実はαだった俺、逃げることにした。

るるらら

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俺は冒険者として生きている

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 「見たことのない…なんだこの黒い液体は…。」
 「これ醤油、遠くの島国で作られてる調味料。これが味噌、生姜は見たことある?これライス。」
 「ふむふむ。」



 ハクアに食材の説明をしながら手際よく料理を作っていく。醤油と味噌の材料が一緒のものだと教えると驚いていた。遠くの島国…日本食に必要な食材が集まる東のヤマト諸島には冒険者は殆ど立ち寄らない。

 周りが海で囲まれ、上位の海獣が蔓延る場所なので昔から独自で発展し自衛が出来る諸島なのだ。海獣が大人しくなる時期に少しだけ人の出入りがあるくらいで、海から向かうものは少ない。

 俺みたいに転移魔法が使えたり、長時間の飛行ができる種族なんかはたまにいるので、頻繁に出入りするのは馴染みの人間だけになる。俺もたまたま商人から話を聞いて向かって以来、馴染みの店が出来てこうやって商品を買っている。

 ヤマト諸島の人々は外からやってくる人達に対してとってもウェルカムだ。観光客なんて殆ど来ないので、国の外の話を聞きたがる。好奇心が旺盛なのだ。

 ただし悪人や詐欺師なんかには容赦がないので要注意。海獣から自国を守れる武力があるということは、国内も独自で防衛出来る力があると言うこと。

 馬鹿や阿呆で無ければ喧嘩なんて売れない…そういう国なのだ。



 「味噌はすり潰して細かく…鍋に水と砂糖と一緒に弱火でゆっくり伸ばす。うん、イイ感じ~!」
 「アルディウス、ライスが出来上がったぞ。」
 「じゃあ甘味噌と醤油の焼きおにぎり作ろうか。炊きたての米は激熱だから気をつけてな。」
 「我には問題ない。」



 熱々の米と戦っているハクアにおにぎりの作り方を教えて、俺は一口大のカツを油で揚げていく。その後に漬け込んでいた唐揚げ、油が汚れるから唐揚げは一番最後に揚げるんだ!これは俺のこだわりである。

 鍛冶屋で特注して作ってもらった四角い小さなフライパンで玉子焼きを作っていくと、関心したようにハクアが見ていた。




 「手際が良いな。」
 「何年ひとり暮らししてると思ってるんだ?料理するのは好きだし、この馴染みの味は俺しか作れないからな。」
 「嬉しそうで何よりだ。……そろそろギルドからコクヨウとコハクが帰ってくる時間だ。外で待ち合わせて湖に行くとするか。」
 「じゃあさっさと弁当箱に詰めよう。いや、これはお重箱か…。」




 大きな箱が4つもあると、前世の花見や運動会を思い出す。目一杯作った焼きおにぎりとおかずをハクアと一緒につめて弁当箱を重ねる。保温が効くように魔法で一定の温かさを保つようにしてから最後に蓋をした。



 「ハクア、少しつまみ食いする?小さめの唐揚げは入れなかったから食べてもいいよ?揚げたてだから火傷しないようにな。」
 「むぅ……流石に舌が焼けるのは嫌だ。」
 「フーフーしなよ。」



 少し冷ましてからハクアは恐る恐る唐揚げを食べてた。猫舌だからな…。はふはふしながら大男が唐揚げ食べるの必死なの面白い光景だな。

 俺も食べちゃえ、小さめの唐揚げを口に放り込むと、いつもの香ばしい醤油の香りと生姜の風味が鼻を抜けていく。ああっ!これよ、これ!片栗粉で表面を覆ってから揚げたからじゅわりと肉汁もしっかり詰まってる。




 「うまいな。これが、あの淡白な鶏肉とは思えん!」
 「ねー?美味しいだろ?やっぱ唐揚げはみんなから愛されるべき食べ物だよねー!」
 「これは弁当への期待が高まるな。」
 「期待してくれ!故郷の飯は旨いんだ!」



 

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