実はαだった俺、逃げることにした。

るるらら

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復帰した俺に不穏な影

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 「うわぁ、6年前とあんまり変わってないの凄いなぁ!」
 「はぐれるなよアル。」
 「串焼き喰おうぜ!あっ、あの酒屋まだあるのか、後で行こう!」
 「アル様嬉しくて~、可愛くなっちゃったね~!」
 「ワハハ!久しぶりに街を探索するとよい。その前に、ギルドに顔を出さねばなアルよ。」
 「そうだった!」



 久しぶりの魔境大森林ギルド!まさか帰ってくるまでにこんな時間がかかるとは思わなかったな!あははは!

 6年前、リハビリと称してコハクが生まれた北の氷山エンデンベルに向かい、その後コクヨウが自分の故郷も案内したいと言い出し砂漠のオアシスにある魔境リュクモニアに行き、ならば自分もとハクアに連れられ巨大な山の頂上にある魔境ルシーエルドンにも連れて行かれた。

 そんなことをしていたら6年も経っていたのだった。旅は楽しかったし、リハビリもうまく行き昔より強くなった。コクヨウがみっちり鍛え上げてくれたお陰である。

 ……しかし、まさかこんな長い期間帰らないでいたのだから、ギルドにも迷惑かけてしまったなぁと反省もしている。だからちゃんと謝りにきたのだ。

 何故かギルドカードは抹消されてないし、明日からでも任務につけるかなぁ?なんて考えつつ久しぶりに大森林ギルドへと向かう。

 ギルドの中も変わりなく懐かしい空気。つい嬉しくなってしまって目的を忘れ、見慣れた顔を見つけて俺は駆け寄った。



 「エルダだー!!」
 「わっきゃ……!」
 「可愛いー!髪伸ばしてるんだな!顔は全然変わってない!」
 「ア、アル!?いつ帰ってきたの!?」
 「ついさっき!」


 見慣れた顔に安心しつつニコニコしていると、エルダはぷぅ、と頬を膨らませて怒ってしまった。曰く、手紙くらい出しなさい!心配したでしょう!とのことだった。それは申し訳ない…。

 しかし怒った顔も可愛いなエルダは。染み染みと懐かしい顔を見て和んでいると、エルダは場所を変えないかと提案してきた。そろそろタサファンが任務から帰ってくる頃だそうだ。

 ギルドマスターも変わってないと聞いて、じゃあ焦らなくても大丈夫かな?そう思いつつ近くのカフェに移動すると、大男4人と可愛い子1人は悪目立ちした。視線凄い集まるな…。



 「本当にもう、不安にさせないでよアル。急にいなくなっちゃって驚いたんだから!」
 「あ~、それはコハクのせいだから~、あんまりアル様のこと怒らないでね~?」
 「確かに、急遽決まって我々も便乗したのだから同罪かの。」
 「あそこはギルドカードの通知範囲から外れてたしな…俺らも気が回らなくて悪いことをした。」



 すまないな、なんて最後にコクヨウが言うと首をブンブンさせてなら仕方ありませんねー!なんてエルダが謙遜していた。

 ちょっと俺と態度違いすぎません?文句を言おうにも俺抜きで話が盛り上がり旅の土産話を披露しエルダが聞き入ってしまった。おい、久しぶりの再会を俺抜きにするんじゃない!



 「そっか…なかなか大変だったんだねアル…今はどう?体の調子は良くなった?」
 「勿論だよ。なんなら前より調子良いかな?リハビリはキツかったけど、介護されなくなって心底良かったなと思ってる。」
 「なんじゃ、たまには甘えればよいものの無理をして魔素中毒になったのは誰だったかなぁ…?」
 「いやそれは言わなくていいでしょ!あれ俺が悪いわけじゃないもん!ハクアのせいだったから!」



 
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