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第16話:王都への凱旋と人々の反応
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黒狼騎士団を率いて王都へ向かう道中は、驚くほど順調だった。
私たちの進軍を知ってか、魔物たちは姿を見せず、道中の村や町の人々は、黒狼騎士団の威風堂々とした姿に、畏怖と、そして敬意の眼差しを向けた。
特に、先頭でアレス様の隣に並んで馬を進める私には、多くの視線が注がれた。
「あの方が、黒狼騎士団の呪いを解いたという、聖女様……?」
「なんという、神々しいお姿だ……」
「リリアナ様よりも、よほど、聖女様らしい……」
人々の声が、聞こえてくる。
かつて「出来損ない」と呼ばれた私が、今や「救国の聖女」として、人々の希望を背負っている。
不思議な気分だったが、悪い気はしなかった。
そして、出発から数日後。
私たちは、ついに、王都の城門の前に、たどり着いた。
城門の前には、宰相をはじめとする、多くの貴族たちが出迎えのために整列していた。
その中には、私の両親の姿もある。
「黒狼騎士団長、アレス・フォン・シュヴァルツ様、並びに、聖女エリアナ・フォン・リヒト様のご帰還、心より、お待ち申し上げておりました!」
宰相が、仰々しく頭を下げる。
その態度は、以前、私を追放した時とは、まるで別人のようだ。
アレス団長は、馬の上から、冷ややかに、彼らを見下ろした。
「……出迎え、ご苦労。国王陛下は、どこにおられる?」
「は、はい。陛下は、謁見の間にて、お待ちでございます。ささ、こちらへ」
私たちは、馬から降り、宰相の案内で、王宮の中へと進んでいく。
すれ違う誰もが、私たち、特に私に対して、畏敬の念を込めて、頭を下げた。
そして、謁見の間。
そこは、私が、罪人として、断罪された場所だ。
玉座には、国王陛下が、緊張した面持ちで座っている。
私たちが、玉座の前で膝をつくと、国王は、重々しく口を開いた。
「……よく、戻った、エリアナ。そして、アレス団長。国のために、尽力してくれること、感謝する」
「お言葉、恐縮に存じます」
アレス団長が、淡々と応える。
「エリアナよ。お前の妹、リリアナは、『黄昏の使徒』を名乗る、謎の集団に連れ去られてしまった。奴らは、リリアナの身柄と引き換えに、お前を、要求している。国を……いや、この世界を救うため、お前の力を、貸してはくれまいか」
国王が、私に、深々と、頭を下げた。
一国の王が、かつて追放した臣下の娘に、頭を下げる。
異例中の、異例の事態だ。
「……お受けいたします」
私は、静かに、しかし、力強く、答えた。
「ただし、条件がございます」
「……条件、だと?」
「はい。これ以上、貴方がたの思惑で、無用な犠牲が出るのは見過ごせません。今回の事件の解決に関する全権を、私と、アレス団長に、委任していただきたいのです。全ての責任は、私が負います」
私の大胆な、しかし覚悟に満ちた要求に、謁見の間が、再び、ざわめいた。
国王は、しばらくの間、私とアレス団長を、値踏みするように見つめていた。
やがて、彼は、観念したように、大きく、頷いた。
「……よかろう。認めよう。国の、全権を、お前たちに預ける。好きにするがよい」
「御意」
こうして、私たちは、王国の最高権力を、手にした。
謁見が終わった後、私の両親が、おずおずと、近づいてきた。
「……エリアナ」
「お父様、お母様。ご無沙汰しております」
私は、感情を殺して、完璧な令嬢の笑みを、顔に貼り付けた。
「あ、あの、エリアナ……。そ、その、今までのことは、本当に、すまなかったと……。私たちは、お前の本当の価値に、気づいてやれなかった……」
