18 / 124
第一章 マジ異世界ですね
No.18
しおりを挟む「でもさあ、おじさん。名前も名乗らず(スマホで知ってたどさ。)ちょーっと失礼じゃない?それとも、私たちが子供だとか、庶民だとかで見下してるの?」
と腰に手をあてお説教モードだ。
「ん?知らんのか?やはり、勇者だったとはいえ、認知度すくねーなあ。まあ、最近は仕事してないしな。すまなかったな。遅くなったが俺はロドリヌス。元勇者だ。」
「そうなんだ。私はソカ。妹はショウ。でもね、私たちはおじさんに付き合う気はないんだよ。」
そこに静かに静観していた……いや、口をはさめなかっただろう、団長さんの隣にいたちょっと偉めの人かな?って感じの人が加わってきた。
「いやいや。お嬢ちゃん。ロドリヌス様ほどの方の種を貰うなら、皆喜んで足を開くんじゃないかな?君たちも魔力だけは高い…「「ふざ(じゃ)けんな!」」
ふざけるな!奏歌と私の声が重なる。うら若き娘を前に何ちゅうことを言うんじゃ、このオヤジは!
そして、それは意外な人に火をつけた。
「元勇者だろうと、なかろうと。女がすぐ足を開くと思ったら大間違いだよ!全く。
ソカ、ショウ。練習にあまりならなかったが、胸糞悪い。帰ろうぜ。」
「らにゃんしゃん。」
「ラナンさん。」
「それだけ魔法が使えるなら、実践で大丈夫だよ。あたいが一緒に行ってやるし、二人くらい楽に抱っこできるから安心おし。
さ、こんな馬鹿な男どもはほって帰ろう。」
「「うん。」」
「いや、まてまてまてまて。」
なんか、ロドリヌスが呼び止めるが無視だ。
私をラナンは抱っこしてくれて、奏歌の肩を抱いて歩き出す。
だって、ラナンは相棒のミリオンさえ、丸っと無視だもんね。
ラナンはかなりご立腹みたいだね。
ウンウン。私らだってご立腹だ。
私らが振り返ることもないとわかると、ロドリヌスが走って前にまわりこんだ。
あんまり、しつこかったら魔法を使おうと決意する。
「わかった。悪かった。」
「「「おい、ロドリヌス様が謝って……。」」」
周りがざわつく。
私ははっきり言って、めんどくさいの一言だが。
仕方ない。たぶん、はっきりきっぱり言わなければ、この男は引かないだろう。
「らなんしゃん、ちょっととまって。」
ラナンが溜息といっしょに止まってくれた。
あ、魔法で言葉を普通にできないかな?幼児の喋りは疲れるし、相手に伝わらなかったりする。
今回はきっぱりはっきり言いたい!
とゆーことで、んー?と口に魔力を集める感じで……。
「あのね、ロドリヌスさん(おー、できた!でも、疲れる)。あなたがどんなに偉くても、ソカやわたしには関係ないの。
初めて会ってだよ?いきなり子供を産め?バカにしているの?それとも、身分のない子供だから、自由になると思ったの?
それも魔力が高いからとか!ありえないね!
だったら探せばいいじゃない!
きっと、貴方みたいな『ゲス』な考えに賛同してくれる女性も、どこかにはいるかもしれない。その馬鹿な男たちと同じようにね。
でも、あたしとソカにそれを求めないでちょうだい。
もしも、次にあったときに、同じことを言うなら……あたしは死ぬ気でお相手するわ。自分の全ての力を使ってあなたを殺してあげる。ソカを守るためなら、私は一切手加減なんかしないから!」
にっこりと笑うと、周りがシーンとなる。あ、奏歌まで?なんでよ。ああ淀みなく喋ったからかな?
まあ、いいや。
しかし、この魔法はとても疲れることがわかった。
「らなんしゃん、つかれた……。」
「え?あ、言葉……。」
「まほうつ、かったのー、つかれた。これ、ものちゅごくつかれるみたい。」
ああ眠気が……体力を根こそぎ持っていかれた感じだ。
でも、今は眠っちゃダメだ。
「ママ、大丈夫?」
「ん、もう、やどにかえりたい。」
「ああ、そうだね。行こう。というわけだから、ミリ、ハロルド、ハリー。あたしらは宿に戻るよ!早いけどね。」
そして、その練習場をさっさと後にした。
私はラナンの揺れる抱っこに、そのまま眠ってしまったみたいだ。
気がついたら、ベッドにいた。
ソファではラナンと奏歌が笑いながら喋っていたから、とりあえずは無事に部屋に戻れたらしい。
よかった。
ちくしょう。
……あのオヤジのせいで、ほかの属性も武器も試せなかったじゃないか。ムカつくな!
この世界、やはり強い男が頂点にいるのだろうか?
これはきちんと確認せねばなりませんな。
まあ……でも男尊女卑じゃないだけマシかもしれないけどさ。
でもね?
びっくりなのは……男の誰もロドリヌスの言葉を否定しなかったことなんだよね。
つまりさあ、どうゆう意味かと言うとね?
幼児であっても『子供を産め』って言われるのがおかしくないってことになるわけよ。
まあ、育ってからとみたいなことをほざいてはいたけども。
10年とか馬鹿なことかいってたよね?
でもね?
13はまだ子供しょーが!やっぱ、馬鹿なの?
だって16が成人なんでしょう?
もしかして、未成年でも子作りありりってこと?
