娘と二人、異世界に来たようです……頑張る母娘の異世界生活……ラブ少し!

十夜海

文字の大きさ
84 / 124
第二章 異世界というものは

No.58

しおりを挟む

まあ、話しもすべて終わって……………………うん、この際神様ストーカー云々は気にしないというし(それでいいのか?とも思うが…今更でしょう?)、私たちの能力については、これから一緒に暮らすわけだし……おいおいでいいといわれた。
彼らの能力についてもある程度教えてくれるらしい。
私たちの“なぜここにいるのか?的な身上話は、一旦お開きになった。詳しい話までしていたら(ステイタスのはなしとかね?)時間が無くなってしまうし。

で、話は戻り引っ越しパーティと奏歌のBirthdayParty!

急の急なのだけども、貴族じゃない限り……ノリでやるもんだろ?っていわれた。
まあ、前世でも前々から用意するのはプレゼントくらいだ。
ご飯は半日かけたこともあったけども……今ならば魔法で時短もできそう。
煮込み料理のさ下ごしらえとかが時間かかるからなあ。

んー、電子レンジの応用できないかなあ?

確か、マイクロ波が電界を発生させて電気双極子の水分子が回転、振動で摩擦しあって熱を生み出したよね?誘電加熱ってのだっけ?
マイクロ波の仕組みまでは私にはわからないけど、要は食材の水分を分子レベルで回転させて振動させて摩擦熱を起こさせるってことだよね?いけるんじゃない?
魔法でいけちゃうんじゃない?
これでさらに時短できるじゃん。中から温めると早いんだよね……火の通りが。
と、電子レンジに思いをはせていたらば……まったく話を聞いていなかった。

「じゃ、そういうことで行きましょうか?」
「え?ど、どこに?」
「ママ、どんだけ聞いてなかったの?」
「すいません。」

まったく聞いてなかった。
奏歌に呆れたようにため息をつかれた。
ロドリヌスには苦笑されながら頭を撫でられる。こいつは、私が38歳だと知ってるはずなんだけど。……抱っこ、頭をなでるなどの子供扱いをやめないくせに……父親扱いをすればぶっ飛んだ行動性的大人扱いをするやつなのだ。……子供扱いでいいや。

「明日の食材を買っておこうって、ことになったんだよ。」
「ああ、そっか。確かにね。」

私が持っているものだけじゃ足りないだろうな。この人数だし……この頃、奏歌も食べるんだよね。こちら仕様の体だから?……マッチョになってしまうのかしら?ま、ま さ か だよねえ?マッチョな奏歌……ぐはっ、いやだ……な。

「お、おい!」

ロドリヌスの焦った声の直後にごんっと頭に衝撃を受けた。

「てててて……。」
「……大丈夫か?ショウ。」
「まったく、ぜーったいに変なこと想像してたでしょ!」

下に恐ろしきは血のつながりか……。

「ん?と、べ、べつにマッチョなソカになったら嫌だなとか、思ってないからね!」
「「「「「マッチョなソカ……。」」」」」
「そこっ!想像すんな!」
「ま……ならんだろ。」
「ならないわな。」
「んー、むりねえ。」
「ありえんわ。」
「ならねえな。」
「……うれしんだか、悲しんだか……複雑すぎるコメントありがとう。もう、ママが何を考えてソレを想像したのか…もう、いいや。どうせ、ご飯の量が増えてるとか、この世界に適用された体なんだとか……そんなところだろうから。」
「あは、あはははは。」

図星をさされて、笑ってごまかすしかないってね。

「もう、いいです。さあ、行こうよ。それでなくてもいろいろ、いろいろ、いろいろ!ありすぎて疲れてるんだから。さっさと済ませて帰ってゆっくりしたい。」
「はい……すいません。」

私も疲れてるんだけど……全部話してすっきりしたせいかな?
テンションが高め。あ、あれかな?疲れすぎると、ハイテンション化するやつ。
ちなみに仕事で疲れMAXになると、なります…私。

このままじゃいつまでたっても埒があかないと、奏歌が立ち上がるとそれに続くようにみんなが立ち上がる。

「じゃ、ロドさん。おろして。」

にっこりとロドリヌスにいうと、ロドリヌスもにっこりとほほ笑んだ。

「やだ。」
「は?」

なに、おっさんが可愛く言ってんだよ。そのイケボで、『やだ』って……やべ、かわいいとか思っちゃったよ。……私、疲れすぎだろ。

「顔が赤いな?熱か?」

って、おでことおでこがコツリとあたる。
おでこで、熱計るのは万国共通……異世界共通ナンデスネ……。

「熱はないか……。よし、じゃ、このままな。行こうか。」
「……はい。」
「ほんとに、大丈夫か?」
「ダイジョブデス。」
「そうか?具合が悪くなったら、すぐに言えよ?」

コクリとうなずくと、先に外に出ていた面々に呼ばれて、ロドリヌスに抱っこされたまま外に向かった。シャルは見えなくて短剣にいつの間にか戻っていたらしい。
っていうか、ロドリヌスよ……………………お前の行動で体調不良なんですがっ!
恥ずいよ、恥ず過ぎるよ……気まずいよ……。
でも、嫌じゃなくて……でも……………………。

――シラナイカラ……………………。

ぶんぶんと頭を振って気づいてはいけないものを頭から追い出す。

「どうした?」
「んーん。なんでもない。」
「そうか?」

心配そうな優し気な瞳を向けられる。そんな優しい真っすぐな瞳は知らない。
全てを見透かされそうで、ロドリヌスから瞳をそらした。
そしてひと際明るい声をだした。

「さあ!者ども!美味しものが食べたいなら、美味しい食材を見つけるのだ!」

というわけで、一行は市場に向かったのだった。

しおりを挟む
感想 188

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

神様、ちょっとチートがすぎませんか?

