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第九話:旅立ちの準備と騎士の誓い
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王立図書館での発見は、わたくしたちに大きな希望を与えてくれた。
セドリック様から提供された情報によると、「月影の泉」は王都から数日かかる、人里離れた山脈の奥深くにあるらしい。
「道中は険しいだろう。だが、行くしかない」
アレクシス様の決意は固かった。
わたくしも、もちろん異論はない。彼を救うためなら、どんな困難も乗り越えてみせる。
旅立ちの準備は、アレクシス様の指示のもと、迅速に進められた。
彼は騎士団の信頼できる部下に連絡を取り、最低限の護衛と物資を手配してくれた。
「リリア、お前は本当に一緒に行くつもりか? 危険な旅になるぞ」
出発を翌日に控えた夜、アレクシス様が心配そうにわたくしに尋ねた。
彼の瞳には、わたくしを案じる色が浮かんでいる。
「もちろんですわ、アレクシス様。わたくしは薬師ですもの。月の雫草を見つけ、それを正しく扱うためには、わたくしの知識が必要ですわ。それに……」
わたくしは言葉を区切り、彼の目を真っ直ぐに見つめた。
「それに、わたくしは、あなた様のおそばにいたいのす」
それは、勇気を振り絞って口にした、わたくしの素直な気持ちだった。
アレクシス様は、わたくしの言葉に少し驚いたように目を見開いたが、やがて、その表情がふっと和らいだ。
「……そうか」
彼は短くそう言うと、わたくしの手を取り、その甲にそっと口づけを落とした。
騎士の、誓いの口づけ。
「必ず、お前を守り抜く。この命に代えても」
彼の低い声が、わたくしの心に深く響く。
その真摯な眼差しに、胸がいっぱいになった。
「アレクシス様……」
わたくしたちは、しばし見つめ合った。
言葉はなくても、互いの想いが伝わってくるような気がした。
翌朝、わたくしたちは数名の護衛騎士と共に、王都を後にした。
アレクシス様は、騎士の正装ではなく、動きやすい旅装に身を包んでいる。それでも、彼の凛とした立ち姿は、周囲の空気を引き締めるような威厳に満ちていた。
わたくしもまた、薬草採集用の丈夫な服と、たくさんの薬草や調合道具を詰め込んだ鞄を背負っている。
これから始まる旅は、決して楽なものではないだろう。けれど、不思議と不安はなかった。
アレクシス様が、隣にいてくれるから。
そして、彼を救いたいという強い想いが、わたくしを支えてくれているから。
馬に揺られながら、わたくしは遠ざかる王都の景色を振り返った。
この旅が終わる頃には、アレクシス様の呪いは解けているだろうか。そして、わたくしたちの関係は……。
今は、ただ前だけを見て進もう。
希望と、ほんの少しの切なさを胸に、わたくしはアレクシス様と共に、未知なる月の泉を目指して、第一歩を踏み出したのだった。
セドリック様から提供された情報によると、「月影の泉」は王都から数日かかる、人里離れた山脈の奥深くにあるらしい。
「道中は険しいだろう。だが、行くしかない」
アレクシス様の決意は固かった。
わたくしも、もちろん異論はない。彼を救うためなら、どんな困難も乗り越えてみせる。
旅立ちの準備は、アレクシス様の指示のもと、迅速に進められた。
彼は騎士団の信頼できる部下に連絡を取り、最低限の護衛と物資を手配してくれた。
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わたくしは言葉を区切り、彼の目を真っ直ぐに見つめた。
「それに、わたくしは、あなた様のおそばにいたいのす」
それは、勇気を振り絞って口にした、わたくしの素直な気持ちだった。
アレクシス様は、わたくしの言葉に少し驚いたように目を見開いたが、やがて、その表情がふっと和らいだ。
「……そうか」
彼は短くそう言うと、わたくしの手を取り、その甲にそっと口づけを落とした。
騎士の、誓いの口づけ。
「必ず、お前を守り抜く。この命に代えても」
彼の低い声が、わたくしの心に深く響く。
その真摯な眼差しに、胸がいっぱいになった。
「アレクシス様……」
わたくしたちは、しばし見つめ合った。
言葉はなくても、互いの想いが伝わってくるような気がした。
翌朝、わたくしたちは数名の護衛騎士と共に、王都を後にした。
アレクシス様は、騎士の正装ではなく、動きやすい旅装に身を包んでいる。それでも、彼の凛とした立ち姿は、周囲の空気を引き締めるような威厳に満ちていた。
わたくしもまた、薬草採集用の丈夫な服と、たくさんの薬草や調合道具を詰め込んだ鞄を背負っている。
これから始まる旅は、決して楽なものではないだろう。けれど、不思議と不安はなかった。
アレクシス様が、隣にいてくれるから。
そして、彼を救いたいという強い想いが、わたくしを支えてくれているから。
馬に揺られながら、わたくしは遠ざかる王都の景色を振り返った。
この旅が終わる頃には、アレクシス様の呪いは解けているだろうか。そして、わたくしたちの関係は……。
今は、ただ前だけを見て進もう。
希望と、ほんの少しの切なさを胸に、わたくしはアレクシス様と共に、未知なる月の泉を目指して、第一歩を踏み出したのだった。
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