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復帰した俺に不穏な影
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「アル様おかえり~!!」
「予定より長引いたようだな。どうであった?」
「大変だったよ…今すぐ寝たい。飯は後だ…。」
「先に風呂に入れ。臭うぞ。」
「はーい…。」
帰宅したら保護者達が出迎えた。フラフラの俺に対して臭いと言われてしまった。頑張ってきたのに酷い…。まぁ臭いのは仕方ない、頑張った証である。俺はいつものようにコクヨウに引きずられながら風呂に放り込まれた。
ピカピカになった俺をせっせとお世話してくれるコクヨウに感謝しながら、うとうとしているとコハクが温かい毛布をかけてくれた。
そんなことしたら立ち上がれなくなる。ソファで寝ると体痛くなるからベッドに行きたいんだけど、もうそんな気力ないよ。
「アル様~、今はゆっくり休んでね~?起きたらお話聞いてあげるからね~。」
「寝かせている間に飯でも作るか。随分と疲れているようだし、粥にでもしたほうがいいだろうか?」
「体調が悪いわけでもあるまい。肉を食わせても問題ないだろうて。コクヨウ、そのまま布団に運んでやれ。ソファでは寝苦しいだろうからな。」
コクヨウにヒョイと抱えられてベッドに寝かせてもらうと、それはもうフカフカで一瞬で寝た。天日干ししたのかいい匂いもする。こりゃ安眠だな。
俺が秒で寝落ちしたのを確認したコクヨウは部屋を出ていき、コハクはずーっと俺の寝顔を見ていた。何も面白くないと思うが、寝ている俺には文句を言うことは出来ない。
涎を垂らして寝ている姿を満足するまで見ていたコハクがやっとハクア達のいるリビングに戻る頃にはご飯の準備が整っていた。
「アルディウスは我らが居らずともよく頑張ったな。何度か危ない場面もあったが、なんとか乗り越えたようだ。」
「あんなハラハラするならやはり一緒に付いていけば良かったと思ったが、子の成長を見るのはやはりいいものだな。」
「ね~!大きな怪我も無かったし、ちゃ~んと周りを確認して~、偉かったね~!」
「しかし、それではまだまだよ。早う我らと共の境地に来てほしいものよな。」
リビングで保護者達が話している内容を知ったら俺は激怒するだろう。しかし、熟睡モードの俺の耳には全く話は入ってこない。残念ながら、俺がその秘密を知るのは随分と先になる。
ハクアが付けた金の腕輪、コクヨウが付けた黒い石のついた耳飾り、コハクに掛けられた白い花がついた小さな首飾り……それぞれの加護が付いた特殊な取れない宝具。それは俺の動向を知るためのカモフラージュを含んだ追跡装置のような物。
勿論それ意外にも魔力を高めたり毒を無効したりと色々な補助をしてくれる力もある。それが隠れ蓑になり、本来の役目は俺にはバレていないのだった。
遠くにいても居場所がわかり、定期的に宝具から伝わる映像を盗み見る。それぞれが牙、鱗、鬣をベースに人の装飾品に似せて造った監視システムであった。
「これでアルが危なくなっても直ぐに向かえるな。不安が一つ解消されたわけだ。」
「アル様強くなったけど~、な~んか隙だらけで不安だったもんね~。」
「あれはもう治らんだろうな。我らが守ればよいだけのことよ。」
「詐欺に引っかからぬか心配でならん…。この前だって怪しい商人に騙されそうだったではないか…。」
「優しいからね~。本人は~、対して気にしてないみたいだったけど~。」
「我らと共に居ると無意識に気が抜けるのだろうて。信頼されておるのだよ。」
「そうだといいがな。」
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