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第三章 異世界を満喫する
No.24
しおりを挟むベッドの上で座って、ストレッチをしていた。
もう、一人部屋だしねー。
お風呂の後って暇じゃん?
奏歌は寝てしまったらしいし。私は昼間、寝ちゃったせいか……眠気がやってこない。
それにしてもあの魔法は、やばかったんだなあ。
ブラックホールって、闇?無属性?結局どっちだったんかねえ。
まあ、どっちでもいいけども。
又、同じことがあったら繰り返しちゃうもん。
だって、あれは消去必須でしょう?
しかし、なんで私とシャルに伸びてきたんだろうか?
『魔力の濃さ……と』
と?
『……主の魔力は美味いのだ。』
え?それはシャルだけじゃなくて?
『違う……魔力とはそのもの自身のエネルギーというべきもの。
魂の本質より溢れ出るもの。』
ふーん。私からしたら奏歌とかのが純粋で美味しいんじゃないかな?なんて思うけど……。
『……たしかに綺麗な魔力ではあるが……アレには闇がない。』
闇魔法ってこと?
たしかに闇属性を奏歌は持っていなかった。
だから?
『ちがう。なんといえばいいのか……人の言葉は難しい故……。』
んー。まあいいけど。
まあ、つまりは年とってる私のが何故か美味いエネルギーってことか。
お酒みたいに熟成するのかねえ。
あれ?
じゃ、1000年もののロドリヌスは美味いんじゃない?
『それもまたちがう……。』
難しいねえ。
『だから、主は色々…気をつけて……ほしい。』
えー?気をつけようなくない?
まあ、過保護が増すのは嫌なんで、なるたけ気をつけるよ。
んー。明日はどんな依頼があるかなあ。
CランクだとBランクも受けられるけど……あんまりいいのがなかったら、転移でもふりにいくのもありかなあ。
でも、一つ残念だなあ。
黒サーベルで猫カフェは無理だ……な。
あー、テイマーの人にもあってみたい!
でもなあ、国に仕えてるなら……また面倒ごともやってきそうだしなあ。
やってみたいこといっぱだなあ。
そろそろ寝ようっと。
ちなみにお風呂は、最高です。
一人でも入れる仕様になってたからねー。
お風呂に浸かる喜び!いーね!
こうして私たちの異世界生活は、続いていった。
時に依頼をこなし、ロドリヌスに嫌な顔されつつも黒サーベルをもふりにいく。
心配していた神関係のへんなやつからのアプローチは未だにない。
神様からのメールもついでにない。
まあ、本当に普通に?
たのしんでたよ。
このまま……日々が続いていったら幸せだったんだけどなー。
――――――――――――
……三年後……
「「「かんぱーい!」」」
「何に?」
「いや、三年目だろ?ここで暮らすのは。」
「そーだねー。」
「いろんなことがあったよね?」
「本当にー。」
「まあまあ、もう、ソカも19歳になったし。ショウも6歳……には見えないわね。」
「うっさいな。」
そうなんだよね?
かろうじて、身長は少し伸びたけど……も。
本当に少しなんだよね。
まさか!大人の魂だからって体が成長ストップとかじゃないよね?
ちなみに、奏歌はスックスックと伸びました。
でも、こっちの世界じゃやっぱり華奢だし小さい方になるかなあ。
むこうならモデル並みの高身長だよ。
たぶん?だけど。170センチ以上あるみたい。
私もなれるかなあ?
え?無理?
ですよね。そもそも人種が違うもの。
前に話したかな?奏歌は純日本人じゃない。
だから、高身長はあり得るわけで……。
私だってさ。160センチあったはずなんだけどな……何故に成長しないんだ?
「まあ、高魔力だしなあ。」
「そうねえ。」
「ソカだって、身長は高くなってきたけど……細いもの。」
「いや、太くはなりたくないな。筋肉は結構あると思うんだよね。歌うには必要だもん。」
奏歌は現在歌手としても活動中!
何とこの世界『歌手』という職業はなかったんだよね。
まあ、お経に近い歌の世界だから……期待はしてなかったけど。
モーツァルトやベートーベン、シューベルトのおっさんたちは本当に偉大な人だったよ!
日本で音楽を聴かない日なんてなかったもんね。
J-popだって、歌謡曲だって演歌だってアニソンやボカロだって最高だ!
もうね、本当に……。この世界の音楽って……。
まあ、だからね。
『歌い手』って言葉はあるんだけど、神の教えを歌う人なわけ。
賛美歌だったらいいけど、いやもう、祝詞以下ですよ?
むしろ、日本のお経のが音楽になってんじゃない?って思うくらいだよ。
と話がずれたね。
まあ、だから最高の娯楽的な感じで一ヶ月に一回くらいの割合で、リサイタルを開いているんだ。
聖なる歌い手補正が入るのか……それとも親の欲目か……プロ顔負けの歌唱力なのですよ!
え?音痴の私に言われても?
なら、異世界転生してこい!
聴かせてやるぜ!
ちなみにリサイタルは『黒猫亭』で開催します。
一ヶ月に一度だけ、私特製のランチと歌のリサイタルの店!
なのですよ。
なぜ、一ヶ月に一度かというと。
……めんどくさいから。
一回ね?普通にオープンしたの『黒猫亭』ってカフェを。
したら、客がひっきりなしになって……休む暇もなくなって……近隣の食事処から苦情が……ね。
へんなストーカーも出るしで……でもさ、完全に辞めたくなくてさ。
一ヶ月に一度にしたら、なかなか良い感じ。冒険もいけるし、黒サーベルにもふりにいけるし。
最高だよねえ。
「でね?ママ。話があるんだけどー。」
「なあに?」
なんか、すんごく嫌な予感なんですけど?
「うーん、そろそろ良いかな?って。」
「なにが?」
「んー、結婚とか?」
「そう、結婚ね……って、結婚?だれとさ!」
「えへへ。」
「いや、えへへじゃなくて。」
誰とだよ!
いや、三人から正式にプロポーズされてるのは知ってるよ?
言わずと知れたミリオン、ハロルド、ラナンだ。
でも、だれか一人ってそぶりなかったよね?
えっ?まさか三人とか?
あ、ちなみに一夫多妻も一妻多夫もこの世界では認められちゃってるよ。
それとも三人以外?
ぎゃー!私の奏歌が!
誰かに取られちゃうの?
マジで!
だれか、嘘だといって!
ーーーーーーーーーーー
話を進めました。
色々あった出来事は番外編的なことで書く予定です。
まあ、ショウは三年経ってもまだ6歳なんですけどね。
次回は奏歌は婚約する予定です。
誰が相手かは次のお話で!
次のお話が終わると新章に入ります!
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