ななくさ ゆう
ファンタジー
【大きすぎるチートは呪いと紙一重だよっ!】 未熟な神さまの手違いで『常人の“200倍”』の力と魔力を持って産まれてしまった少年パド。 本当は『常人の“2倍”』くらいの力と魔力をもらって転生したはずなのにっ!!  おかげで、産まれたその日に家を壊しかけるわ、謎の『闇』が襲いかかってくるわ、教会に命を狙われるわ、王女様に勇者候補としてスカウトされるわ、もう大変!!  僕は『家族と楽しく平和に暮らせる普通の幸せ』を望んだだけなのに、どうしてこうなるの!?  ◇◆◇◆◇◆◇◆◇  ――前世で大人になれなかった少年は、新たな世界で幸せを求める。  しかし、『幸せになりたい』という夢をかなえるの難しさを、彼はまだ知らない。  自分自身の幸せを追い求める少年は、やがて世界に幸せをもたらす『勇者』となる――  ◇◆◇◆◇◆◇◆◇ 本文中&表紙のイラストはへるにゃー様よりご提供戴いたものです(掲載許可済)。 へるにゃー様のHP:http://syakewokuwaeta.bake-neko.net/ --------------- ※カクヨムとなろうにも投稿しています

貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。

黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。 この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。

『急所』を突いてドロップ率100%。魔物から奪ったSSRスキルと最強装備で、俺だけが規格外の冒険者になる

仙道
ファンタジー
 気がつくと、俺は森の中に立っていた。目の前には実体化した女神がいて、ここがステータスやスキルの存在する異世界だと告げてくる。女神は俺に特典として【鑑定】と、魔物の『ドロップ急所』が見える眼を与えて消えた。  この世界では、魔物は倒した際に稀にアイテムやスキルを落とす。俺の眼には、魔物の体に赤い光の点が見えた。そこを攻撃して倒せば、【鑑定】で表示されたレアアイテムが確実に手に入るのだ。  俺は実験のために、森でオークに襲われているエルフの少女を見つける。オークのドロップリストには『剛力の腕輪(攻撃力+500)』があった。俺はエルフを助けるというよりも、その腕輪が欲しくてオークの急所を剣で貫く。  オークは光となって消え、俺の手には強力な腕輪が残った。  腰を抜かしていたエルフの少女、リーナは俺の圧倒的な一撃と、伝説級の装備を平然と手に入れる姿を見て、俺に同行を申し出る。  俺は効率よく強くなるために、彼女を前衛の盾役として採用した。  こうして、欲しいドロップ品を狙って魔物を狩り続ける、俺の異世界冒険が始まる。 12/23 HOT男性向け1位

クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?

青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。 最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。 普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた? しかも弱いからと森に捨てられた。 いやちょっとまてよ? 皆さん勘違いしてません? これはあいの不思議な日常を書いた物語である。 本編完結しました! 相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです! 1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…

いきなり異世界って理不尽だ!

みーか
ファンタジー
 三田 陽菜25歳。会社に行こうと家を出たら、足元が消えて、気付けば異世界へ。   自称神様の作った機械のシステムエラーで地球には帰れない。地球の物は何でも魔力と交換できるようにしてもらい、異世界で居心地良く暮らしていきます!

クラス転移したら種族が変化してたけどとりあえず生きる

あっとさん
ファンタジー
16歳になったばかりの高校2年の主人公。 でも、主人公は昔から体が弱くなかなか学校に通えなかった。 でも学校には、行っても俺に声をかけてくれる親友はいた。 その日も体の調子が良くなり、親友と久しぶりの学校に行きHRが終わり先生が出ていったとき、クラスが眩しい光に包まれた。 そして僕は一人、違う場所に飛ばされいた。

『収納』は異世界最強です 正直すまんかったと思ってる

農民ヤズ―
ファンタジー
「ようこそおいでくださいました。勇者さま」 そんな言葉から始まった異世界召喚。 呼び出された他の勇者は複数の<スキル>を持っているはずなのに俺は収納スキル一つだけ!? そんなふざけた事になったうえ俺たちを呼び出した国はなんだか色々とヤバそう! このままじゃ俺は殺されてしまう。そうなる前にこの国から逃げ出さないといけない。 勇者なら全員が使える収納スキルのみしか使うことのできない勇者の出来損ないと呼ばれた男が収納スキルで無双して世界を旅する物語(予定 私のメンタルは金魚掬いのポイと同じ脆さなので感想を送っていただける際は語調が強くないと嬉しく思います。 ただそれでも初心者故、度々間違えることがあるとは思いますので感想にて教えていただけるとありがたいです。 他にも今後の進展や投稿済みの箇所でこうしたほうがいいと思われた方がいらっしゃったら感想にて待ってます。 なお、書籍化に伴い内容の齟齬がありますがご了承ください。

処理中です...