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第四章 ありえないよね?不憫なのはハノエルだけじゃないのかも・・・
ヒャクニジュウハチ
しおりを挟む今日からまた兄は学校に行くことになる。
わかっていたことだけど……なんだか、ちょっと寂しい。
本当は玄関ホールまでお見送り出来たらいいのだけど……ね?
たぶん、そこで兄と別れた瞬間から震えが止まらなくなること請け合い!
また、兄に部屋に送ってもらうことになるから意味がないのです。
難儀な体や。
ので、お部屋でお見送りしました。
姉もこちらの生活に慣れて、貴族の付き合いも頻繁になってきた。
だから、一日中引きこもり生活のハノエルにつか合わせるわけにはいかない。
だから、一人で部屋で過ごすしかない。
まあ、一人って言っても一人ではない。
セバス、ルイくん、セシウス様と猫たちは一緒だ。
仕事の邪魔をするわけにもいかないけどね。
だから仕方がないので本を読むことにした……が、色々なことが浮かんでしまい集中ができない。
頭の過ご隅になんか忘れてることがあるんだよね。
でも、思い出せない。
もう、ここはゆったりと座って思いに身を委ねようと思う。もしかしたら思い出すかもしれないしね。
って、考えただけなのに暖かな暖炉(この体は冷えやすいのですよ)の前にふわふわのラグが敷かれ、クッションと毛布が用意されていた。それも座椅子っぽい低い寝椅子のようなものまで置かれている。
……セバスは、忍者で読心術まで使えるようだ。
スペック高くない?
部屋の中だけなら歩き回ってもいいって言われていたので、いざベッドから降りようとしたら。
「失礼します。」
とセシウス様に抱き上げられてしまった。
使用人の中でセバス、ルイくん以外はセシウス様なら抱っこされても大丈夫だった。
声の力、恐るべし。
でも、どうやらセシウス様は転生者ではないらしいです。
やたらめったら転生者でも困りますがね。
でも声はあの方なのにねえ、残念です。
優しくもふもふな場所に下されると、小さなミニテーブルに柔らかなめの焼き菓子とお茶が用意された。
「では、ごゆっくりとお寛ぎくださいませ。」
『はるちゃーん、もふもふ~暖かだねー。』
セバスが頭を下げて後ろに下がり、セシウス様も頭を下げると扉まで下がる。
ルイくんも俺の世話係りとして、側に控えている。
でも、三人とも『空気』なの?ってくらい全く気にならない。
どうもこの三人は気配を消せるらしい?わからんけど。
横にはセバスと入れ違いにやってきたヴァルが毛布をふみふみしていた。
うん、可愛い。
なんで猫のふみふみ行為はこんなにも可愛いのだろう。
ちなみに姉猫二人は暖炉のそばの籠ベッドで丸まっていた。
今日は少し肌寒いから猫には寒いのかもしれない。
俺はモコモコだしね。
ナニがって、服がよ。
魔法で温度も調節することもできるけど、暖炉ってなんかいいじゃない?
だから、こうゆうとこはこのままがいいよね。
ぬくぬくとして、お茶なんてしていたら眠ってしまいそうだ。
でも、聞いたことや知ったことなんかを整理しないと姉を家族を守るためにも。
どこに落とし穴があるかわからないし。
そう、あの変態じじいのように。
兄に認めて貰えるだけでポジティブになれるとか、ハノエルはチョロすぎるんだろうか。
兄は言った。
『たとえ、どんなことがあってもどんな目にあっても、俺はハノエルでもあり春樹でもあるお前を絶対に離さない。
死が二人を分かつまで……いや、死んでも会ってるんだ。死しても絶対に離さない。
だから、信じてほしい。俺の気持ちだけは変わらないって!』
ある意味、ヤンデレってやつだけど!
嬉しい。
離さないって。
俺もずっと側にいる。だから、もうなんだか大丈夫って思えるわけで……我ながら単純ですな。
兄が言うにはセバスには本当に守華がいたらしい。
俺も出来たら正気の時に直接会いたかった。
セバスの声でセバスの姿だったとしても。
守華の美声が聞けないのは残念だけども。喋り方が守華ならいいんだもん。
でも、確かに言葉は聞いたから。
あれが本当に守華なら……嬉しい。
だって、ずっと好きだって言ってくれた。兄ちゃん大好きって。
守華はずっと春樹を守ってくれていたって。
だから、ありがとうって伝えたかったな。あと情けない兄貴でごめんって。
シスコンの春樹としては、最高の言葉を貰えた。
だから、後は妹の幸せを祈るだけだ。きっと、でも大丈夫だと思う。
あの子はすごいから。
すごく強いから。
でも弱いところもある。
だから!
だから、願わくは弱い部分を補って守ってくれる守護者が守華に出来ますように。
神様!そこのところお願いします!
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