乙女ゲームにこんな設定いらなくない?〜BL(受)の声優は乙女ゲームに転生する(泣)〜改

十夜海

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第三章 え?本当?迷惑少女は突然に?

ナナジュウハチ

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兄が帰ってくる時間になったようだ。

「ただいま、ハ~ル~。」

扉からベッドにダイブするような勢いで兄が帰ってきた。

「兄様、お帰りなさい。」
「具合はどう?」

たぶん、顔は真っ赤だと思う。

だってさ。
最後の方というか、途中はなんだか自分からねだった気もする。
所々恥ずかしい言葉が出た気もする。
……セリフならいくらでも言えるけど、いざ自分の意思で言ったものはすごい羞恥で……昨日の俺は削除してしまいたいくらいで。
でも、ないことにはしたくない。

でもね?
だからこそ、年長者の兄がねえ?
もう少し……自重してくれてもいいんじゃないかな?と思うわけさ。そう思わない?

じっとりとした目で兄を見る。
でも、兄にはどこ吹く風で……。

「……動けないのです。」

そうなんだよ。
そう、動けないんだよー。
まいったよねー。
本当にさー。加減というものを知らないのかなあ?
兄はご機嫌マックスで、俺のジト目を全く気にしない。

「ごめんね?」

と言って、顔中にキスの嵐を受ける。
……怒れないよね。
ずるいんだから。
チュッチュしながらさー、大好きって何度も言われたらさー、怒るなんてできないじゃん?
嬉しいって、おもっちゃうじゃん?
……惚れた方が負けというけど、相思相愛ならどーなるのかな?
お互いがお互いに勝てないねえ。
まあ、兄には勝てませんよ。
だって、だって、好きなんだからっ!

「ごめんね。つい、可愛すぎてボソッ………エロすぎて。」
「兄様、最後なんて?聞こえなかったです。」
「ん、まあ気にしなくていいよ。ハル、痛いところは?」
「痛いのは腰くらいかな?」

あそこはまだ、なんか挟まってる感じかあるけど………言えるか!
でも、痛くはないんだよね。
だるくて力が入らない感じなだけ。

「そう、さすってあげるね?」
「んー、大丈夫です。」
「あ、そうそうトイレは行きたくなったら言ってね?私が連れて行くから。」
「そ、それはクリーンできるから。」
「でも、アズリアがあんまり魔法を使わない方がって言ってたよ?」

そうなんだよー。この手のことには、魔法は使わない方がいいんだって。
回復魔法すると、体が受け入れることになれないから……慣らす意味でもだめなんだってー。

「でも……。」

でも、お願い。トイレは嫌だ……。
嫌なんじゃー。

「いい子だからね?」

兄の心配顔を無視できない自分が恨めしい。

「……はい。」
「ん、良い子。」

満面の笑顔で俺を撫でる兄。
それを嬉しいと思ってしまう、俺の負けだよね。
はあ、また負けてしまいました。

「そういえばねえ。今日もあの迷惑な子がいたんだよ……。何を考えているのか……学園に忍びこんですぐに捕まったよ。
……たぶん、かなり厳しく処罰されるんじゃないかな?
弱いけど、攻撃魔法も放っていたからねえ。」
「は?あの子がいたのです?」
「そう。まったく迷惑だね。」

しつこいのか。
でも、ゲームを知っているなら……まだ開始される年じゃないって知ってるだろうに。
でも、あんなに何度も捕まるんじゃ、才能がもしあったとしても……学園に入るのは無理じゃないのかな?だって、素行が悪ければ授業料無料になんか無理だよ?
唯一、入れるとしたら多額の授業料にプラスして、かなりの寄付金でもしなければ……受け入れてもらえないんじゃないかと思うんだよね。
まあ、もしヒロインが学園に入らなかったら!
それは、とても嬉しい誤算となりますけどね。

「まあ、私は近寄る気はないけれど……。気持ち悪いのが私の名前だけでなく、いろいろな方の名前を連呼するところかな。
なぜ、知っているのか……気持ちが悪いね。」
「いろいろな方の?」
「そう、貴族で社交の場であっているならまだしも。たぶん低層で暮らしているであろう平民が、何故あんなにも貴族の子女の名を知っているのか?
そして、なぜ、勝手に呼び捨てているのかがわからない。
普通は貴族の名を呼び捨てるなど、ありえないだろう?
まあ、頭がおかしいのかもしれないね。
『私はヒロインなんだから』とか訳のわからないことも叫んでいたから。
ハルは会っても絶対に近寄ってはいけないよ?
どんなに弱い魔法でも怪我をするかもしれないからね?」
「はい。」

もちろん、絶対に近寄りません。




――――――――――――

注) 犯罪は推奨していません。万引きはだめ!絶対にだめ!




