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第一章 あれ?腐った呪いなの?
じゅういち ☆
しおりを挟むどんな時でもお約束はいいたい。
それが俺という声優の定めなのだ。
「……知らなっ、ゲボ、てんじょー、ひっ、げほっ、……だ。」
喉が張り付いてとても喋りにくかった。
瞳もなんとなくボヤボヤしてる気がするし。
でも、俺は白い天井は知らない。
決まらないセリフだが、言ってみたかったから無理やり言っただけ。
だってそれが声優だから(俺だから!)。
しかし、マジでまたもや知らない天井に困惑中。
あれ?
俺……。
なんで寝てるの?
……………っは!
そうだ、俺……洗礼(属性を知るために行うらしきもの)に行って、なんかフラグたっちゃったやつじゃん……腐のフラグ……どうなったんだっけ?
あーもー!
なんでこんな目にばかり合うんだよ。
マジでハノエル可哀想(泣)。
「ハル、喉痛い?お水飲める?」
ボヤボヤしている瞳に力を込めると、兄カレイドが見えた。
顔には心配の二文字が見えるようだ。
体を起こされ二口ほど水を飲んだ。
飲み込むとまたゆっくりと寝かされた。
ホッと息をつくと体に異変が蘇り始めた。
兄に手をしっかり握られているんだが、そこから何故か熱が生まれて体に広がる。
なんで?
その、なんていうか……痛い。
どこがって……セリフならいくらでも言えるのに、自分の言葉だと……ちょっといい辛い。
BL声優だろうがお前!
って思ったあなた?
役入ってる時と普段は違うからね?
ゴニョゴニョが張ってて痛いんだよっ!
ハノエルのポークビッツくんが、主張してるんだよ!
あと……ち、乳首とかもジンジンしてる……。
頭もクラクラするし、なんなの?
病気?
そう、声優としてのセリフでいってみようか?
『ぼくのおちんちんがジンジンするの。おっぱいも。ぼくのお腹の中もあつい……はあ、誰かいっぱい触って欲しいの……たしゅけて?』
と言ったところか?
……これ言ったのは、BLゲームのショタっ子で媚薬使われちゃって、攻め様におねだりしないと何もしてもらえない。ちなみに攻め側からのゲームなので、俺は攻略者なのです……のセリフがよく似合う。
って!まって?
俺っ、もしかしてっ、媚薬を使われちゃってる?
で、媚薬抜けてない?
マジかよっ!
え?
《……気付けよ?》
って、なんの声?
いや、だって気付かないゃん。
俺、前世でもそんな経験……作り話の中でしかないもんよ。
強制的に発情させる薬なんて、関わったことないし!
健全なる青少年に媚薬なんて縁がないっしょ?
あ……意識しちゃったら、だめだ。
触りたい……出したい…………………って、ハノエル、まだ精通してないマジモンのショタじゃん!
え、コレどーしたらいいの?
「ハル?」
「ひん。」
頭を撫でてくれる兄の手にも反応しちゃう。
やだ、マジでインランみたいじゃないか。そんなの嫌だ。
でも、その手が欲しい。
スリスリと頭をその手に擦り付ける。
「に、にいちゃ……あちゅ……い。」
ハアハアと身悶える五歳児!
気色悪かろう。
俺は気持ち悪いと思うな……。
でも、もう理性で抑えるには無理。
どうしたらいいのか。わからない!
ああ、よくうちのニャンコ(♀)が発情期で『もーどうしたらいいのっ!』ってばかりに、グルニャオいいながら体を撫でろ!とドッカンドッカンと体当たりしてきた気持ちが、今わかったよ!
うん、持て余すよ!
頭が狂いそう……アイツらなんて言った?
『効きが良ければ良いほど……戻れなくなるのですから』
え?まさか……。
もう、戻れない?
「ハル、苦しいね。でも、まだ我慢して?大丈夫だから。」
大丈夫?って何が?
「にいちゃ、たちゅけて……。」
無理やり体を起こして、兄にすがりつく。言葉もはっきりしない。
もう、とにかくどーにかしてほしい!
「ハル!」
すがりついた俺を兄は優しく抱きしめてくれた。
それさえも体の熱をさらに増やして、もう、だんだんと思考から理性が失われて……ねえ?猿になってもいいんじゃない?
見られててもいいんじゃない?
もう、だめ、擦りたい。
兄の腕のなかで、熱でぎこちなくなった腕を動かす。
「ハル……?」
俺は、もう目も脳も空で……ただアレをアレしたい……ここいらは、多分、前世である俺の感覚の方が勝っていたんだと思うんだ。
とにかく、擦っていってしまいたい!って。
自分がハノエルで5歳で兄の腕の中で、ここがどこか?とか、他にも人がいないか?とか……全てがどーでも良くて……とにかく、イキたいって……頭の中がそれ一色になった。
自分が着ているものも認識できていなくて、とにかくジンジンするソレを擦ることしか頭にない。
快感を得て終わりにしたい。
ただそれだけ。
ソレに触れた途端、目がチカチカとするくらい気持ちがいい。
ただ、春樹だった時もあまり頻繁にはしなかった。溜まったなーって思ったら定期的に抜くくらい。
仕事が増えたらその分余計に淡泊になってしまった気がする。
だから、ただ擦ることしかできずにいて……右手にテクなどない。
擦るのにイキたいって、そこまで高まってるのにイケない。
まあ、冷静になればイケないって知っているんだけど。だって、何度も言うけど精通してないんだから。
でも、イク=出すって頭しかないわけ……知識ではその後ろを使ったり前立腺を刺激するとか……知りたくもない知識は山のようにあるよ。でも、経験はないわけ。
ああ。
神官たちの何かの魔法でってのは……その時、頭にはなかったよ。
ただ小さな子が腕の中で、自分のチンチンを擦り続ける異常を目の当たりにした兄は、気持ち悪かったんじゃないかな?
「ハル、やめて。血が……。」
やめたいよ。
でも、だめ、イキタイノ。
イカナキャ、コワレソウ……。
イタイ、デモ イキタイ……。
イキタイ、デモ イケナイ……。
ドウシタラ……。
目の前には兄の顔が。
そうだ。兄はいつもハノエルを助けてくれた。
だから、今度も……。
「に、ちゃ、ハル、を、たちけ、て、ハル、めちゃ、くちゃち、て……。」
「ハル!」
俺は自分から兄へキスをした。
ただ、この狂いそうな状態から助けてくれることを祈って……。
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