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風使いと〈斬撃の巫女〉
その女は模倣者
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少女の放つ輝き、それは舞っていた埃を更に輝かせる。散りゆくダイヤモンドを彷彿とさせる輝き、その正体はダスト。
「汚い綺麗さだ」
刹菜はそう呟きながら少女の輝きから目を離さなずに捉え続ける。
輝きの中、少女の左肩から輝き透き通る翼が無から広がり出す。
「ああ、片翼の天使……これはマズい」
右手には輝く杖を握っていた。
一真は刹菜に訊ねる。
「片翼ってそんなに危ないのか」
刹菜はこの世の何よりも綺麗な輝きに見蕩れる那雪を見つめながら語った。
「本来の天使は私たちの事なんか知らない分からない解らない判らない。個体を認識することすら出来ないのさ。まさに私たちには見えない弱々しい幽霊のように」
一真は呆気に取られていた。理解の範疇を超えている。コチラがアチラの理屈や思想が分からないように、アチラもコチラの感情や情緒を見通せない、決して繋がることすらない存在。
刹菜は続けた。
「そんな天使が片方の翼を武器に変えて、片方の翼を失い地に立つことで私たちにようやく理解を示している」
どう言ったことなのか、何一つ分からない。一真には理解しようとすることすら出来なかった。
「アイツら人間とは異なる考えだなんて言っても結局はただのイジワルなんだ。『片方の翼をへし折ってお前らに合わせてやったんだ』みたいにね、やるならヴァレちゃんみたいに両翼やれよ」
那雪は刹菜に耳打ちした。人にも天使にも誰にも悟らせないように。
「ヴァレンシアさんって天使だったんですか」
刹菜はニヤついた。
「そうだよ、この世からはみ出した力を制圧する執行者、今では〈西の魔導士〉〈空の魔女〉ヴァレンシア・ウェスト、完全に翼を喪ってもなお、いや、喪ったからこそ自由にこのセカイで羽ばたくことの出来る存在」
目の前の少女、ガヴリエルのレプリカント、模倣者。天使にして罪という存在に指定されし者は杖を振るう。
それと共に薄暗い図書館は輝きに包まれた。
そんな中、刹菜は魔導書を広げてあるページに手を付けて何かを呟いていた。
「汚い綺麗さだ」
刹菜はそう呟きながら少女の輝きから目を離さなずに捉え続ける。
輝きの中、少女の左肩から輝き透き通る翼が無から広がり出す。
「ああ、片翼の天使……これはマズい」
右手には輝く杖を握っていた。
一真は刹菜に訊ねる。
「片翼ってそんなに危ないのか」
刹菜はこの世の何よりも綺麗な輝きに見蕩れる那雪を見つめながら語った。
「本来の天使は私たちの事なんか知らない分からない解らない判らない。個体を認識することすら出来ないのさ。まさに私たちには見えない弱々しい幽霊のように」
一真は呆気に取られていた。理解の範疇を超えている。コチラがアチラの理屈や思想が分からないように、アチラもコチラの感情や情緒を見通せない、決して繋がることすらない存在。
刹菜は続けた。
「そんな天使が片方の翼を武器に変えて、片方の翼を失い地に立つことで私たちにようやく理解を示している」
どう言ったことなのか、何一つ分からない。一真には理解しようとすることすら出来なかった。
「アイツら人間とは異なる考えだなんて言っても結局はただのイジワルなんだ。『片方の翼をへし折ってお前らに合わせてやったんだ』みたいにね、やるならヴァレちゃんみたいに両翼やれよ」
那雪は刹菜に耳打ちした。人にも天使にも誰にも悟らせないように。
「ヴァレンシアさんって天使だったんですか」
刹菜はニヤついた。
「そうだよ、この世からはみ出した力を制圧する執行者、今では〈西の魔導士〉〈空の魔女〉ヴァレンシア・ウェスト、完全に翼を喪ってもなお、いや、喪ったからこそ自由にこのセカイで羽ばたくことの出来る存在」
目の前の少女、ガヴリエルのレプリカント、模倣者。天使にして罪という存在に指定されし者は杖を振るう。
それと共に薄暗い図書館は輝きに包まれた。
そんな中、刹菜は魔導書を広げてあるページに手を付けて何かを呟いていた。
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