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第三章 異世界を満喫する
No.23
しおりを挟む王都に戻ると早速ギルドに。
二人で報告……はい、ロドリヌスが抱っこから解放してくれていません。
抱っこのままでの報告に、ギルドのおっちゃんがやや引きつってました。
「……マジで二人で黒サーベルの爪か。アレは、Cランクって書いてあるがバディじゃなくパーティで受ける依頼だぞ?
……で?ほかの素材も買うが?」
「なんで?ほかの素材って?」
「いや、倒したんだろ?黒サーベルを。」
「なんで?」
「いや、爪だけなんて……死体そのままか?ロドリヌス様たちがついてて!」
「いや、だからっ!なんで死体?」
「倒さずに爪なんて無理だろうがっ!」
「……すまん、こいつらはそれをやった。」
「「「「「「「はぁ?!!!!!」」」」」」
私が黒ニャンたちを殺すなんてするわけがない!
「いや、無理だ……ろ?」
「わからんぞ、ほら、天使だし。」
「ああ、女神だからな。」
後ろのおっさんたちもボソボソと煩い。
「依頼は爪三本だよね?」
「……ああ。」
「倒すことじゃないよね?」
「……ああ。」
「じゃ、依頼達成だよね?」
「……、ああ、そうだな。よし、カードをよこせ。」
「「はい。」」
私と奏歌がカードと爪を渡すとなんかの石の上に置かれて、何やら操作。
カードがいったん消えて、ピコンピコンとなってまた出てきた。
そして、ものすごーいため息をつかれた。
解せぬ。
「お前ら、なんでCランク依頼で、Aランクの魔物倒してんだよ……ありえねーだろ。」
「Aランク?」
「ああ、普通のトキソウォームはBランク……ああ、シングルランクな。亜種はAランク。
特にコレは変異体ってあるし……Dランクのバディじゃ無理だ。」
「ふーん。でも、捨てちゃったからなあ。」
「魔法で倒したことになってるぞ?」
「ママ、たぶんあの穴……空気とかないんじゃない?」
「あーー、かもねー。じゃ、生き物は無理か。」
「うん、天体じゃなくても……宇宙なら色々生身じゃむりじゃない?そんなとこで生きていけるのは、クマムシくらいだよ……。」
「じゃ、クマムシより弱くてよかったね!」
うん、マジで。
クマムシの特性なんて持ってるやつじゃなくてよかったね?
まあ、生きてても二度とあのブラックホールからは帰還できないけども……そんなイメージの穴だし。
「……で、それな。依頼というか……殺された奴らがいて……手配書の方にも回ってんだよ。国からな。」
「ん?ってことは?」
「そっちは、報奨金になってる。それもはいるわな。」
「ラッキー?でも、アレ黒ニャンたちを虐めてたから、倒したんだけどな。」
「いや、そりゃ……ま、いい、もう、お前らが天使の力でって言われても、もう、まったく、いい、かまわん。ちなみに、ランクもCだ。
B以上は……試験だからな?」
「了解です!」
わーい!青いカードだあ。
次は試験なら、別に当分はこのままでもいいかなあ?
でも、Sランク以上じゃないと王族依頼がなかなか断れないって言うしなあ……まあ、断るけど!
え?まあ、そうね。ロドリヌス&ミリオンの力で断るよ?
もちろん、それが効かない時は逃げます!当たり前じゃない。
ここの王様に貸しはあるけど、借りはないもんよ。
「やったあ、青だ。」
「うん。」
「……ロドリヌス様たちが後見についてて、Cランクの冒険者に喧嘩売るやつらはそういないとは思うが……まして、お前らのステータスでな?
だが、どこにでも馬鹿はいるから、気をつけろよ?
あと、一つ教えてくれ。
黒サーベルの爪をどーやって?」
「んー?黒サーベルの子を助けてお礼的な?だって、優しい子たちだったし。」
絶対にまた、遊びに行く。
あ、一度行ったから転移できるじゃん!やったねー。
「もふり、最高!」
「も…ふり?」
「えっ。もふった……もがっ!」
もふもふを教えようとしたら、ミリオンに口を塞がれた!
なんでよ!
「なんでもないのよ?(このおばかっ)」
ミリオンが耳打ちしてきた。
「(あんなのを撫でようとしたら死人続出するでしょ!)」
あっ、はい、すいません。
でも、話せば?って、獣語は話せないか……。
テイマーは?
話せないんだろうか?
「さて、帰るわよ?」
「「はーい。」」
家に帰ってから二時間近く、説教を受けた私なのでした。
それも三人から。
なんで、奏歌まで!
黒ニャンたちは私のことを心配して、巣に案内してくれようとしたらしい。
でも、帰らなきゃいけないから、また来るからってロドリヌスとシャルに話してもらったみたい。
ロドリヌスも普通に言葉が通じるようになったからね。
麓近くまではみんなでシャルに乗って山を下ったので、あっという間に着いたみたい。
今は短剣で休んでる。
私からの魔力供給がなくなったので、シャルの中の魔力が減らないようにってこともあったみたいです。減りすぎたら私から取るしかなくなるから……ん?ロドリヌスのでもいいんじゃないの?
『主が一番よい。』
はあ、そうですか。
で、馬鹿みたいに正座して説教されたもので……足が痺れて……。
夕飯は、作り置きのものをチンして出しました。
うん、レンジ魔法便利です。
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