実はαだった俺、逃げることにした。

るるらら

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俺は冒険者として生きている

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 「眠い…ダルい…。」



 指しゃぶりを舐めていた。まる一日ずっと指を離す様子なく、口から指を抜こうものなら泣くので仕方なく片手でご飯を食べた。子犬の為に作ったやわやわの干し肉の粥を食べて、暗くなって眠くなったら子犬を抱えて白馬とブラックサーペントに見られながら寝付いた。

 白馬が背を支えてくれたおかげで体が痛くなることはなかったのが救いである。

 そうして朝になり、まだ指しゃぶり中の子犬の様子を見れば大分調子が良さそうだ。代わりに俺がカラカラになりそうだけど。

 朝日が登りきったら落ち着いたようでようやく指から離れる。ふやふやになった左手が可哀想なことになってるよ。



 「満足した?」
 『大変満足である。』
 「きょほっ……!言葉が分かる!」
 『我はこれでも長く生きておる。人の言葉もわかる。しかし其方の魔力は甘いな。』
 「魔力の味なんてわからないけど、満足して頂けたならよかった。もう大丈夫か?」
 『うむ、其方なかなか特異質な存在と見える。盛大に礼をせねばな。』
 「いや礼はいいからそのブラックサーペントと白馬連れて森に帰ってよ。」



 俺は喋る子犬に理由を話して討伐対象にならぬように帰ってほしいと伝えると、子犬は理解して承諾してくれた。戦わずに済んてよかったと俺は心底ホッとしたのだった。

 しっかし、なんでそんな弱っていたのか理由を聞いてもいいのかな。子犬はお行儀良くお座りしている。控えるようにブラックサーペントと白馬は大人しくこちらを様子を伺っているようだ。



 「君はなんでそんな弱ってたの?」
 『なに、少し無理が祟ってな。人里近いところで倒れるつもりはなかったのだが…。』
 「まぁ無理しちゃ駄目ってことだな。もう少しゆっくりしてればいいさ。俺がここにいれば他の冒険者はこないから。」
 『かたじけない…。』
 「夕方には別の仕事があるからそれまでな。そういや名前はあるの?」
 『我に名はない。好きに呼べばよい。』



 子犬がそう言うと、不意に脳みそに直接神様が笑いかけてきた。神様の眷属らしいので仲良くしてくださいとのことだ。へー。

 俺は眷属じゃないけど神様とは割と仲良しだからこの子犬とも仲良くできるかな。可愛いから撫でてもいいかな。



 「じゃあハクアって呼んでもいい?」
 『良いとも。』
 「ハクアは神様の眷属だからそんな綺麗なんだな。背中触ってもいい?」
 『良い、好きなだけ触ると良い。………ん?何故それを知っておるのだ?』
 「神様が教えてくれたから。そこの2頭も眷属とか凄いなー!だからそんな強そうなのか。どうりで勝てなさそうだと思った!」
 『其方…マーニアム様と繋がりがあるのか?だから其方の魔力が我に馴染みやすかったのか…。』
 「あ~、神マーニアム様ね。俺をここに連れてきた張本人だしな。たまに仲良く喋るけど。」
 『な、なんとまぁ…。』



 
 

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