父親が、しどろもどろに、謝罪の言葉を口にする。
母親は、隣で、ただ、泣いているだけだ。
今さら、何を。
心の奥底で、冷たい感情が渦巻くのを感じた。
でも、私は、それを、表には出さない。
「……もう、過ぎたことですわ。お気になさらないでください。それよりも、今は、リリアナのことの方が、心配です」
私は、聖女らしい、慈愛に満ちた表情で、そう言った。
その完璧な演技に、両親は、安堵したような、それでいて、どこか寂しそうな顔をした。
彼らとの、心の溝は、もう、埋まることはないだろう。
客室に入ると、アレス団長が、心配そうに、私の顔を覗き込んできた。
「……大丈夫か」
「ええ。平気ですわ」
私は、にっこりと微笑んでみせた。
すると、彼は、私の頬を、優しく、両手で包み込んだ。
「……俺の前でまで、無理して、笑う必要はない」
彼の、その一言で、私が、ずっと張り詰めていた糸が、ぷつり、と切れた。
瞳から、涙が、とめどなく、溢れ出す。
「……う……うわあああああん……!」
私は、子供のように、彼の胸の中で、声を上げて、泣いた。
悔しかった。悲しかった。寂しかった。
ずっと、溜め込んでいた感情が、一気に、噴き出した。
アレス団長は、何も言わずに、ただ、優しく、私の背中をさすってくれていた。
しばらくして、私が泣き止むと、彼は、私の涙で濡れた顔を、そっと、拭ってくれた。
「……落ち着いたか?」
「……はい。お見苦しいところを、お見せしました」
「構わん。お前が、辛い時は、いつでも、俺を頼れ」
彼の優しさが、心に沁みる。
この人が、そばにいてくれるなら、私は、きっと、大丈夫だ。
「さて、と」
アレス団長が、気持ちを切り替えるように、言った。
「お前の、お望み通り、あの男を、呼んである。そろそろ、来る頃だ」
その言葉と同時に、部屋の扉が、ノックされた。
「……エドワード王子が、お見えになりました」
来たか。
私は、涙を拭い、すっと、背筋を伸ばした。
さあ、始めよう。
断罪の、時間だ。
私たちの進軍を知ってか、魔物たちは姿を見せず、道中の村や町の人々は、黒狼騎士団の威風堂々とした姿に、畏怖と、そして敬意の眼差しを向けた。
特に、先頭でアレス様の隣に並んで馬を進める私には、多くの視線が注がれた。
「あの方が、黒狼騎士団の呪いを解いたという、聖女様……?」
「なんという、神々しいお姿だ……」
「リリアナ様よりも、よほど、聖女様らしい……」
人々の声が、聞こえてくる。
かつて「出来損ない」と呼ばれた私が、今や「救国の聖女」として、人々の希望を背負っている。
不思議な気分だったが、悪い気はしなかった。
そして、出発から数日後。
私たちは、ついに、王都の城門の前に、たどり着いた。
城門の前には、宰相をはじめとする、多くの貴族たちが出迎えのために整列していた。
その中には、私の両親の姿もある。
「黒狼騎士団長、アレス・フォン・シュヴァルツ様、並びに、聖女エリアナ・フォン・リヒト様のご帰還、心より、お待ち申し上げておりました!」
宰相が、仰々しく頭を下げる。
その態度は、以前、私を追放した時とは、まるで別人のようだ。
アレス団長は、馬の上から、冷ややかに、彼らを見下ろした。
「……出迎え、ご苦労。国王陛下は、どこにおられる?」
「は、はい。陛下は、謁見の間にて、お待ちでございます。ささ、こちらへ」
私たちは、馬から降り、宰相の案内で、王宮の中へと進んでいく。
すれ違う誰もが、私たち、特に私に対して、畏敬の念を込めて、頭を下げた。
そして、謁見の間。
そこは、私が、罪人として、断罪された場所だ。
玉座には、国王陛下が、緊張した面持ちで座っている。
私たちが、玉座の前で膝をつくと、国王は、重々しく口を開いた。
「……よく、戻った、エリアナ。そして、アレス団長。国のために、尽力してくれること、感謝する」
