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風使いと〈斬撃の巫女〉
図書館少女
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本が収められた棚は数多く、その並びはあまりにも壮大。棚に積もった埃がより一層歴史を感じさせて誇らしい仕上がりであった。
そんな中、刹菜は本を取り出しては棚に仕舞うという作業を繰り返して埃を舞わせていた。
「何やってんだ刹菜」
ビニール傘の持ち主の質問に対してより強くニヤついて答えるのであった。
「こういうのって隠しスイッチとかあるだろ」
「マンガだかゲームだかの知識持ち込むな……と言いたいとこだがお前はふざけてやってるだけだな」
「よくお気付きで」
一真は睨み付け、那雪は手で口を押さえて静かに笑っていた。そんな那雪の様子を見て一真は優しく微笑む。
「そういうとこ可愛いな」
「ふふふ……私刹菜さん好き。あと一真さ、あなたあんまりモテなかったでしょ、私なんかに惚れるところとか」
言葉を紡ぐ那雪と口を噤む一真。つまり図星であった。
「そんな一真のこと、大好き」
一真は顔を赤くしていた。その熱は心を揺さぶり浮き立つような感覚を与え、足取りすら揺らいでいく。
「那雪ちゃん、ここは何処か分かる? 戦場さ。あんまり一真をイジって戦力外にしないようにな。そんな新感覚な仲間割れ、私好みでしかないから」
ニヤつきながらそう語る刹菜は何やら本を何冊か取り出して机の下の床に置いて、分厚い本の内の一冊だけをその薄っぺらな頭と身体で抱き締める。
「どう? 私、かわいい?」
ニヤけ面を眺めながら一真はいつも以上に呆れを込めた大きな溜め息をつく。
「お前な、どこかの都市伝説みたいな質問するなよ、しかも可愛くないし」
「刹菜さん可愛い」
「那雪ちゃんには次の世代の『可愛い』が分かるみたいだね、そう。次は見た目じゃないんだ動きとか振る舞いなんだ」
モテない女が垂れ流す妄想、それに対する返答がひとつ。
「愉快なブスたちね、私のセカイの邪魔をするなんて」
そこにいるのは本を抱いて現れた図書館に住まいし者、レンガ造りの建物に引きこもりし人物、『レンガ造り』の住人。
そんな少女は抱いていた本を机に置いて
「そう、あなたは置かないのね、ニヤけた人」
「まあね」
「褒めてない」
「何? 大切な物を手放さない執念を褒められてるのかと思った」
「ふざけないで」
「いやだ、ふざける」
その言葉のやり取りを皮切りに少女の右手は輝き出した。
そんな中、刹菜は本を取り出しては棚に仕舞うという作業を繰り返して埃を舞わせていた。
「何やってんだ刹菜」
ビニール傘の持ち主の質問に対してより強くニヤついて答えるのであった。
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「マンガだかゲームだかの知識持ち込むな……と言いたいとこだがお前はふざけてやってるだけだな」
「よくお気付きで」
一真は睨み付け、那雪は手で口を押さえて静かに笑っていた。そんな那雪の様子を見て一真は優しく微笑む。
「そういうとこ可愛いな」
「ふふふ……私刹菜さん好き。あと一真さ、あなたあんまりモテなかったでしょ、私なんかに惚れるところとか」
言葉を紡ぐ那雪と口を噤む一真。つまり図星であった。
「そんな一真のこと、大好き」
一真は顔を赤くしていた。その熱は心を揺さぶり浮き立つような感覚を与え、足取りすら揺らいでいく。
「那雪ちゃん、ここは何処か分かる? 戦場さ。あんまり一真をイジって戦力外にしないようにな。そんな新感覚な仲間割れ、私好みでしかないから」
ニヤつきながらそう語る刹菜は何やら本を何冊か取り出して机の下の床に置いて、分厚い本の内の一冊だけをその薄っぺらな頭と身体で抱き締める。
「どう? 私、かわいい?」
ニヤけ面を眺めながら一真はいつも以上に呆れを込めた大きな溜め息をつく。
「お前な、どこかの都市伝説みたいな質問するなよ、しかも可愛くないし」
「刹菜さん可愛い」
「那雪ちゃんには次の世代の『可愛い』が分かるみたいだね、そう。次は見た目じゃないんだ動きとか振る舞いなんだ」
モテない女が垂れ流す妄想、それに対する返答がひとつ。
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「まあね」
「褒めてない」
「何? 大切な物を手放さない執念を褒められてるのかと思った」
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「いやだ、ふざける」
その言葉のやり取りを皮切りに少女の右手は輝き出した。
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