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第二章 異世界というものは
No.17
しおりを挟む「あの、いまちゃらなんだけど。
ごちょくとか、ななしょくとかってなに?」
やっぱり聞いておこう。こればかりは、ゲームやラノベにはなかったもの。たぶん?ってことはわかるんだけど。
「そこも知らないのか。……魔法色だな。まあ、見える奴はあまりいないが魔法の属性にはそれぞれオーラに色があってな?
まず、基本的には魔力はすべての人間が持つ。多い少ないで力が使えるかどうかになる。
そしてこれらはすべてが無色のオーラだ。純粋な魔力のみだということだ。
この魔力は、力が弱い。
故に、純粋な魔力のみで使えるのは、魔石によって作られた道具を動かすくらいになる。この力が一般の人間の魔力の力だ。
つまり、魔法を使うのはとても難しいし、魔力量と魔力の強さが必要になるわけだ。
まあ、訓練すれば呪文の力を借りて簡単に焚き火に火をつけたりくらいはできるようになる……という程度までにはなれる。所謂、生活魔法というやつだ。
でだな。
攻撃魔法を操れるほどの魔力を持っているものは、基本的に色持ちと言われる。色持ちというのは、つまりオーラに色があるということになる。
色持ちは、使える魔法の魔力が高い。故に、その色のオーラに特化する。もちろん、詠唱しだいではもちろん他の魔法も使えるが、火の属性のやつが水の属性の上位魔法を使えることはない。まあ、魔法ランクが低ければ火属性であろうが、火の最高ランクは難しいがな。」
と、ロドリヌスの話は続いていった。
つまり、
火→赤
水→青
土→黄
風→緑
闇→黒
光→金
無→紫
純魔力→無色
だということ。
7色とは、すべての属性を使えるということらしい。
たしかに私はすべての属性を持っていた。
奏歌は、五属性だった。闇と光が確かなかったはずだ。
「これは、誰でもわかるの?」
「色と魔力の関係は、この国では誰もが知っている。しかし、オーラが直接見える奴はそうはいない。ただ、魔力が高いと鑑定石で相手のステイタスを見ることができる。ただし、基本見えるのはギルドカードとかわらない程度だ。だが、レベルにかなり差がある場合、上の者は下の奴のステイタスは全て見えることがあるから注意が必要になる。
まあ、ランクやスキルなとも影響してくるから、全てが絶対というわけではないがな。」
……つまり、ロドリヌスが鑑定石を私らに使うと……ステイタス丸見えってことになるかもしれないのか……そこは、ロドリヌスを信用するしかないわけかな。
「まあ、勝手に見るのは敵や利用しようとしてるやつくらいのもんだがな。
まあ、鑑定石も高価なものだし。兵舎や騎士団、王城や教会。あとはギルドくらいにしかないはずだ。わりと貴重なものではある
し。
その上、石の質によっては読む方のレベルが高くても読めるステイタスに限りが出てくるしな。」
ほうほう。でもやっぱり、鑑定石は注意しなくてはいけないということだね。
まあ、そこは要注意事項にいれておいた方が良さそう。スマ鑑(奏歌とスマ鑑と決めた。縮めただけだけど)に相手が鑑定できるかどうか、わかると助かるな。
今後、便利にしていくと言ってたけど。今一、私はスマホを使うことに気づかない。まあ、そこは奏歌頼みだ。やはり、当たり前にスマホがある世代と大人になってから手に入れた者の差だろうなあ。
さらに話を聞き進めていくと魔法の呪文自体はあるにはあるが、魔力がさほど高くないが属性を持っているため勉強して覚えて使えるようにするためらしい。まあ、さっき言っていた火属性が水属性を使うとかそういう時ってやつだね。
『火なる精霊よ、我に糧をもたらすための火の子をここへ。』
というのが、冒険者中でも魔力の小さなものが使う焚き火のための火の魔法らしい。大抵が、武器で戦うが相性のいい魔法力というのがあって、それがいわゆる属性持ちってことになるらしいのだ。呪文で使うのは魔道具がない時みたいだけど、マッチくらいの火を灯すとかはわりとできる人間は多いそう。そんな感じでも魔力量が少ない冒険者には命取りになる場合があるらしい。つまり、私がシャルに魔力を吸われだ時に眠くなるようにだ。私は魔力量が多いため、眠くなるで済んだが、普通は枯渇すると意識を失い死んでしまうこともあるらしい。
無色の人でも、火は想像つきやすいし、火の元の魔素とかいうものは多く存在しているみたい。
でも、攻撃できる力になると無色では皆無になるみたいだ。
攻撃魔法の小さいものを私たち色持ちは安易に使えるが……魔力量やランクで同じ魔法でもかなり威力が違うという。
私たちがファイヤーボールくらいに思った小さな炎のボールは『火なる力よ、我に集いて炎をまといし石となれ!』という呪文が基本らしいんだ。
ただ、これをイメージしてやっていくうちに自分なりの呪文にしていくみたい。
ロドリヌスは、『火弾』だけで発動するそうだ。
ミリは、『踊れ火なる弾よ。』だって。……呪文にも性格出るんだね。
まあ、この世界の魔法はイメージが大事らしいので自分で使いたい魔法を言葉に乗せるようにするという。『どんなかなあ』とゲームのイメージで使った魔法は……たしかにゲーム通りだったけど、威力が半端なかった。
ゲームの魔法は派手だもんね。当たり前か。
つまり、自分でイメージしたものを言葉にする方が確実だという。
私らのように、ただ言葉を真似るだけだと普通は発動しないんだけど、ゲームで知っていたのと異世界人だからかもしれない。
だから、アニメ映像みたいな感じにチュドーンッてなったのかな?ほら、ゲームやアニメなんかはさ、チュドーンッてなってもかすり傷とかで、済んでたりするじゃない?ゲーム、アニメは派手で済むけど……現実ではやばいことになるってことだよね。
と、やはり映像と現実の違いは恐ろしいわけで。
「じゃ、厨二病全開でやれば、いいのかもね?ママ。」
「だね、ソカ。というか、ソカさん、ママにもどってゆ!」
うわー、言葉がもどかしすぎる!
いい加減、言葉をどーにかしたいよ!
「で、まあ属性やイメージの話は大丈夫だな?
ああ、言葉だったな。普通は、まあ異国の言葉を理解するために使うんだが。これには、レベルだけでは無理だ。かなり高いランクが必要になる。もちろん、レベルもある程度必要だぞ?
ただ、俺でも呪文の助けが必要な魔法でな。
というか、呪文がないと難しい魔法だと聞いた。だから、安定しないのかもしれんし、ランクが足りてないか、レベルが足りてないかだ。
とりあえず、使ってみるか?その話し方も可愛いが……喋るのに疲れていても仕方がないだろう?」
「うん。ちゅかう!」
「じゃあ、俺の後に続け。自分の本来の言葉使いをイメージしてな。これは『言の葉』の魔法という。
では、『理の定めし、」
イメージを固めるために、目をとじた。そして、ロドリヌスに続く。
「こちょわりのさだめし、」
「『言の葉を有するが如く、」
「ことのはをゆうちゅるがごとく、」
「『われに言を与えたもう。』」
「われにことをあたえたもう。」
母として奏歌と会話していた頃を思い浮かべながら、ロドリヌスの言葉を復唱していった。
言葉をいい終わると、口元から熱が集まりだしその熱は
頭に体にと広がった。
後に聞いたところ、紫金の光に体が包まれたそうだ。わたしには、熱しか感じなかったけど。
まあ、目を閉じていたしな。
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