ならば……奏歌の守り方を少し変更して頑張らなければならないってことだよね?
マジかよ!
ほんと、馬鹿なの?って思っちゃう!
違うか、脳筋ばっかなのかもしれん。
皆んな無駄(ではないけども)にマッチョだし、ゴリマッチョだし!…頭の中もマッチョなんだきっと。
あー、もう!イラつく!
でもね、私の最優先事項は、奏歌なのですからね!
もちろん、なにかしてきたら私たちのすることは、
①暴れ尽くす!
②逃げる
のどちらかですよ!
まあ、②が妥当ですけどね?
10
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
神様、ちょっとチートがすぎませんか?
ななくさ ゆう
ファンタジー
【大きすぎるチートは呪いと紙一重だよっ!】
未熟な神さまの手違いで『常人の“200倍”』の力と魔力を持って産まれてしまった少年パド。
本当は『常人の“2倍”』くらいの力と魔力をもらって転生したはずなのにっ!!
おかげで、産まれたその日に家を壊しかけるわ、謎の『闇』が襲いかかってくるわ、教会に命を狙われるわ、王女様に勇者候補としてスカウトされるわ、もう大変!!
僕は『家族と楽しく平和に暮らせる普通の幸せ』を望んだだけなのに、どうしてこうなるの!?
◇◆◇◆◇◆◇◆◇
――前世で大人になれなかった少年は、新たな世界で幸せを求める。
しかし、『幸せになりたい』という夢をかなえるの難しさを、彼はまだ知らない。
自分自身の幸せを追い求める少年は、やがて世界に幸せをもたらす『勇者』となる――
◇◆◇◆◇◆◇◆◇
本文中&表紙のイラストはへるにゃー様よりご提供戴いたものです(掲載許可済)。
へるにゃー様のHP:http://syakewokuwaeta.bake-neko.net/
---------------
※カクヨムとなろうにも投稿しています
貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。
黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。
この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。
『急所』を突いてドロップ率100%。魔物から奪ったSSRスキルと最強装備で、俺だけが規格外の冒険者になる
仙道
ファンタジー
気がつくと、俺は森の中に立っていた。目の前には実体化した女神がいて、ここがステータスやスキルの存在する異世界だと告げてくる。女神は俺に特典として【鑑定】と、魔物の『ドロップ急所』が見える眼を与えて消えた。 この世界では、魔物は倒した際に稀にアイテムやスキルを落とす。俺の眼には、魔物の体に赤い光の点が見えた。そこを攻撃して倒せば、【鑑定】で表示されたレアアイテムが確実に手に入るのだ。 俺は実験のために、森でオークに襲われているエルフの少女を見つける。オークのドロップリストには『剛力の腕輪(攻撃力+500)』があった。俺はエルフを助けるというよりも、その腕輪が欲しくてオークの急所を剣で貫く。 オークは光となって消え、俺の手には強力な腕輪が残った。 腰を抜かしていたエルフの少女、リーナは俺の圧倒的な一撃と、伝説級の装備を平然と手に入れる姿を見て、俺に同行を申し出る。 俺は効率よく強くなるために、彼女を前衛の盾役として採用した。 こうして、欲しいドロップ品を狙って魔物を狩り続ける、俺の異世界冒険が始まる。
12/23 HOT男性向け1位
クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?
青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。
最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。
普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた?
しかも弱いからと森に捨てられた。
いやちょっとまてよ?
皆さん勘違いしてません?
これはあいの不思議な日常を書いた物語である。
本編完結しました!
相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです!
1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…
いきなり異世界って理不尽だ!
みーか
ファンタジー
三田 陽菜25歳。会社に行こうと家を出たら、足元が消えて、気付けば異世界へ。
自称神様の作った機械のシステムエラーで地球には帰れない。地球の物は何でも魔力と交換できるようにしてもらい、異世界で居心地良く暮らしていきます!
クラス転移したら種族が変化してたけどとりあえず生きる
あっとさん
ファンタジー
16歳になったばかりの高校2年の主人公。
でも、主人公は昔から体が弱くなかなか学校に通えなかった。
でも学校には、行っても俺に声をかけてくれる親友はいた。
その日も体の調子が良くなり、親友と久しぶりの学校に行きHRが終わり先生が出ていったとき、クラスが眩しい光に包まれた。
そして僕は一人、違う場所に飛ばされいた。
『収納』は異世界最強です 正直すまんかったと思ってる
農民ヤズ―
ファンタジー
「ようこそおいでくださいました。勇者さま」
そんな言葉から始まった異世界召喚。
呼び出された他の勇者は複数の<スキル>を持っているはずなのに俺は収納スキル一つだけ!?
そんなふざけた事になったうえ俺たちを呼び出した国はなんだか色々とヤバそう!
このままじゃ俺は殺されてしまう。そうなる前にこの国から逃げ出さないといけない。
勇者なら全員が使える収納スキルのみしか使うことのできない勇者の出来損ないと呼ばれた男が収納スキルで無双して世界を旅する物語(予定
私のメンタルは金魚掬いのポイと同じ脆さなので感想を送っていただける際は語調が強くないと嬉しく思います。
ただそれでも初心者故、度々間違えることがあるとは思いますので感想にて教えていただけるとありがたいです。
他にも今後の進展や投稿済みの箇所でこうしたほうがいいと思われた方がいらっしゃったら感想にて待ってます。
なお、書籍化に伴い内容の齟齬がありますがご了承ください。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる