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〈お菓子の魔女〉と呪いの少女
決戦!
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ヴァレンシアは地へと着地する。
集落だったそこは姿を変えていた。
突然さびれて今にも朽ちてしまいそうな家、野菜のなるはずだった腐り果てた茎、晴れない霧、そこに佇む少女は何者であろうか、聖女さま、否、そんな甘い存在などいやしない。それはまさに〈森の魔女〉であった。
〈森の魔女〉はその手に持っているりんごを齧り、そしてヴァレンシアの方へと放り投げる。するとりんごは口を開けて奇妙な叫び声を上げながらヴァレンシアの方へと襲いかかる。それを光の剣で斬ってヴァレンシアは空色の瞳で〈森の魔女〉を睨むのであった。
✡
老人と話を続けていた真昼。しかし、その老人は突然苦しそうなうめき声を上げ始めた。
「大丈夫ですか」
しかし、それには答えずに老人の身体は膨れ上がって行く。やがて色までもが緑色に変貌し、蔓が絡み合う植物の塊となった。植物は真昼の方へと襲いかかる。
「やれやれ、私に本気を出させたら後悔するって事、教えてあげなければね」
真昼は手帳を取り出して開き、開かれたページに魔力を注ぎ込む。手帳は薄い青の光を放ち、そして空より降り注ぐ氷柱たちは植物を貫きその存在を殺したのであった。
「万年筆を使って戦う刹菜と手帳を魔導書にした私、結構似ていると思うけれど」
その言葉に答える存在はこの部屋にはいなかった。
✡
〈森の魔女〉が振り上げた腕、それを合図に腐った植物たちが意識を持って動き始める。その狙いは全員ヴァレンシアであった。
ヴァレンシアは2振りの光の剣を振り、植物たちを次から次へと切り裂いていく。裂けて行く植物たちは意思を失って断面を見せながら落ちて行くのであった。
そうして次から次へと襲いそして果てて行く植物たち。ヴァレンシアの踏む華麗なステップと光の剣による輝く軌跡は美しき踊り。
ヴァレンシアはそんなステップで〈森の魔女〉の元へと肉薄していく。
それを眺めて〈森の魔女〉は鋭い笑みを浮かべた。
途端、ヴァレンシアの動きは止まった。止められた。ヴァレンシアの身体に絡みついて動きを止めて縛るそれは禍々しい蔦、死へと導くべく放たれた魔女の刺客。
ヴァレンシアは目の前の魔女を鬼のような形相で睨みつけていた。
これでおしまい、そう思ったその時だ。
ヴァレンシアを縛る蔦は突如冷たい刃によって引き裂かれた。
手帳を咥えて澄んだ氷の剣を両手に持った美人の姿が飛び込んできた。
「真昼」
かつてヴァレンシアの二刀流に憧れて真似を始めた真昼の姿は最早ヴァレンシア以上に様になっていた。
行け、やれ。
そんな合図を受けたように思えたヴァレンシアは目の前の〈森の魔女〉をその天使の翼から変わり果ててしまった2振りの剣で斬りつけて裁きを与えたのであった。
集落だったそこは姿を変えていた。
突然さびれて今にも朽ちてしまいそうな家、野菜のなるはずだった腐り果てた茎、晴れない霧、そこに佇む少女は何者であろうか、聖女さま、否、そんな甘い存在などいやしない。それはまさに〈森の魔女〉であった。
〈森の魔女〉はその手に持っているりんごを齧り、そしてヴァレンシアの方へと放り投げる。するとりんごは口を開けて奇妙な叫び声を上げながらヴァレンシアの方へと襲いかかる。それを光の剣で斬ってヴァレンシアは空色の瞳で〈森の魔女〉を睨むのであった。
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老人と話を続けていた真昼。しかし、その老人は突然苦しそうなうめき声を上げ始めた。
「大丈夫ですか」
しかし、それには答えずに老人の身体は膨れ上がって行く。やがて色までもが緑色に変貌し、蔓が絡み合う植物の塊となった。植物は真昼の方へと襲いかかる。
「やれやれ、私に本気を出させたら後悔するって事、教えてあげなければね」
真昼は手帳を取り出して開き、開かれたページに魔力を注ぎ込む。手帳は薄い青の光を放ち、そして空より降り注ぐ氷柱たちは植物を貫きその存在を殺したのであった。
「万年筆を使って戦う刹菜と手帳を魔導書にした私、結構似ていると思うけれど」
その言葉に答える存在はこの部屋にはいなかった。
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〈森の魔女〉が振り上げた腕、それを合図に腐った植物たちが意識を持って動き始める。その狙いは全員ヴァレンシアであった。
ヴァレンシアは2振りの光の剣を振り、植物たちを次から次へと切り裂いていく。裂けて行く植物たちは意思を失って断面を見せながら落ちて行くのであった。
そうして次から次へと襲いそして果てて行く植物たち。ヴァレンシアの踏む華麗なステップと光の剣による輝く軌跡は美しき踊り。
ヴァレンシアはそんなステップで〈森の魔女〉の元へと肉薄していく。
それを眺めて〈森の魔女〉は鋭い笑みを浮かべた。
途端、ヴァレンシアの動きは止まった。止められた。ヴァレンシアの身体に絡みついて動きを止めて縛るそれは禍々しい蔦、死へと導くべく放たれた魔女の刺客。
ヴァレンシアは目の前の魔女を鬼のような形相で睨みつけていた。
これでおしまい、そう思ったその時だ。
ヴァレンシアを縛る蔦は突如冷たい刃によって引き裂かれた。
手帳を咥えて澄んだ氷の剣を両手に持った美人の姿が飛び込んできた。
「真昼」
かつてヴァレンシアの二刀流に憧れて真似を始めた真昼の姿は最早ヴァレンシア以上に様になっていた。
行け、やれ。
そんな合図を受けたように思えたヴァレンシアは目の前の〈森の魔女〉をその天使の翼から変わり果ててしまった2振りの剣で斬りつけて裁きを与えたのであった。
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