実はαだった俺、逃げることにした。

るるらら

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そして出会う俺とお前

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 そから放心状態の俺にギルドマスターは渋い顔をしながら続きを話した。保護者達もつられたように同じく渋い顔である。

 保護者達としょうもない喧嘩をし、今はやりたいことをさせてやろうと言うことで俺が単独で森に入ったのを見届けた後。いざとなれば保護者達が乗り込めるよう準備をして数時間に森が騒がしくなり、俺が暴れているのを確認出来たそうだ。

 ……どうやって確認したのか気になるが今はそこではない。

 思いの外、俺が苦戦しているのを感じ取ったのかいつ保護者達は森に乗り込もうか悩んでいる時にお貴族様から連絡が来たそうな。

 それはもう呪詛のような声だったそうだ。この連絡がなかった数カ月、向こうも色々あっらたらしく連絡越しの声色はかなり荒れていた。

 そんな状態のロンバウトへなんと説明したらいいのかアントムはかなり悩んだそうだ。しかし、隠しても意味がないので大まかに俺が単独で森に入ったと説明した途端、作戦会議をしていた部屋の扉が破壊される程の威力で開いた。……そこにいたのが、お貴族様であるロンバウトとフィリスティウス、エリンティウス兄弟だったそうな…。



 「あぁ、だからあの扉…。」
 「簡易的な設備だからよかったものの、これがギルドの中でやられたらと思うと胃が痛くなるよ。」
 「なんで簡単に話しちゃうかなギルドマスター!俺、魔物より怖いって思っちゃったんだぞ!」
 「前にも言ったが私の立場では貴族に逆らうのはむずかしのだ。なんなら、あのお貴族様達を敵に回すと碌な事にならないと、この数年で理解している。」
 「そんなぁ…。」



 俺を売ったってことか…いや、そうしてくれても良いと昔に言った気がするけど、あんな危険な変態になってるなんて想像してなかったんだよなぁ。

 まぁ、あの大量の手紙を家に流し込まれていた時点で察しておかなきゃいけなかったんだ…とほ、ほ…。



 「……気絶したか。」
 「ほんにアルディウスは変態に好かれやすいのう。」
 「ヨルダンのギルドにいたルチスというΩにも好かれていたもんな。あれはなかなか…。」
 「コハクがちゃんとダメだよ~って教えてあげたから~、もう大丈夫だと思うけど~。また来たら~、ちゃんと教えてあげないとね~。」
 「狡猾なΩの行動力には驚かされる。あのような薬をよう手に入れたものよな。」



 ぐったり動かなくなった俺をコクヨウが抱き上げると同時に俺の知らない話がまた始まる。そう、お忘れであろうか?ヨルダンのギルドで働いていたオレンジ頭の可愛いルチスのことである。

 食事の約束をしたものの、俺が大怪我&リハビリの為に大森林ギルドから離れたあとの事。

 何度か御見舞に来ていたらしいルチスだが、どこでネジが飛んだのか強力な媚薬を手に入れ俺を調しようとしたところをコハクに見つかったそうな。Ωがαを調教?……どうやらアピールしても無反応な俺に痺れを切らしたらしい。

 強気な性格もあわさり、勝手に女王様キャラになってしまった。今はどこにいるかは不明である。知っているのはコハクだけ。

 ヨルダンのギルドにはどこぞの貴族に嫁に行ったと報告が上がっているが、詳細は不明である。本当に保護者達を怒らせると碌な事にならないのであった。


 
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