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復帰した俺に不穏な影
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俺達が長々とカフェで話し合い、お土産話で盛り上がりキャッキャしながら数時間…そろそろお開きにして帰ろうか。なんて話をしたあとに、やっぱりギルドマスターには顔を出しておきたいなぁ、と言えばタサファンとエルダも一緒にギルドに向かうと言ってくれた。
タサファンとエルダがいたほうが話が進みやすいし、6年ぶりなので知り合いが多いほうが俺的には助かる。暴れん坊の保護者達を止めるのは一苦労だし。
そんなわけで夕焼けとなった空を眺めながら皆でギルドに向かう。ギルドの中は人が疎らで受付にたどり着くのも容易だった。よかった。
タサファンが声をかけるといそいそと受付さんは連絡をしに部屋の奥へと走っていって、直ぐに案内係のおじさんによってギルドマスターがいる総括室に向かった。
すんなり案内されたのはやっぱりタサファンのお陰だな~。総括室に入るなり、腹の底から響くような唸り声に似たため息が聞こえて俺は肩を震わせる。
視線の先には少しげっそりしたギルドマスターのアントムさんがいた。あれ、お疲れですか?
「やー…っと、帰ってきたかアル。」
「お、おぉ!久しぶり!」
「連絡の一つもなし…こちらからも連絡出来ずでどれだけ苦労したと思ってる…。」
「いや、それはごめんて…。」
昔はオーラがしっかりした体格の良い男だったのに、少し萎れたような印象にさぞ苦労したのだろうと思った。なんだかさっきのトラウマを思い出したタサファンやエルダのような反応に似ている気がするのは何故だろう?
とにかく座れ、そう言われて革張りの一人がけソファに座る。保護者達は立ったまま話を聞くようで俺の背後に立っている。視線が気になるから後ろに立たないでほしいなぁ。
隣のソファにタサファンとエルダが座ると、ぐったりしたままのアントムさんが頭を押さえながらどっかりと正面のソファに腰掛けた。
「アル……もうタサファン達から話は聞いたと思うが、ジャンクオリアー公爵が訪ねてきた。」
「あ~、はいはい。聞きました。なんか大変だったみたいだね。」
「今でも大変なんだよ…頼むどうにかしてくれ、私がノイローゼになってしまう…。」
「はぇ!?ちょっとアントムさん魂抜けてない!?大丈夫か!?」
光の入らない瞳がカラカラに乾いたような虚空の印象を受けてびっくりする。ノイローゼってなんだ?陰湿なイジメでも受けてるの?
ギルドマスター変わりようにゾッとするもどうやらこうなってしまった原因は奴らのようで何もいえねぇ!
「まぁ、タサファン達から話を聞いてある程度は想像出来るだろうか?公爵様とその部下の執着をな。」
「部下?誰のこと言ってるの?」
「エリンティウス様だよ…お前がいない合間にアーダングラウド公爵様も何度も来た。もう胃が痛い。」
「元次兄様はロンバウトの部下やってんだ、いが~い。アーダングラウド公爵ってまだ父かな?」
「いや、フィリスティウス様だ。」
「うーん、何となく想像してたからあんま驚かないけど…代替わり早いね…。」
アーダングラウドの家も色々あったんだなぁ、なんて他人事のように考えているが、その中心にまさか自分がいるとは思うまい。
俺が家出をし、行方を眩ませてからの16年で実家であるアーダングラウド公爵家は地獄と化していたのだから。
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