娘と二人、異世界に来たようです……頑張る母娘の異世界生活……ラブ少し!

十夜海

文字の大きさ
44 / 124
第二章 異世界というものは

No.21

しおりを挟む


ラナンたちが出かけていって数日が経ってしまった。
私たちは、その間変わらずロドリヌスたちから『この世界』のあり方や、魔法を教わっていた。
ロドリヌスたちから、そろそろいいだろうとクエストを受けてみることにした。
この間みたいに、たまたまのを売るんじゃなくて、ちゃんとしたやつね。
そう、受けたのをこなすってやつ。
周りはたぶんロドリヌスたちが手伝って闇スライムを倒したと思ってるんだろうなあっておもうしね。
ギルドカードにはちゃんと倒すとそれがレベルにつながるらしい。倒したモンスターというか、魔物や魔獣……時には敵対した人間までギルドカードにデーターとして残るとか……つまりは人殺しかどうかって、わかってしまうわけさ。なんか、すごいハイテクだよね。
……ただねえ。人を殺しても功績として残るのことがあるわけよ。そう……国同士の戦い、いわゆる戦争に関してってのは、世界が変わっても変わらないね。
まったく、嫌なものです。それ以外は、基本『悪い奴ら』は捕獲です。懸賞金がつくってやつ?警察がいないせかいですからねえ。
捉えるのは『国』の『王』なわけ、で騎士団とかが働くらしいけど。実際には捕まってからの管理や処罰がそこで下されるらしい。だいたいが捕まえてくるのは、クエストで冒険者みたいよ。

あ、脱線しちゃった。

まあ、だからクエストを受けていなくてもレベリングされたのは、反映されるんだとか言う話なんだ。
ただ、ギルドランク自体はどれだけ難しい高ランクのクエストをこなすかにかかるから、実際には低く見られがちだったり、逆に高ランクのカードを持っていてもレベル自体はそこそこだったりなんてこともあるんだって。まあ、私たちは前者だね。
請け負うことによってって上がるってこと。
でも、流石にAランク以上は認定試験が必要なんだってさ。
よくわからないけど。
まあ、そのくらいまで上がったらまた講義してくれるっていうから、それまで待つことにする。
Cランク以上に上がれないと受けられないクエストもあるそうですので、またランクが上がったら教えてもらうことにした。そう、今回のラナンたちみたいにね。『ランク』が必要なわけ。
魔石取りとかは、別にスライムじゃなくても出てくるアイテムらしいので、もっと弱い闇系魔物を倒せばいいというんだ。
ただ、闇系は夜の森に出るのは変わらないんだってさ。だから、闇系は、難易度はそこそこみたい。
ただね?
スライムたちの魔石は、純度が高く質がいいらしいんだよ。だから人気がたかい。
でも他の魔石とは見た目はあまり変わらないから、どの魔物の魔石かは、ギルドにしかわからないみたい。あ、魔力が高くて魔力を探知できちゃう人はわかっちゃうよ。つまりロドリヌスには、わかってしまう。
もちろん、他にも採取クエストはあるんだけどね。
まあ、最初のクエストにありがたなよくある薬草に始まって、なかなかみつからない薬草やキノコだったり。魔獣の牙とか骨とか皮とか……。魔物だとゲームみたいなドロップアイテムっての?になるんだけどさあ、魔獣の牙やら皮やらは、自分で捌かなきゃいけないだってさ。……うー、なるたけ魔獣のクエストは受けたくないかなあ。魔物は、ゲームと同じでドロップアイテムに変わるというか、魔石に変わる。それぞれの属性のね。

で、まずはコテ始めですね。

「ショウ、これなんか良くない?」
「うーん、炎のスライムかー。難しいって言われない?」
「でもさ、見てみたいなって。どんなかな?炎のはスライムの中でも下の方なんじゃないの?」
「まあ、そうだな。炎ならな。大丈夫だろ。」

