娘と二人、異世界に来たようです……頑張る母娘の異世界生活……ラブ少し!

十夜海

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第四章 異世界を自由に静かに……生きたい

No.11

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宿を引き払い、予定変更でさっさと町を出ることにしたわけなんですが……結局、出口を抑えられてしまったのですよ。
領主の許可がいるとかなんとか……ちっ、結局領主とやらに会いに行かなきゃならないんかい。
ちょう、面倒ですよ!
まあ、あの臭い派手騎士に連れられて行くのはさらに勘弁だけどね。

「で、なぜに私は着飾られているのでしょうか?」
「まあ、我慢だな。俺だって、窮屈な正装をしているんだからな。」
「だってさ、許可貰うのはロドとソカが代表でうちらは護衛ってことでいいじゃん。」
「ラナンとハロルドはそれで通る。まあ、アスカとティアもまあ……なんとかな?だが、お前は小さすぎる。こんな小さな少女に守られる勇者はいないだろうが。」
「……そこはソカの……とか?」
「ラナンで足りるだろう?」
「うー。じゃ、侍女とか?」
「ママ、それも無理あるよ。」
「じゃー、私はなんなん?」
「とりあえずは俺の婚約者?」
「……変態設定?」
「ちがう……。ソカの妹ってだけじゃな……面倒なことになりそうだからな。ましてや、侍女だなんて……肉食獣の前に肉を置くようなもんだろうよ。」
「んー?どうゆう意味?」
「もう、本当にママは三年間何を学んだのさっ。」
「…畑?」

畑やら花やらご飯やら?
あ、あとモフモフー。

「もう、ロドさん。ママに過保護すぎ!少しはこの世界の常識を教えておいてよ!ったく。ママは地球認識のまま過ぎる。」
「すまん。」

そんな、呆れなくても。
そして、ロドリヌスが謝るってことは過保護の自覚があるわけか。
だってさ、まったり過ごしてたし。
ある程度ランクアップしたから、割とあの街でなら、ちょっかいもないし。
ロドリヌスとのほほんとしていても問題なかったんだもんよ。

「つまりなあ……。」

と話されたのは、ようはソカは王妃候補であって、婚約者とはいえ王族ではない。
――うん、まあそれはわかる。
で、庶民……平民って言うのは変わらない。たとえ、冒険者としてSランクだとしても。
――それもわかる。
ただ、次代王の寵愛(むかつく案件!)を受けてると見られるから、ソカに何かしようとうするやつは、基本敵対勢力であっても表向き、何かしてこようというやつはいないだろうと。
でも、私はギルドSランクには見えないし、実際、天使だなんだと言われても……見た目だけで強いとは思われていない。
――まあ、世界的にあっちこっちで依頼をこなしてるソカとはちがうしね……。
だから、私に対しては貴族的には何をしても良いと思うらしい。
そこのところはどうなんだと思うんだけど……この世界ではそれがまかり通ってしまうわけなのだそうだ。
うちらの世界の貴族もある程度、力でなんとかできるらしいけど……この世界ではさらに力があるわけって言うんだよ。
私をオモチャにしようって考える奴がいるからって。
自分で思ってるより、マジで可愛いんだって言われた。
だからっ、なんだよ。
って、思うじゃない?
私だって弱くないしさ。
変態だって吹っ飛ばしますよ。
でも、元勇者(元の元だけども)で現在もこの世界で魔力最高(いや、なんか総数量は私もどっこいらしいが)値で、国内外から一目置かれているロドリヌスの婚約者に手を出すやつはいないという……ってのが一番手っ取り早いし、安全かつ、面倒がないんだとさ。
まあ、確かにとおもう。
それって、変態レッテルが世間にさらに広まるんじゃ……と言ったら、次代王妃の妹でもあるし政略結婚的には、普通にあり得るんだと。つまり、変態とかじゃなくね……うー、やっぱり貴族とか王族とかは面倒……。

「まあ、私もさあ。王族って面倒だし、王妃なんて柄じゃないし?マジな話なりたくないよ?」
「じゃ、やめても……。」
「でも、しゃーないじゃん?だって、ミリ、ミリオンが王子で王族で次代王なんだから。
……ミリオンを支えられるのも守れるのも私だけだもん。私だけの特権だもん。
これは、絶対に譲れないし譲らない。」

強い瞳で言われて、私は何も言えなくなった。
……いつのまに、娘はこんなに強くなったんだろう……。
そっか……私は、私の役目はもう終わっているのか……。

―――ソウダヨ……ダカラ モウ オマエ ニハ ナニモナイーーー

「ショウ!」
「え?あ、うん。」

なんか、今……私、何を考えた?
いや、考え……じゃない?な
うん、気のせい気のせい。

「大丈夫か?いま、一瞬……。いや、なんでもないか……?
まあ、だからな?面倒を避けるためにも、俺の婚約者ってことでいいな。」
「うん、わかった。面倒が少なくなるならいいよ。婚約者のふりをすりゃいいんでしょ?」
「あ、ああ。フリじゃなくてもいいんだがな。」
「……くく、本音だろうけど、ハリーが怒るよ?」
「ぬかせ、ハリーなんぞに俺が負けると思うか?」
「……いや、話変わってない?もう、さ、ロドさん。選ぶのは二人じゃなくて、ママだからね?
うん、ママ、可愛い。」
「……サンキューです、でも。この服どーしたの?」

いつも以上にフリフリで高級感溢れてます。
私は知らん服だよ?
私の羞恥を煽るほどのロリロリ服なんだけど。
確かに今の私が着たら可愛かろう……でもね?シンプルイズベストな41な私がこれを着る気持ちわかってほしいんだけど?

「え?あー、ラナン兄に、ミリオンが頼んだ的な?」

……ミリぃぃぃ!絶対に嫌がらせ入ってるだろっ!
ラナン兄は……まあ、趣味に走っただけだろう……関わり合いにはあまりなりたくないけども、まあ、わかる。
でも、私がこーゆー格好を羞恥するの知っていて、頼むミリオンは、ぜーったいに嫌がらせ入ってる!

「似合ってるぞ、ショウ。」

いや、そこでロドリヌス……なんで満面の笑顔で褒めるかな。
割とロドリヌスって、乙女思考だよね。
私にキラキラとかふわふわとかの可愛いい服を着て欲しがるんだよね……私があまりそういう服を好きじゃないので、あまり着てほしいとかは言わないし、買わないけどさ……。なんで、こんな女がいいのかね?私でさえ、おもうのにな。
ロドリヌスがさ、フリフリエプロンドレスをお店で見つめていたの知ってるんだよね……。気づかないフリで、スルーしちゃったけども。
だってさ、胸がハートの形でピンクのフリフリがこれでもかって、ついててさ……動くの邪魔だし(動くための服じゃないしね)、んなの小っ恥ずかしくってきれますかって……。

閑話休題話を戻すね

つまり、次代王妃と元勇者と婚約者という立場から、領主に圧力をかけて門をあけてもらいに行こうとなったわけです。

まあ、ため息出ちゃうけど……しょうがないよね。
少しはまともだといいけども。

扉を叩く音がする。

「あの、お客様。領主様のお使いの方が来られましたが?」

宿屋の人の声がかかる。

さて、どうやらお迎えが来てしまったようです。

もう、本当に……国内ならどこでも自由に行けた日本が懐かしいよ……。








ーーーーーーーーーーー

すみません、1週間近く開いてしまいました。
気温差にやられています。
皆さまもお気をつけてくださいませ。
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