実はαだった俺、逃げることにした。

るるらら

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そして出会う俺とお前

やっと見つけた宝物1(公爵視点)





 やっと巡り会えたアルディウスは想像していたよりも立派な体で、それでも幼い頃の面影のある顔は可愛らしくて私の心臓はときめきで破裂するかと思った。

 スタンピートの魔物を相手にしていたアルディウスは怪我を負っていたが、それよりもなによりも、見え隠れする腹筋や汗の垂れる首筋に視線が釘付けになってしまった。な、なんでこんな淫靡に見えてしまうんだ…。

 体が勝手にアルディウスに飛びついて、温もりを感じるともう歯止めは利かなかった。怪我を確認すると言いつつ、体を撫で回す腕は俊敏だった。

 結局、またアルディウスを怒らせてしまい体に鞭を打って転移魔法を発動させアルディウスが逃げてしまうまで好き勝手してしまった。

 ハッと気づいた時にはアルディウスは噂の保護者達に匿われてしまった。瞬く間にまたアルディウスが消えて、私の我慢はもう限界だつた。なんなら、アンダーグラウド家の兄弟は血眼になって大森林ギルドのギルドマスターに詰め寄っていた。まぁ、私もだけど。

 アルディウスが数日、養生したのち時間を取ることを約束させた。その日から毎日のように大森林ギルドへ通った。たまたまアルディウスとすれ違うのではないかと期待を込めて。

 数日後、ギルドマスターから連絡が来た。ついにアルディウスと話し合える時間を設けてくれたのだ。ただし、噂の保護者達も同伴すると言う。それは問題ない、私はアルディウスにしか用がないからだ。

 フィリスティウスは保護者という言葉にかなり腹を立てて怒っている。自身がアルディウスの血族であるのに、自分とエリンティウス以外のものは受け付けないのか感情を隠そうともせず怒り狂っていた。

 アンダーグラウド家がどのような暮らしをしてきたか私も知っている、アンダーグラウドの前公爵は政治に向かず、領地が荒れていた。都市から離れればスラム街があったのも記憶に残る。

 そんな両親を早々に切り捨てたのはフィリスティウスだ。役に立たぬと言い切り齢18歳で当主となった。それもまた、アルディウスを探すための手段だったのだろう。

 エリンティウスなど両親を田舎に送り込んだと言ったが、実際は人が住むには難しい僻地に小屋を建てさせ、奴隷を雇い世話をさせている。屈強な戦士の奴隷5人に世話される両親はどのような気持ちで過ごしているのやら。

 二度と会うつもりのない両親達、冷酷で誰よりも非道になる男は間違いなくエリンティウスだ。彼を敵にしてはいけないのだ。




 「ついに、明日……やっとアルディウスと会える…!!」




 ギルドマスターと約束した日は目前だ。興奮して眠れぬ夜を過ごす事になった。記憶に新しい大人のアルディウス…とても魅力的で顔と体のアンバランスなのがとても良かった。

 思い出すたびに、腹の底がグズグズと煮えたように熱くなる。己のαがアルディウスに屈したくて蠢いているような感覚は嫌いではなかった。

 同じαでもこんなにも違う。ただ昔から運命だと感じている気持ちだけは全く変わらない。アルディウス、私は心身共に君を待ち焦がれているよ。

 脈打つ心臓に手を当てる。ドクドクと興奮して鼓動が早くなる。私はうっそりと一人笑みを溢した。


 

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