とロドリヌスの言う『大丈夫』は、倒せるだろうではなく。私ら二人が倒しても疑われたり過度に仲間にしようとされたりしないだろうってくらいのレベルって言うのかな?
なんかね、ほら自分で言うのもなんだけどね?
うちら二人、かわいい女の子じゃない?
ロドリヌスがいうには、やっぱり『かわいい女の子』って貴重なんだってさ。
女性自体が少し男性より少ないのもあるけど、華奢な女性はさらに輪をかけて少ないんだとか。
この世界での一般的な華奢に見える女性は、うんとあの女性騎士くらいみたいだよ?
ラナンが外国人女性のサッカーとかバレーボールとかの体つきで、女性騎士は女性のボディビルダーかなあ。
うん。
どっちもおっぱいはバイーンだけどね。
あ、話を戻すね。
それで、かなりうちらはモテるらしいのですよ。
そ ・ れ ・ も ・!
変態さんに特に!もう、お前は変態ホイホイかってくらい?
なぜって?
そりゃあ、持ち運ぶのも簡単だしね。
あとは、幼く見えるわけで……この日本人特有の黄色というか、肌色の肌……の白い方なわけさ。
この世界は、色白って言われる肌の色は夏の焼けた小麦色くらい?
だから、私とソカは色白なんです。
ピーチスキンて感じで希少だって。
なわけで、よくてマスコット。
悪いと性奴隷的な仲間にしたいパーティに狙われる可能性があると、言われたのですよ。
まじ?考え過ぎじゃなあい?
と思ったんだけど……。
現在、物凄く気持ち悪い視線が集まってるわけで。
これ、ロドリヌスとミリがいるから寄ってこないだけなんだよね?
いなかったらと思うと……ちょっとゾッとするね。

「うん、ショウ。やっぱこれでいこう!」
「わかった。」
「じゃ、申し込みにいこう?」
「うん。」

貼られていた用紙をとって、カウンターに向かおうとすると、前から三人の嫌な笑いを浮かべたおぢさんたちが立ちはだかる。
まったく、ロドリヌスたちから少し離れたらこれか。

「おい、おい。二人で行くのかい?おれたちのパーティに入らねーか?大丈夫だ、守ってやるぜー?」

と言われても。大きなお世話だ。
娘はちらりとスマホを見る。

「おじさんたち、邪魔。うちらは二人で十分。」
「またまた、そんな細腕で。無理無理。」
「まだ、Fランクじゃ、その森はきついぞー。」
「俺らはCランクだからな。」

Cランクねえ。
だからなに?だ。

「大丈夫です。ロドさんとミリさんのお墨付きをもらってますから。」
「あの二人に尻拭いさせんのか?」
「ちがう!ソカと私で倒せるの!」

ガハハハと大笑いされてしまった。
まあね~見た目じゃねー、分かりますよ?そりゃあ、華奢な女性とお子様ですもん。

「なあ、助けてやるから仲間に……。」

「なあ?誰に言ってるんだ?」

とうとう見ていることに痺れを切らしたのか、ロドリヌスが割って入る。

「いや、仲間に。」
「ロドリヌス様のパーティではないのですよね?」
「ああ、パーティではない。だが、二人はバディを組んでいるし。火の草原くらいなら二人で大丈夫だ。」
「そうよ?二人で十分よ。それに、私たち二人が後見してますもの。変な虫から私たちが守りますので。」

ミリまで、にっこりと口を挟む。
笑顔が怖いって。

「そそそ、それなら……あ、安心だ。じゃ、ま、その。」

ともごもごいいながら、男たちはいってしまった。
二人とも過保護だなあ。
まあ、助かったけども。

「ロドさん、ミリさん、ありがとう。」
「ほんと、すぐに虫が寄るわねえ。」
「ああ、少し離れただけでな。」
「目が離せないわね。」
「大丈夫!いざとなったら魔法で!」
「そうね、そうしてちょうだい。」
「うん。」
「じゃ、気をとりなおして、ショウ、いこう!」
「うん。」

で、そのあとは無事にギルマスにちゃんと申し込みました。
『火の草原』で火のスライムを5匹以上討伐……赤の魔石買取。3日以内。

「じゃ、明日は朝一で出るわよ?半日くらいかかるけど。馬は乗れる?」
「?遠いの?」
「馬で半日ね。」
「乗れない。」
「じゃあ、相乗りね。」
「えー。」
「これが終わったら、馬に乗る練習か?まあ、何か足が必要だな。」

……たしかに。
この世界では、公共の乗り物ないもんね。
はあ、色々大変だなあ。
ゲームみたいな世界でもゲームじゃないもんね。
馬を手に入れました→移動スピードアップ
ってわけにはいきませんね。
コツコツとできることを増やさなきゃ。

というわけで明日からは初討伐だ!


しおりを挟む
感想 188

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

神様、ちょっとチートがすぎませんか?

