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そして出会う俺とお前
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「月に一度は顔を見せに来い。あの家にはもう親もいなければ、当時父の駒だった執事長やメイド長は解雇している。お前を見下す奴はいない。」
「………ちょっと頻繁過ぎない?」
「今まで!!ろくに会うことも出来ずに探し続けやっと、やっとだ!幼かったお前が居なくなったアーダングラウド家は地獄そのものだ…。」
「今更、あの家に顔出しても良いことなさそうだけどなぁ…。」
「そんなことはない!いつでも顔を見せに来ると良い!部屋も綺麗にしてあるしな。」
「そうですね。部屋を一新して家具も新しくして明るくしましたよ?とてもリラックス出来ると思います。」
「気合い入ってるね…。」
「もちろん!貴方の為の部屋に気合いを入れない訳ない!」
力説するフィリスティウスとエリンティウスに引きつつ、少し会話をしたら過去のイメージと全く違う兄弟にすっかり毒気が抜かれてしまった。
平然と会話をしている事に気づいて、あぁマルさんが言っていたことはこれかと思った。話し合いをしてみないとわからないってこう言うことか。
過去、彼らと会話などした記憶なんて無かった。親からの圧力で話しかけることが出来なかったと話されたが、それが本当かはわからない。でも、話してみると思ったより恐怖はなかったのは、きっと保護者達の出しゃばりのおかげだ。
「……で?こやつはどうするのだ?動かぬぞ?」
「そういやずっと静かだと思ってたけど、……気持ち悪いな、こいつ…。アルから視線が離れんな。」
「こいつは昔からずっとこうだぞ。」
「渋々仕事はするのですが、それ以外はもうアルディウスのことばかりで…。貴方、家出をする前に大喧嘩したそうじゃないですか。」
「あぁ、まぁ……。大喧嘩っつーか、思いの丈をぶつけたと言うか…。」
エリンティウスに言われて、幼い頃の記憶を思い出す。前世の記憶が戻ってから暫くして、スンッと気持ちが落ち着いた時、第二王子であったロンバウトがわざわざ家に来た時に言ったんだっけ。
心底大嫌いだと。あれがなんだと言うんだ。俺が首を傾げればエリンティウスははぁっと大きなため息をついた。
「ロンバウト様は、貴方を思うあまりストーカーのようなことをしていたのを、知っていますか?」
「は、なに?ストーカー??」
「キルシュタイン陛下…ロンバウト様の兄上様、メンルートにも止められていたのですが、当時のロンバウト様は話を全く聞かず…アルディウスはよく街に降りて図書館や教会に行っていたのでしょう?」
「う、うん…特に文句も言われなかったしね。」
「その時から、謝る機会を得られずずーっと、後をつけていたそうですよ?」
「失礼な、私は心配で見守っていただけだぞ。」
「あっ、喋った。……って、嘘だろ…まさか毎日…?」
「もちろんだとも。」
「そんなキリッとした顔で言うことじゃないだろ!?気持ち悪いなぁ!!」
衝撃の事実に俺は体ごと仰け反り、格好いい顔をし当たり前だと言わんばかりにドヤ顔をするロンバウトにドン引きした。
この男、本当に頭イカれてる!あんな虐めてきたのに!離れたらストーカーとか!
「私はアルディウス以外を受け入れるつもりはないからな。」
「なん、の話…かな…?」
「なんだと思うアルディウス?」
ニンマリ笑うその表情は、幼い頃に見たことのある背筋が寒くなるものだった。ロンバウトが俺を馬鹿にして蔑む姿を思い出したが、状況が全く違う。
ロンバウトのこの表情が俺を狙う時のものだと気づくのは、意外とすぐであった。
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