめる。
「はあ疲れた。ちょっとヴァレンシアの温もりが欲しいわ」
真昼の手によってしっかりと抱き締められたヴァレンシアは空色の瞳で真昼の瞳を覗き込む。これが本当に40歳を過ぎた顔なのだろうか。30歳にすらたどり着いていないような若々しさだった。ヴァレンシアは甘えてくる真昼を抱き留めて背中を優しく撫でる。
「ちょっ、は、私そこ弱いから」
「真昼の弱点。もう覚えたから。もう忘れない」
しばらくそうしていたがやがて真昼は動き出す。
「ヴァレンシアも知ってると思うけどこれから〈森の魔女〉を倒しに向かうのよ」
「分かってる。悪い魔女は懲らしめなきゃ。私の〈西の魔導士〉、〈空の魔女〉の力で」
ヴァレンシア・ウェスト、その人自身は〈西の魔導士〉と呼ばれているがその力は〈空の魔女〉。かつては天使の翼を広げていたがそれらを光の剣に変える事で2振りの剣を持って戦う魔女となりし存在。
そんなヴァレンシアと真昼が今日倒そうとしている〈森の魔女〉は天使から変わり果てたヴァレンシアにしか斬れない程の強さであろう。
そうしてふたりはある民家を訪ねたのであった。
40は過ぎているはずだがどうみても30手前にしか見えない大人の女性、鉄輪 真昼はタバコを右手にメタリックグリーンの車を走らせてある田舎へと向かっていた。そこはお椀を被せたような火山と大きな森が特徴的な田舎。隣りに乗っている少女は金髪と褐色肌が特徴的で恐らく本来は学校指定のものであろうカッターシャツのボタンは閉めておらず大きな胸元を開いて紺色のネクタイは緩く締める程度で存在する意味を成していない。座っているので今は見えないが、真昼は褐色肌の少女の事をいつも見ているために分かる。制服のボタンは2つしか閉められておらず、褐色の細い腹とへそが見えている事とスカートは短く、柔らかそうな太ももが真昼の視線も心も何もかもをいつでもどこでも奪うのだ。
「あなたは脚が長くて良いわね、私もそのくらい脚を伸ばしたいわ、ねぇ、ヴァレンシア」
言葉は容易く伝わったのだろう。褐色肌の少女、〈西の魔導士〉ヴァレンシア・ウェストは笑顔を作る。
「そういう真昼こそ綺麗で羨ましい。私はあんまり可愛くないから。現地では」
人種の違いのせいであろうか、真昼にはヴァレンシアの顔がとても美しいものにしか見えないのであった。
✡
車を停めて真昼は助手席に座るヴァレンシアを抱きしめる。
「はあ疲れた。ちょっとヴァレンシアの温もりが欲しいわ」
真昼の手によってしっかりと抱き締められたヴァレンシアは空色の瞳で真昼の瞳を覗き込む。これが本当に40歳を過ぎた顔なのだろうか。30歳にすらたどり着いていないような若々しさだった。ヴァレンシアは甘えてくる真昼を抱き留めて背中を優しく撫でる。
「ちょっ、は、私そこ弱いから」
「真昼の弱点。もう覚えたから。もう忘れない」
しばらくそうしていたがやがて真昼は動き出す。
「ヴァレンシアも知ってると思うけどこれから〈森の魔女〉を倒しに向かうのよ」
「分かってる。悪い魔女は懲らしめなきゃ。私の〈西の魔導士〉、〈空の魔女〉の力で」
ヴァレンシア・ウェスト、その人自身は〈西の魔導士〉と呼ばれているがその力は〈空の魔女〉。かつては天使の翼を広げていたがそれらを光の剣に変える事で2振りの剣を持って戦う魔女となりし存在。
そんなヴァレンシアと真昼が今日倒そうとしている〈森の魔女〉は天使から変わり果てたヴァレンシアにしか斬れない程の強さであろう。
そうしてふたりはある民家を訪ねたのであった。
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