実はαだった俺、逃げることにした。

るるらら

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俺は冒険者として生きている

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 保護者達がギルドに出入りしていた理由がよく分かった。まさか俺の代わりに任務を受けていたなんて全然知らなかったよ…。それ許されるの?と、思ったがギルドマスター脅したのかなぁ…。

 コクヨウがずっとシュンとしているのを、さて如何したものかと考える。こいつらからすると、確かに俺は弱いからなぁ、なんて思う。肉体も魔法も、それこそ知能だって断然上だろう。

 俺からしたら、あれは事故だ。悪い状況が重なっただけだと思っているし、コクヨウじゃなくてもあの様子じゃハクアやコハクでもおかしくなかった。それだけ気が立っていたのを俺は知っている。




 「じゃあ、コクヨウが俺を鍛えればいいじゃないか。」
 「……なに?」
 「確かに俺は打たれ弱かったかもなぁ!人間にしちゃ丈夫だと思ってたけど、イレギュラーに対応出来なきゃ意味ないし。」
 「俺が?……しかし…。」
 「コクヨウがちゃんと俺に手加減してくれてんのはわかってる。まぁ過保護にし過ぎなのは物申したいけどね。やってくれるだろコクヨウ?」
 「……わかった。」
 「よし!じゃあリハビリに付き合ってくれよ。体動かすの久しぶりだなー!」




 やった!これで少しは過保護から解放されるだろう。じゃあ今からでもやろうか!なんて俺が体をウキウキとさせていると、不意に背後に気配を感じて振り返ろうとする。その前にコクヨウの大きな手がニュッと両脇、現れてグギュッと抱きかかえられる。

 簡単に足が浮くあたり本当に怪力だなぁと思う。視界の端にコクヨウの黒髪が映るので、どうやら俺の肩に頭を乗せているのだとわかる。

 予想以上に気にしてくれていたようで、いつもの過保護とは違う、ただ甘えてるようでなんだか可愛く見える。ポンポンと軽く頭を撫でると腹に巻き付く腕が強くなった。



 「コクヨウ、落ち着いた?」
 「あぁ、ありがとう…。」
 「そもそも怒ってないしね。これからも程々に世話を焼いてくれ給え。ってことで体動かしに外行こう。」
 「俺が、責任をもってアルを鍛え上げ誰よりも強くしてやる。約束しよう。」




 ゆっくりと床に降ろしてもらって、眉間のシワが消えたコクヨウに満足!辛気臭い顔ってやっぱ嫌だ。いつも通り過ごせるのがなにより平和でいいことだ。

 俺の額から左耳の下まで切られたような傷跡は残ってしまったが、これを見て毎日悲しい顔なんてされたらこっちのテンションも下がっちゃうしね。

 いつもとは逆に俺がコクヨウの頭を撫でくりまわしてやると、コクヨウは抵抗もせず大人しくされるがままだ。コクヨウの髪は厚みがあって繊細な感じではないが、それでもサラサラだから触っていて気持ちいい。

 これはいつまでも触ってられる!暫く触り続けていると、コクヨウの表情が少し固くなっていた。ありゃ、ちょっとしつこかったかな?

 ……俺は全く気づいていなかった。微妙に表情が変わっていたがそれ以上にコクヨウの耳が真っ赤になっていたことに。



 「コクヨウ、どうした?」
 「な、なんでもない…。」



 なんでもないって顔じゃないが、まぁいいか。なんて、俺は今日も無事平和に過ごしたのだった。



 

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