ななくさ ゆう
ファンタジー
【大きすぎるチートは呪いと紙一重だよっ!】 未熟な神さまの手違いで『常人の“200倍”』の力と魔力を持って産まれてしまった少年パド。 本当は『常人の“2倍”』くらいの力と魔力をもらって転生したはずなのにっ!!  おかげで、産まれたその日に家を壊しかけるわ、謎の『闇』が襲いかかってくるわ、教会に命を狙われるわ、王女様に勇者候補としてスカウトされるわ、もう大変!!  僕は『家族と楽しく平和に暮らせる普通の幸せ』を望んだだけなのに、どうしてこうなるの!?  ◇◆◇◆◇◆◇◆◇  ――前世で大人になれなかった少年は、新たな世界で幸せを求める。  しかし、『幸せになりたい』という夢をかなえるの難しさを、彼はまだ知らない。  自分自身の幸せを追い求める少年は、やがて世界に幸せをもたらす『勇者』となる――  ◇◆◇◆◇◆◇◆◇ 本文中&表紙のイラストはへるにゃー様よりご提供戴いたものです(掲載許可済)。 へるにゃー様のHP:http://syakewokuwaeta.bake-neko.net/ --------------- ※カクヨムとなろうにも投稿しています

貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。

黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。 この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。

『急所』を突いてドロップ率100%。魔物から奪ったSSRスキルと最強装備で、俺だけが規格外の冒険者になる

仙道
ファンタジー
 気がつくと、俺は森の中に立っていた。目の前には実体化した女神がいて、ここがステータスやスキルの存在する異世界だと告げてくる。女神は俺に特典として【鑑定】と、魔物の『ドロップ急所』が見える眼を与えて消えた。  この世界では、魔物は倒した際に稀にアイテムやスキルを落とす。俺の眼には、魔物の体に赤い光の点が見えた。そこを攻撃して倒せば、【鑑定】で表示されたレアアイテムが確実に手に入るのだ。  俺は実験のために、森でオークに襲われているエルフの少女を見つける。オークのドロップリストには『剛力の腕輪(攻撃力+500)』があった。俺はエルフを助けるというよりも、その腕輪が欲しくてオークの急所を剣で貫く。  オークは光となって消え、俺の手には強力な腕輪が残った。  腰を抜かしていたエルフの少女、リーナは俺の圧倒的な一撃と、伝説級の装備を平然と手に入れる姿を見て、俺に同行を申し出る。  俺は効率よく強くなるために、彼女を前衛の盾役として採用した。  こうして、欲しいドロップ品を狙って魔物を狩り続ける、俺の異世界冒険が始まる。 12/23 HOT男性向け1位

クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?

青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。 最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。 普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた? しかも弱いからと森に捨てられた。 いやちょっとまてよ? 皆さん勘違いしてません? これはあいの不思議な日常を書いた物語である。 本編完結しました! 相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです! 1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…

いきなり異世界って理不尽だ!

みーか
ファンタジー
 三田 陽菜25歳。会社に行こうと家を出たら、足元が消えて、気付けば異世界へ。   自称神様の作った機械のシステムエラーで地球には帰れない。地球の物は何でも魔力と交換できるようにしてもらい、異世界で居心地良く暮らしていきます!

クラス転移したら種族が変化してたけどとりあえず生きる

あっとさん
ファンタジー
16歳になったばかりの高校2年の主人公。 でも、主人公は昔から体が弱くなかなか学校に通えなかった。 でも学校には、行っても俺に声をかけてくれる親友はいた。 その日も体の調子が良くなり、親友と久しぶりの学校に行きHRが終わり先生が出ていったとき、クラスが眩しい光に包まれた。 そして僕は一人、違う場所に飛ばされいた。

『収納』は異世界最強です 正直すまんかったと思ってる

農民ヤズ―
ファンタジー
「ようこそおいでくださいました。勇者さま」 そんな言葉から始まった異世界召喚。 呼び出された他の勇者は複数の<スキル>を持っているはずなのに俺は収納スキル一つだけ!? そんなふざけた事になったうえ俺たちを呼び出した国はなんだか色々とヤバそう! このままじゃ俺は殺されてしまう。そうなる前にこの国から逃げ出さないといけない。 勇者なら全員が使える収納スキルのみしか使うことのできない勇者の出来損ないと呼ばれた男が収納スキルで無双して世界を旅する物語(予定 私のメンタルは金魚掬いのポイと同じ脆さなので感想を送っていただける際は語調が強くないと嬉しく思います。 ただそれでも初心者故、度々間違えることがあるとは思いますので感想にて教えていただけるとありがたいです。 他にも今後の進展や投稿済みの箇所でこうしたほうがいいと思われた方がいらっしゃったら感想にて待ってます。 なお、書籍化に伴い内容の齟齬がありますがご了承ください。

処理中です...