俺の最愛の天使が処女じゃないはずないだろう!?

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「……っふ、あんっ、ん……あっ」
「っはぁー、んっ、んっ……」

 (あ~やっべ……キス、きもち……。リリアナの蕩けた顔、かわい~。声、エロ……めちゃくちゃ腰にくる……)


 侯爵邸の奥まった場所にあるテラス。ホールからここまで来るゲストはいない。
 挨拶廻りで疲れたであろうリリアナを、純粋に休ませようとここまで連れてきたアレンだったが、何故か濃厚な口付けに夢中になっている。

 (何でこうなったんだっけ……あぁそうだ、男の声……)



「母上が暴走してすまなかったね。ウチは男ばかりだから、娘の世話をするのが実は夢だったらしくて」
 リリアナの母親は病気で6年前に他界していて、親しい友人でもあった母上は「私が代わりにリリアナの結婚式と社交界デビューの準備をするわ!」と大張り切りだったのだ。

「いえっ、世間知らずの私に色々指南していただいて、王妃様には本当に感謝しております」
「そう?でも疲れただろう。ここで少し休憩しよう、おいで?」
「~っは、はい……」

 この2ヶ月、忙しい中少しでも時間があればリリアナに会いに行った。その甲斐あって彼女も俺に慣れてくれ、大分会話も弾むようになったのだ。
 だが、スキンシップはまだ慣れないようで、式での誓いのキスも、今の様に背中を支えてエスコートするのでさえガッチガチに固まってしまうのだ。
「ふっ可愛い」
 耳まで真っ赤になって俯く愛しい妻の顔を覗き込む。
「でっ殿下……からかわないでくださいましっ」
「おや、今日から君の夫なのだから殿下と呼ばない約束だったよね?」
「あっ、えと……」
「約束破った悪い妻には、お仕置きが必要かな?」
 ニヤリと笑ってリリアナの顎をクイッ持ち上げる。
「えっ」
 あー驚いた顔も可愛い。俺はそのまま顔を近づけて━━━


「リンリン」
 ビクッ


 男の声だ。低いが良く通る。腹に響く。愛しい者を呼ぶ音色。


「リンリン」
 ビクッ
 また腕の中のリリアナが反応する。間違いなくリリアナの事のようだ。

「だれだ?俺の妻をリンリンなんて呼ぶやつは」
 (俺だって愛称で呼んだ事ないのに!リンリンなんて唯一無二の呼び方じゃないか!)
 俺は声の主を探す為リリアナから離れる。と、
 グイッ!!
「?!」

 なんとリリアナが俺の首に両手を回し、チュッっとキスしてきたではないか。
 あまりの衝撃に呆けてしまっていると、更にチュッ、チュッと口付けられ、隙間からリリアナの小さな舌が咥内に差し込まれた。
 ビクッ!!
「なっ!?むぅ、んっ、りりあっ、んっ!」
 上顎をなぞられ、俺の舌に絡みついてくるリリアナのそれに翻弄され、いつしか俺も無我夢中でしゃぶりついていた。



 舌を絡めながらリリアナの背中、腰、臀部をまさぐる。俺の首にずっとしがみついているから、小柄な割に豊かな胸が押し付けられ当然ながら俺のモノも完タチしている。
 (っはぁ、生で触りてぇ……突っ込みてぇ……!)
 だが、まだだめだ。今日は自分達の結婚式で、リリアナの大事な御披露目の日だ。
 パーティーが終われば、初夜で思う存分妻を抱けるのだから!

 アレンはなけなしの理性を総動員して、リリアナを引き剥がした。
「っリリアナ!!」
「?!?!……!あ……や、ごっ」
「リリアナ?」
「ごめんなさい~!!」
 リリアナの惚けていた顔が真っ青になったと思ったら、脱兎のごとくテラスを出て行ってしまった。
「……え?」

 色々衝撃を受けた上、自身の高ぶりも治まらず、妻にも逃げられた俺は、ワーグナーが探しに来るまでその場を動けなかった。
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