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俺は冒険者として生きている
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しおりを挟む青い空!白い雲!小鳥の囀りが耳をくすぐる大自然!そして……
「ブラックサーペントーォォォ!」
ギルドマスターに頼まれた討伐任務である。街とは離れた場所とはいえ上級魔獣の目撃情報が出て危険と判断されたらすぐに討伐隊が組まれる。
しかし、なんで俺が単独で熟さなきゃいけないのか……理由は簡単、ギルドに下級冒険者しかいなかったからだ。タサファンは別の任務があり、他のパーティもヨルダンに向けて出発している。
転移魔法を使える俺に任務の矛先が向いたのは自然なことだと思う。本来ならばC級冒険者止まりで不満は無かったが、目ざといギルドマスターに見つかりマルさんを通して今に至る。
でも、このブラックサーペント…特殊個体じゃないか!通常のブラックサーペントよりも倍近い大きさ…10m超えである。
「詐欺にあった気分だ。これはもうギルドマスターに文句言わねば…。」
ムチのように振り下ろされるブラックサーペントの尾を避け、距離を取り様子を伺う。ブラックサーペントは状態異常系の攻撃魔法を得意とする魔獣だ。力任せに挑んで勝てる相手ではないのに、特殊個体となるとイレギュラーが無いとは限らない。
俺の直感が言っている…近寄ってはいけないと。しかしながらブラックサーペントは魔法耐性があるので、戦うには物理が有効である。
さてどうしたものかなぁ…長びきそうな戦いにうんざりする。俺このあと直行でヨルダン行かなきゃいけないのに…。
ブラックサーペントもこちらの様子を伺っているのか過剰な攻撃はしてこない。…こいつ、知性でもあるのか?
「………おい。まさかとは思うが俺の言葉わかったりしないか?」
『ジュルル…。』
「理解出来てるなら頼み聞いて。俺、頑張りたくないから森の奥に帰ってくれない?」
『…………シュー。』
「……なに?なんか気になることでもあんの?解決したら森に帰ってくれる?」
何やら言いたそうにしてたから聞いてみた。すると意外と言葉に反応した。おや、本当に言葉を理解している気がする。
牙を剥き出して威嚇はしてくるものの、バシバシと尾を地面に叩きつけながら俺を何処かに案内するように目を向けてくる。…倒すよりは簡単であればいいが…。
徐々に移動を開始するブラックサーペントについていく。攻撃されないと言うことは、どうやら俺の考えは間違いではなさそうだ。時折こちらを伺うように俺を見てくるのが怖い。
敵意は薄れているようだが警戒はされている。果たしてこのブラックサーペントは俺を何処に連れて行くつもりなのか…。
「この先はたしか泉があるはず…そこになんかあるのか?」
『ジュルル…。シュルシュル。』
「行ってみないとわからないかなぁ。死なないよう気をつけよ。」
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