実はαだった俺、逃げることにした。

るるらら

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復帰した俺に不穏な影

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 「いーでででで!」
 「おっめーは!手紙だけ置いて行方くらますとかビビっただろ馬鹿が!」
 「いやあれはハクアが勝手に!」
 「ハクア様のせいにするな!あの後大変だっんだぞ!?」



 任務が終わったタサファンが合流するなりアイアンクローを顔面に食らった。痛い痛い、君の握力どうなってんの?

 ブツブツと文句を言いながらエルダの隣に座りカフェが一気に騒々しくなる。有名人のタサファンが現れたらそりゃ賑やかにもなるよねー。対して気にしていないようでタサファンはじっとりと俺を睨んでいた。



 「エルダ、あの話はしたのか?」
 「いや、してないよ。皆様のお土産話が面白くてつい聞き入っちゃったから。」
 「それは俺も聞きたい。」
 「じゃあその話は後にして…アルに話しておかなきゃいけない事があるんだよね。」



 エルダが言いにくそうにタサファンに視線を向けると、タサファンも眉間にシワを寄せて口篭る。なんだろう?首を傾げる俺にタサファンはどう切り出そうか頭を悩ませているようだった。

 まさか知らぬうちに前科者にてもなってしまったのか俺…ドキドキしながら言葉を待つと、小さな声で話し出す。どうやら周りには聞かれたくない話しのようだ。エルダも防音魔法をかけて物々しい空気になる。



 「なんだよ物騒だな…。」
 「物騒なんだよ。」
 「はぁ?俺がいない間に何かあったのか?どうしたんだよ。」
 「……ジャンクオリアー公爵がお前を探しに来たんだよ。お前が旅だったその日にな。」
 「誰だそれ?知らない奴だ。」
 「知らないはずないだろ…あぁ、籍抜いて姓が変わってんのか。」
 「つまり、誰?」
 「エンデルクロス国の元第二王子…ロンバウト様だよ。」
 「ひょっ……!!」



 その名を聞いて息が止まるかと思った。何故に王子様直々に?いや、今は公爵様なのか。なんで籍なんて抜いてしまったんだろう、勿体無い。俺には関係ないけど。

 その時の様子を思い出しているのかエルダの顔色が悪い。タサファンも渋い顔をしているので良くないことが起きたのだと思った。



 「なんか、大変だった…?」
 「大変ってもんじゃねーぞ!アルがいないと分かった瞬間にトチ狂いやがって!止めるの大変だったんだぞ?」
 「アルのお兄さんのエリンティウス様も一緒に来てたんだけど、目が血走って普通じゃなかったよ…トラウマになっちゃった僕…。」
 「なんかすまん…。」
 「なんかお前から聞いた話と全然違うから驚いたわ。あの執着は異常だったぞ。…でもあいつもαっぽかったし、番になれないのに私のアルディウス私のアルディウスって…思い出すだけで鳥肌立つわ。」
 「思い出させないでよタサファン…寝れなくなっちゃうから…。」



 ブルブル震えるタサファンとエルダの話を聞いて、俺も全身に鳥肌と冷や汗をかいた。なんか想像してたのと違う!なんか闇落ちしてないか王子様!そんなキャラじゃなかったじゃん!

 しかも2番目の兄も俺に興味なしだったのに!目が血走るくらい怒ってるって解釈でよい!?俺はてっきり諦めてくれているとおもってたのに!



 「お、俺ここのギルドに復帰するの止めようかな…。」



 

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