Side ヒロイン(仮)

あたしの名前は、叶幸かのうゆきというのよ。
そう、あの大好きな『マジカルマジカルラブリープリンセス☆』という乙女ゲームの主人公のサチと漢字だけは一緒。
だからゲームはいつもそのままの名前でプレイしたの。
あたしがこのゲームをプレイしたのは17歳の時。
え?ゲームの対象年齢?
そんなのパクれば大丈夫よ。
犯罪?捕まらなきゃ犯罪じゃないわ。だって、被害者も気づかなければ訴えられないもの。
欲しいものが買えないんだからしょうがないわ。
だって、お小遣いなんてあっという間になくなるし、バイトなんかしたら遊ぶ時間ないじゃないの。
でも、流行にものりたいじゃない?
だったら、欲しいものは貰えばいいわ。

でね?この好きな乙女ゲーム。
すんごいエッチィーのだけど。
あたしね?ハーレムエンドにしたくてがんばったのよ?
でも、難しいのよ!
特にカレイドが!
何周したか、しれないわ。

で、トルゥーエンドも難しいのよねー。
まあ、それでもやり込んだからとりあえずは、だいたいコンプしまわ。
でね?なんかこれBL仕様もあって、それの隠れムービー?がエロエロなんですって!
みたいじゃない?
そしたら、あたし実は買えるはずだったみたいなの!
あー、ダメだったーって、すぐにリセットしてたんだけど!
そこにあったみたいで、友達にバカにされたのよ!
まだ見てないの?って。
これ、人気なエロ声声優の最後の声って話で、人気らしいのよ。
もう、見るしかないじゃない?
でも、ゲーム機が壊れたのか作動しなくて!
で、急いでゲームショップいったの。もちろん、パクるために。
そしたら、その時に限って見つかっちゃって……逃げたのよ。
で、追っかけられて………赤だったけど、人なんだもの、車は止まるもんでしょ?
……バーンって、跳ねられで死んだみたい。
最低な車よね?
事故ってもあたしを避けなさいよ!って感じ。
もう、失礼しちゃうわ!
で、気がついたこの世界にいたの。
そしたら、学園のある王都じゃないの!
で、あたしは幸だったわ!
ヒロインよ!
結局その、おまけムービーは無理でも……イケメンとエッチできるなんて最高だし、聖女だったか、巫女だったかになれば、遊んで男侍らせて暮らせるじゃない?
王子が相手なら、やだ、王妃になれるじゃないの!
贅沢三昧に暮らせるわ。
カレイドだって、公爵だし。
ふふ、なにそれおいしいじゃないの。
でも、何故かしら?
少しだけ話がズレてるの。
あたしの記憶ちがい?
あたしは孤児になるはずなのに、あたしとそっくりな考えの父母が死んでないのよね?

まあ、いいわ。
そのうち、男爵が迎えに来るはずだし。
あーでも、迷うわー。
誰にしようかしら?
……ザッスもいいわー。
やっぱり王道?
王子もいいわ。

見かけたけど、カレイド、やっぱりかっこいいわ!
今のうちからみんなに唾つけとかないと!
そうそう、やっぱり『ハノエル』は可愛かったわ。
アレで男とか……BLのために生まれたみたい。まあ、春樹の声なんだったわよね。
春樹エロ声だしね。
イベントでもっと苅野とかキワドイコトして欲しかったわ。
裸に剥いちゃうとかさ。
あ、でも輪姦とか生で見れたりするかも。
カメラ用意しておかなきゃ。
ふふ、楽しみ♡

まあ、あたしはヒロインだからBLは高みの見物ね。
あたしのかわりに沢山モブに抱かせちゃおうっと。

でも、開始まで待てないわ。
みんなあたしに夢中になるんだもの開始が少し早くてもいいわよね?

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