最低な出会いから濃密な愛を知る

あん蜜

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第三十六話 特別な夜

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 ベンと心だけでなく体も繋がることができたあの日から数ヶ月が経った今、私は結婚式を終えてベンとともに入浴している。
 ベンが結婚するまで我慢すると言ったので、一緒に入浴するのは二回目だ。あれから何度も裸で愛し合っているが、裸を見られることにはまだ慣れていない。毎回恥ずかしくてそれだけで体が熱くなってしまう。

 お湯に浸かりながら、後ろからベンが私のお腹に手を当てる。

ふにゅふにゅ、ふにゅふにゅ――――

「んふ……っ…………んふふ」

「ソフィアー?」

「っ……! はいっ……ベンさまー?」

 つい真似をして語尾を伸ばしてみたものの、突然の甘えるような声に心が騒々しい。

(えっえっ……ベン様? なんて可愛いのかしら!?)

ぎゅぅぅ

「ぁっ……」

 後ろからぎゅっと抱きしめられ、一気に鼓動が激しくなる。

「ソーフィアっ」

(ええええええええっ!!??)

 いやいや、可愛すぎる。
 突然の出来事に胸がきゅんきゅん高鳴っていると、ベンが体を震わせて笑った。

「はははっ……はははは……あははははは! ふぅ…………あー……ははっ、こりゃだめだ、浮かれちまってる……」

(か、可愛いぃぃ……!!!!)

 浮かれた様子のベンにときめきながら、とても嬉しくなった。私も朝から浮かれていて、式の最中もにまにまとにやけそうになったり、ベンへの愛を叫びたくなったりするのを堪えるのが大変だったのだ。ベンもとても浮かれていたのだとわかり頬がへにょんへにょんに緩む。

 
 ベッドに入ってからも、ベンは幸せいっぱいのゆるゆるの表情で私を見つめてくるから、愛おしくてどうにかなってしまいそうだ。

「っ……ベンさま……」

「俺のソフィア……」

「~~~~っ!」

 まだベッドに入ってからキスもしていないのに、陰部がきゅぅ~~っと反応するのがわかった。次第にじんじんしていく。

ちゅ――――

 唇が重なり、やさしい口づけが始まった。

ちゅ――ちゅぅ――ちゅむ――――――

「~~……~~……~~……」

 いつもならそろそろ舌を絡める頃だと思うのだが、熱いキスに切り替わる気配が一切ない。

はむ――――――ふにゅ――――ふにゅ――――

 上唇を唇で挟まれ、そのまま優しく引っ張られ、下唇も同様に優しくはむはむされる。普段も優しく丁寧なベンだが、今日は一段とゆっくり、じっくりと進められているような気がする。

ぬ、ちゅぅ――――――

「~~~~っ」

 舌が口の中に入ってきた。ゆっくり、ゆっくりと愛撫されていく。

「~~……んっ……~~っ……はぁ……ンっ――――はぁ……ンっ――――――はぁぁ……」

 すでに心も体も熱々なのだが、ベンの手は私の頬や首筋に触れているだけで他を触る気配がない。深いキスにとろけるたび、陰部がとろとろに潤っていく。

 とても長い長い口づけが終わり、ベンが顔を上げる。

「はぁぁ……はぁぁ……はぁっ……はぁぁ……ベンさまぁ……」

 ベンは優しげな表情で口を開いた。

「今日から俺はソフィアの夫で、ソフィアは俺の妻だ。夫婦として迎える初めての夜なんだ。とびっきり特別な夜にすんぞ」

「……! はぃっ……!」

 ベンがそういったことを意識していたのが嬉しく、全身がきゅんきゅんしてますます浮かれた気分になる。

ちゅ――

 首筋に柔らかい感触が伝わる。

「ん……」

ちゅ、ちゅ、ねちゅぅ――――

「~~……~~……~~っ」

 鎖骨、二の腕、腕、お腹……とあらゆる場所に口づけされ、ねっとりと舐められていく。

「んふ…………ぁっ……っ」

 ベンは口を動かすだけでなく、指も動かしてお腹や太ももを優しくさすっていくのだが、なぜか胸や陰部は避けられており、心地良いのにもどかしさも募っていく。

さす――――さす――――――

「~~……~~~~……んぅ……はぁ……はぁ……」

 それでも、そうしたより繊細な場所が触られていなくとも、ベンに触られているというだけで心の深い場所から興奮して早くも息が荒くなってしまう。

「んぁぁ……はぁぁ…………んぅぅっ……はぁぁ…………はぁぁ」

 動かさずにはいられないので、自然と腕や腰、脚が動いていく。

ちゅ、ねちゅぅ――――、んちゅぅ――――

 内ももを舐められ、陰部がゾクゾクしてじんじんして早く触ってもらいたくて仕方がないのに、触ってもらえそうにないのでなんだか泣きそうにもなってくる。

「はぁぁっ……んぅぅ…………ベンさまぁ……っ」

 ベンに恋をして、愛を知り、幸せな感情と苦しい感情が同時に存在することの不思議さを知った。そうした感情に締め付けられているのか、はたまた内から外へ溢れ出ようとしているのか、どっちかなんなのかもわからないこの感覚は、長ければ長いほど大きなエネルギーのようなものが蓄えられていくような気がする。ひと言でいうと、とにかく苦しい。

