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そして出会う俺とお前
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しおりを挟む会議室に設置された長いテーブルを挟むように保護者3人、向かいにお貴族3人……お誕生日席でビクビクしている構図が出来た。殺気が飛び交っている空間は息がし難くて辛いんだよなぁ…。
保護者達は相変わらず余裕そうな表情にニヤニヤの口元で貴族側を煽っている。やめてよ怖くなるから…。
そんな状態なものだから真っ先に煽られたフィリスティウスはもう鬼と化してるし、必死に我慢しているエリンティウスすら無表情の顔に血管を浮き立たせている。家を馬鹿にされたからだろうなぁ…。
そんな2人とは違い、俺にトロットロの表情と視線でふやけてしまっているロンバウトをどうしたものか…視線がずっと俺に向いているのが気まずくて無視してるけど、気持ち悪いんだよ、見たことない表情でガン見されるとさ。
ちょっとずつ乗り出して俺に近づいて来ているような、気がする…大人しく座っててよ。このままでは埒が明かないから俺から話を切り出すか。これじゃいつまでたっても終わらない。
「………で?俺と何を話し合いたかったの?俺の中ではもう完結してんだけど。」
「アルディウスは勘違いをしているんだ。何故そんなに家を嫌うのだ。」
「家って言うか、あんたら兄弟とロンバウトから逃げる為に貴族辞めたんだけど。」
俺の言葉にガンッと殴られたような表情でショックを受けるアンダーグラウド兄弟。ロンバウトは自覚しているので悲しそうにするだけである。
「ってか、昔はあんなに俺の事無視してたじゃん。視界にすら入れなかったじゃん。フィリスティウスは舌打ちするし、エリンティウスは鼻で笑うし…親すら俺の存在無視する家だよ?いる意味無くないですかね?」
「それは違う!」
「何が違うんだよ…あの時の俺にはそうだった。間違いない。」
「……確かにあの親はアルディウスに価値がないと宣う馬鹿でした。私達が関われば余計に立場が悪くなるとばかり思い、執事に貴方の事を任せ私達は家から離れた寮がある学園で過ごすことにしたんです。」
「それって結局、自己満足だろ?俺の気持ちなんて関係ない。まともに会話もしないで勝手にそうすると決めたのはあんたらだ。」
そう言えば何も言えなくなってしまったのか、フィリスティウスとエリンティウスは黙り込んでしまう。その話をあの時の俺に話してくれれば、もしかしたら少しは考えて家出なんてしなかったかも知れない。
確かに寮に入った彼らはまともに家には帰ってこなかった。しかし、その間にロンバウトには散々虐められては悲しみに暮れる毎日だった。
「それでも、それでも幼かったお前を守ってやるのは俺達では出来なかった。力のない子供であった俺は早く家督を継ぐために飛び級までして…あの両親が家から消えれば好きに過ごせることばかりが頭を埋めていた。
すまない、……確かにアルディウスの言うとおり、自分のことしか考えていなかった。」
「………そうですね、今も無理にアルディウスを縛ろうとしていました。しかし、これだけは知ってほしい。私達は決してアルディウスを嫌ってきたわけではない。」
そう真剣にエリンティウスに言われ、真っ直ぐな視線を浴びてしまうと、それご本当のことのように思えてしまう。
嘘のない眼差しであった。俺はどう応えていいのか分からなくなる。信用するつもりはない。ここまでするメリットがないのだ。
「そこまでして、なんで俺を追いかけるの。家にはもう俺は要らないでしょ?ただの冒険者の俺には価値もないよ?」
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