娘と二人、異世界に来たようです……頑張る母娘の異世界生活……ラブ少し!

十夜海

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第二章 異世界というものは

No.51

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沢山の食べ物を前にして、見るだけでおなかがいっぱいになりそうだ。
とりあえず、私は供え物程度の野菜から手をつけた。
ん、シャクシャクしていて美味しい。
大根のような食感だけど、レタスのような味がする。
初めてみた野菜だ。なんだろう。すごく不思議な感じだ。

「ねえ、これって、なあに?」
「ダイカサか?生食用のキノコだな。」
「……キノコ……。これが。」

まさかでしょう?

「そうだ。」

いやいやさすが、異世界だ。と食材で感じてしまうことが大きい。
まさか、キノコだとは!
人の肉や筋肉のつき方はどこにいっても変わらないとおもうんだけども。
たとえ、個人差があったとしてもね。
でも、これだけ肉を主に食べていて……よく肥えないと思うんだよね。よく動くから?
それとも脱いだら贅肉凄いんです!的な?
いや、それはないな。
だって、抱っこされるとくっつくじゃない?ロドリヌスの腿とか腹とかすごく硬いんだもん。まったくもって、ぷよぷよ的な感じはないのです。
むしろ、私が幼児特有のぷよぷよ感満載だ……前の姿でこのぷよぷよならば、運動しなくてはいけないレベルだよね。うん。
もしかしてこの世界の人は、体のつくりが全く違うんだろうか。
あ、もしかしてさあ…私もこの世界のつくりになったって神様ストーカーが言ってたじゃん。つまり、私もデブることないんじゃない?
それは、クククク、ものすごおいギフトじゃないかな?前世の世界で苦労してる皆さん、すいません。
などと、思っていたら差し出されたものに条件反射をしてしまった。

「ショウ、これも食え。」

とロドリヌスに小さな肉の塊をスプーンで差しだしたらしい。
いきなりすぎて、ふつうにあむっと食べてしまったあとに、これはいわゆる『アーン』だよな?
それも間接キスつきじゃないかと、恥ずかしくなった。
……こ、子供になったせいだよね!うん、そう、たぶん。
だから、条件反射の『アーン』だったの!って、内心でいいわけしつつ激しく焦ってしまった。
なんだか、奏歌の生暖かい視線を感じる。

き、気にしなーい。

気にしたら負けだ。って、ううすでに負けている気が……。
そして何故だか、ロドリヌスはご機嫌のようです。

少し、歯ごたえはあるけど。
今まで食べた肉のなかでは、最高に美味い肉です。
ジューシーで脂の甘みが口に広がる。日本でいうなら、和牛の最低ランクくらいかな。少し硬いから。
でも、これは焼き方の問題かもしれない。
だって、味は文句ないですもん。

ああ、私が調理したいなあ。

「ううん、おいしいけども。やっぱりママ……ショウのご飯がいいなあ。」
「ショウがここで、ご飯を作ったら……それこそ囲われそうだな。まあ、俺が許さんが。」
「えー、私だって許さないよ?だってショウは私のためにいつも美味しいごはんを作ってくれてるんだから。」

アタリキシャリキノこんこんちきだーい!
ははは、まあ昔から料理はできた。やむおえない事情ってやつだけど。
でも…奏歌ができたことでまず自分の食べてるものを気にし始めた。
そして、生まれた後は栄養があって、体に良くておいしいって思えるものをと……考えた。
だから、『ご飯が美味しいのは』奏歌がいたからにほかならない。
自分だけの時は生きてさえいければよかったから。味も栄養も考えたことなんてなかったなあ。

「ソカがいらないって言わない限り、作り続けるよ。」

そんなかんじで、珍しい食材を見ては興奮して食べた。

みんなが満足して落ち着いたころに、再度お風呂を聞かれて、一もにもなく頷いた。
ミリオンがエレノアさんを呼んだ。
どうやらラナンと一緒にはいれられないというのは、本気だったらしい。
そんなに気になるもんなのか。
まあ、ラナンが笑っているからいっか。

「では、ショウ様、ソカ様、参りましょう。」
「「はーい。」」

エレノアさんに連れられて奥の扉に連れていかれた。
さすが元勇者の部屋だ。奥に入ると広い脱衣所と呼んでいいか判らないけども……。
そこにはエレノアさんが呼んで、ロドリヌスが許可したのだろうメイドが数人着替えらしい山盛りの布を抱えていた。
しかし、私たちには一緒に入る目的以外で着替え場所に人がいるのは落ち着かない。

「着替えは自分でします。」
「ですが……、そうですわね。お前たち服を置いてお下がりなさい。」
「「「「かしこまりました。」」」」
「あのようなことがございましたのに、配慮が足りませんでしたわ。あのように怖い思いをされましたのに…………。」

いや、そおゆうわけじゃないんだけど。確かに嫌な思いはしたけど、無事だったし。
あのメイドさんたちは、ここに入ることをロドリヌスが許可してるんだから大丈夫だと思うしね。

「んと、別に昨日のがってわけじゃなくて、他人ひとに着替えさせてもらう習慣がないんだよね。うちら、庶民も庶民だしね。」
「そうなのですか?……城上がりになったものは、大抵が喜んで受け入れてるものですから、皆が望んでるとばかり。」

ああ、みんな『プリンセス思考』が高いんだね。
ま、王族や貴族の暮らしは庶民の憧れなのかも……でも、私は勘弁だ……そんな面倒くさい暮らしなんて。
静かに穏やかに暮らしたい。
………………今のところ、かなりかけ離れてますけども。

服を脱いで裸になると、エレノアさんすごかです。ビューティフルボンバーBODY!
美しさにも磨きがかかるってますね。……うらやましくなんて…………あるにきまってる。
現在私の姿は胸とおなかは同じ高さなのです。

くっ、奏歌にも完全に負けている。あたりまえだけど。

中も広くお湯瓶っていうのが三つもあって、一つがでかい。
私なら中に浸かれそうだねえ。でも湯に浸かる文化はこの世界にはないんだよね。

瓶のお湯は、どうやらそれぞれ温度が違うらしい。
贅沢だよね~というか魔力がすごいというべきなのだろうか。
この世界、魔道具と魔力でお湯や水はある程度確保できるんだけどさ。
でも、無尽蔵ではない。
だから、お湯浴びは庶民では贅沢になるらしいのですよ。
ようは、自分の魔力の量次第なのだという。
だいたいが、水を生み出す必要のない『浄化』ですませる。浄化魔法は、低レベルでできるらしい。
生み出すって、消し去るよりも魔力が必要なんだって。だから、そこまでない人は夏は水浴びに川などへ、冬は公衆浴場(そこそこ魔力があって水魔法や火魔法を扱えるものがバイト代わりにやるみたい。)にいくらしい。
だから、毎日お湯浴びしていた私らは珍しい目で見られていたみたい。

まあ、今更ですがね。

結局、瓶に手の届かない私は二人に洗ってもらう羽目になりましたけどね。
瓶、三種類にするならさ、私サイズがあってもよくないですかね?




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