(はやく…………はやくぅ…………っ)

 ベンの顔が胸の方へと近づいたのが目に留まった時、私の心は一瞬で安堵と歓喜の気持ちでいっぱいになった。

ちゅ、ちゅ――――

 胸へと口づけされ、指ではもう片方の胸がやさしく撫でられていく。しかし、乳首だけは避けられてしまっている。

「~~……~~……んぅぅ……はぁぁ……~~……はぁぁ……」

(んぅぅ……気持ちいいけれど…………苦しぃっ………………っっ)

「ベンさまぁ……っ!!」

 我慢しきれず、求めてしまう。

ちゅ、ちゅ、ちゅぅ――――

「んっ……はぁぁっ……はぁぁ……ベンさまぁ…………ベンさまぁ……っっ」

 ベンの指が乳首のそばに触れる。

さす……

「っ!!」

さ――す、さ――す、さ――す、さ――す

 乳首のそばをやさしくなぞられ、ソクゾクゾクゾクゥ……と中の方から深い何かが込み上げてくる。

「はぁっ……はぁっ……んぅっ……はぁっ……」

 もう目前に求めている快感が迫っていると感じ、期待や興奮が加速する。

(ぁ…………ぁ………………っ)

 ベンの指が、乳首に触れる。

すりすり――すりすり――――

「~~~~っ!! あぁっ……っ……んぅぁっ……!!」

 やさしく側面が撫でられ、駆け上がるかのように快感が膨れ上がっていく。
 指で挟まれているわけでもやさしく弾かれているわけでもないのに強く感じてしまう。こんな状態でどんどん愛撫されていったらどうなってしまうのかと少し心配になるも、その時はすぐにやってきた。

きゅぅ、きゅ――――ぅ

「っ! ~~~~っ!!」

 乳首がやさしく摘ままれ、強い快感が走る。

きゅぅ、きゅぅ、きゅぅ――――

「はぁぁ……んぅっ……ぁっ……~~~~っ」

 気持ちよすぎて、まるで全ての神経が乳首に集中しているように思える。

ね、ちゅぅ――――――

「ふぁぁ……ぁぁ…………」

 片方の乳首がねっとりと舐められ、生温かい感触にうっとりする。
 指と口で両方の乳首が愛撫され、どっちの刺激に集中すればいいかわからないまま次々に快感が沸き立っていく。

「っ……はぁぁ……んぁぁベンさまぁ……はぁっ……気持ちぃぃ……はぁぁ……はぁぁ……」

 このままとろけてしまうのではと思った時、ベンが胸から顔を上げた。どこか、少し苦しげな表情に見える。

「……ベンさま……?」

「ふぅ…………」

 息を吐くと、ベンは体を起こし、私の太ももをくいっと広げた。

「ぁ……っ」

ぬる、ぬる――――

「~~~~……っ……はぁ……はぁ……」

 ベンの指がとろとろの陰部に触れ、太ももがヒクヒク反応する。

「ぁ……~~……はぁっ……はぁっ」

 しかし、その手はすぐに止まった。

「こっちも、うんと時間をかけてほぐすつもりだったが、必要なさそうだな。……いや、違ぇ……俺がもたねぇわ」

ぬちゅ――――

「ぁっ……!」

 硬くて熱い先端が触れる。

ぬ、ぷ、ぷ、ぷ――――――

「っ……~~~~~~……はぁぁ……はぁぁ……」

(ベン様の……熱い……気持ちいぃ……)

 大好きな人と繊細な中で繋がり合っているのが幸せでたまらなく愛おしい。今すぐベンをぎゅうっと抱きしめたい。

「ベンさまぁ……はぁぁ……はぁぁ」

 いつも挿入後はぎゅっと抱きしめてくれるので、両手を広げてそれを求める。
 しかしベンは少し微笑むと、腰を動かした。

つん――つん――つん――――

「あぁっ……ぇっ……っ……んぁぁ」

 好きな速さで腰が動かされ、すぐに快感の波が沸き立つ。

「ぁっ っ んぅっ……~~……~~~~……~~~~っ!!」

ビクビクンッ ビクンッ ビクビクッ ビクッ……

(うそうそ……もう……っ!?)

「はぁぁー……はぁぁー……はぁぁー……」

つん――

「んぅっっ!」

つん――つん――――

「ぁぁ まっ――」

ぐっ――――――――

「~~~~~~っっ!!!!」

ビクビクンッ ビクビクンッ ビクンッ……ビクビクッ ビクッ……ヒクヒク……

「はぁぁーっ……はぁぁーっ……はぁぁーっ……ぅんはぁぁ……はぁぁ……」

 ベンは立派なものをゆっくり抜くと、私に覆い被さった。唇が重なりすぐに舌が絡まる。

ちゅぅ、ね、ちゅぅ、ぬちゅぅ――――

「~~……ンっ――――はぁぁンっ――――はぁぁンっ――――――」

(熱い……熱い……っっ)

 ベンにしがみついて深いキスに溺れていく。

(気持ちいい……気持ちいいっ……)

「はぁぁー……はぁぁー……ベンさまぁ……はぁぁー……はぁぁー……」

「はぁ……たまんねぇな」

 とろんとした顔でそう言うと、ベンは再び熱いものを挿入した。
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