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プロローグ
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「女々しい奴。」
そう目の前にいた男の子に言われてグズグズと泣き出す僕は何も言えなくなってしまって、いつの間にか独りぼっちになってしまっていた。
一緒に暮らす家族や周りにいた友達も僕から距離を取って話しかけてこなくなった。なんで?僕、悪いことしちゃったの?理由が分からなくて、どうしたらいいのかも分からなくて泣くしか出来なくて。
起き上がる気力がわかないまま、自室に篭もって1週間。朦朧としながら夢を見た。
見たことのない夢の世界が、僕の前世の記憶だと何故かすんなりと理解でした。そして、この僕が暮らす世界に転生したのは神の意志もあるということを思い出した。
よくある転生ものの漫画のように、僕もこの世界へ導かれて転生した。そして、この世界に僕の魂が移ったことにより神の目的が達成され今に至る。
それなりのギフトを貰って転生し、このタイミングで記憶が戻ったことで僕はスンッとなってしまった。涙が引っ込んでしまったのである。
「俺……なにしてんだ。」
ガラガラに枯れた声が喉から漏れて、乾いた涙を力任せに拭うとベッドから起きる。小さな体は力は入らないが、起き上がれないほど体力が減っているわけではないようだ。
部屋に篭っている間にお風呂にも入っていなかったから体がベトベトしていて気持ち悪い。元々は綺麗好きである俺には耐え難い苦行をしていた事に気づいてしまい、急いで部屋に備え付けられていた浴室に飛び込んだ。
風呂に入りながら記憶を整理していく。今の俺は8歳の子供…貴族の子。魔法が存在する世界にて特質して才能があるわけでもないただの子供が俺である。なんなら上に兄が2人もいるので跡継ぎとか問題ない。
そう考えていてふと思い出したのは幼馴染の存在…国の王子様である。俺がメソメソ泣く原因になった2つ上の男だ。記憶が戻る前までは虐めてくる男に逆らえずに泣いていたが、今は違う。
なんなら肉親である家族ともあまり仲良くなかったなぁ、と俺は顔を顰めてしまった。思い出したくもない…爪弾きにされた生活はとても寂しいと思っていた。弱々しい末っ子に興味などないんだろう。
徐々に思い出してくると、イライラしてきた。シャワーを浴びながら舌打ちをすると、俺は閃いてしまったのである。
「そうだ、この家出よう。」
キュッとシャワーを止めて少し考えて、うんうんと頷く。全裸で言う事ではないだろうが、これは俺の中では決定事項だ。独り立ちをするにあたって準備をしなきゃならないな。少しワクワクしながら浴室を出た。
必要とされないならば、俺も必要としなきゃいいじゃない!と、いう自己中心的な発想に俺はときめいてしまったのである。
俺の名前はアルディウス。とある国の貴族の末っ子。突然前世の記憶が戻った普通の子供です。どうぞよろしく。
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