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そして出会う俺とお前
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ぱちり、いつの間にか眠っていた目を開く。すっかり朝日が上ってカーテンの隙間から漏れている。ふぁ~、なんて欠伸を漏らしながら体を起こそうとするが、何故かそれが出来ない。
……うっ、右腕が重い!視線を向ければバッチリ目を開けたロンバウトと視線があった。それも至近距離だった。
うわっ!なんでロンバウトが!?なんて思っていたら、そういや忍び込んで来たんだったなこいつ。まだ目元が赤いのは、今朝の号泣の名残か。
しかし、この体制は嫌だな。ひっつき虫みたいに剥がれなかったロンバウトが、さらに俺に引っ付いている。この体制は、腕枕じゃないか?
どうりで右肩から先が動かないわけだ。別に痺れてるわけじゃないから痛いとかはないけど、気持ち悪いなぁ…。
「ロンバウト、起きてんならどけてくれない?」
「……もう少しだけ。」
「うわっ、寄るな寄るな!近い近い!」
腕枕が肩枕?くらいになった。顔が近いし密着する必要ないだろ!隣にエリンティウスもいるんだ状況見ろ!変なところ触るな!
……なんて、思って藻掻いてエリンティウスを起こすためにロンバウトの先にいるエリンティウスを確認したら…簀巻にされてベッドの下に落とされてた。…へ?
滅茶苦茶キレた顔して簀巻のまま暴れてる。ご丁寧にしっかり猿ぐつわまでされて声も出ないようだ。……これ絶対にロンバウトがやっただろ!!
驚いた隙をついてロンバウトに仰向けに抑え込まれると、視界にはうっとりするロンバウトだけが映った。
「二人の時間を邪魔されたくなかったんだよ…なんでエリンがアルディウスの部屋にいたの?」
「俺が呼んだんだよ!お前を回収するように頼んだんだ!」
「むふっ…アルディウスの匂い…。」
「わわわっ!首筋の匂い嗅ぐな……っ、な、舐めっ…!こらっ、吸うな!うわーっ!やめろーっ!」
「甘い…堪らない……♡」
体の身動きが出来ないくらいがっちり固められ、好き放題始めるロンバウトを引き剥がそうにも、完全に上に乗っかられてしまうと逃げられなくなる。
なんでこいつこんな力強いんだよ!肘から下と脚をバタバタと暴れさせてみても全く効果がなく、スンスンと嗅がれている感覚とベロベロされてる舌の感覚が首筋を這う。全身に鳥肌が立った。
貞操の危機に俺の大絶叫と、全く声になってないエリンティウスの憤怒の声が部屋に響く。俺、今までの人生で首をしゃぶられるなんて経験したことない!
「ロン、ロンバウト!?今じゃない!今じゃないよ!」
「もちろん、今は少し味見をするだけだからね。これ以上はしないよ?」
「されたら困るわ!いい加減離せよ!胸揉むなって!」
「はぁっ!ムチムチ…最高だ…!」
「おまっ……鼻血ーっ!!」
ロンバウトが鼻血を垂らしたまま恍惚とした表情で目一杯俺の胸筋を堪能してた。俺の胸なんて柔らかくないだろうに。
抜け出せぬ地獄に暫く絶叫したが、いつから覗いていたのか保護者達がそろそろ開放しろとロンバウトを引き剥がしてくれた。おっそい!遅すぎるんだ!!
叫びすぎてカラカラになった喉はヒューヒューと鳴っていた。コクヨウが水をくれたのを一気に飲み干し、落ち着いてから周りの状況を確認すると簀巻から開放されたエリンティウスがロンバウトを正座させて説教してた。よし、もっとやれ。なんなら足に石でも乗せてやれ。
「た、助けに来るのが遅すぎる…!」
「ハクアが面白がってな…。」
「最近俺のことイジメ過ぎじゃないの!?なんでコクヨウもそれにノッちゃうかなぁ…。」
「お前の自立を促す為の訓練だと言われて俺もまたエリンティウスと同じく縛られていたわ。」
「あっ……そうか、ごめん…。」
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