「お言葉、恐縮に存じます」
アレス団長が、淡々と応える。
「エリアナよ。お前の妹、リリアナは、『黄昏の使徒』を名乗る、謎の集団に連れ去られてしまった。奴らは、リリアナの身柄と引き換えに、お前を、要求している。国を……いや、この世界を救うため、お前の力を、貸してはくれまいか」
国王が、私に、深々と、頭を下げた。
一国の王が、かつて追放した臣下の娘に、頭を下げる。
異例中の、異例の事態だ。
「……お受けいたします」
私は、静かに、しかし、力強く、答えた。
「ただし、条件がございます」
「……条件、だと?」
「はい。これ以上、貴方がたの思惑で、無用な犠牲が出るのは見過ごせません。今回の事件の解決に関する全権を、私と、アレス団長に、委任していただきたいのです。全ての責任は、私が負います」
私の大胆な、しかし覚悟に満ちた要求に、謁見の間が、再び、ざわめいた。
国王は、しばらくの間、私とアレス団長を、値踏みするように見つめていた。
やがて、彼は、観念したように、大きく、頷いた。
「……よかろう。認めよう。国の、全権を、お前たちに預ける。好きにするがよい」
「御意」
こうして、私たちは、王国の最高権力を、手にした。
謁見が終わった後、私の両親が、おずおずと、近づいてきた。
「……エリアナ」
「お父様、お母様。ご無沙汰しております」
私は、感情を殺して、完璧な令嬢の笑みを、顔に貼り付けた。
「あ、あの、エリアナ……。そ、その、今までのことは、本当に、すまなかったと……。私たちは、お前の本当の価値に、気づいてやれなかった……」
父親が、しどろもどろに、謝罪の言葉を口にする。
母親は、隣で、ただ、泣いているだけだ。
今さら、何を。
心の奥底で、冷たい感情が渦巻くのを感じた。
でも、私は、それを、表には出さない。
「……もう、過ぎたことですわ。お気になさらないでください。それよりも、今は、リリアナのことの方が、心配です」
私は、聖女らしい、慈愛に満ちた表情で、そう言った。
その完璧な演技に、両親は、安堵したような、それでいて、どこか寂しそうな顔をした。
彼らとの、心の溝は、もう、埋まることはないだろう。
客室に入ると、アレス団長が、心配そうに、私の顔を覗き込んできた。
「……大丈夫か」
「ええ。平気ですわ」
私は、にっこりと微笑んでみせた。
すると、彼は、私の頬を、優しく、両手で包み込んだ。
「……俺の前でまで、無理して、笑う必要はない」
彼の、その一言で、私が、ずっと張り詰めていた糸が、ぷつり、と切れた。
瞳から、涙が、とめどなく、溢れ出す。
「……う……うわあああああん……!」
私は、子供のように、彼の胸の中で、声を上げて、泣いた。
悔しかった。悲しかった。寂しかった。
ずっと、溜め込んでいた感情が、一気に、噴き出した。
アレス団長は、何も言わずに、ただ、優しく、私の背中をさすってくれていた。
しばらくして、私が泣き止むと、彼は、私の涙で濡れた顔を、そっと、拭ってくれた。
「……落ち着いたか?」
「……はい。お見苦しいところを、お見せしました」
「構わん。お前が、辛い時は、いつでも、俺を頼れ」
彼の優しさが、心に沁みる。
この人が、そばにいてくれるなら、私は、きっと、大丈夫だ。
「さて、と」
アレス団長が、気持ちを切り替えるように、言った。
「お前の、お望み通り、あの男を、呼んである。そろそろ、来る頃だ」
その言葉と同時に、部屋の扉が、ノックされた。
「……エドワード王子が、お見えになりました」
来たか。
私は、涙を拭い、すっと、背筋を伸ばした。
さあ、始めよう。
断罪の、時間だ。
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