「何の取り柄もない姉より、妹をよこせ」と婚約破棄されましたが、妹を守るためなら私は「国一番の淑女」にでも這い上がってみせます

放浪人

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第1話:「姉はいらない、妹をよこせ」

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カチャン、と乾いた音が、静まり返った居間に響く。

古びたティーカップがソーサーに戻される音だ。 ただそれだけの音が、今の私には処刑台の合図のように聞こえた。

「……渋いな」

対面に座る男――私の婚約者であるカミロ・バンデラス子爵が、顔をしかめて呟く。

「申し訳ありません、カミロ様。茶葉がもう、これしかなくて……」

「フン。腐っても歴史あるベルンシュタイン伯爵家が聞いて呆れる。出がらしのような茶しか出せんとは」

カミロ様は、わざとらしくはぁ、と大きなため息をついた。

その横柄な態度に、私は唇を噛む。

テーブルの上に置かれた私の手は、ささくれだらけで、爪も短く切り揃えられている。貴族の令嬢の手ではない。日々の労働と、金策に走り回る生活が刻み込まれた、生活感に溢れた手だ。

対して、カミロ様の手は白く、滑らかで、指には高価な宝石のついた指輪が光っている。

この対比こそが、今の私たちの関係そのものだった。

「それで? 話というのはなんだ、アリア。僕も暇じゃないんだが」

カミロ様が組んだ足を揺らしながら、面倒くさそうに私を見る。

その視線には、かつてのような甘い色は欠片もない。あるのは、路傍の石を見るような冷徹な侮蔑と、値踏みするような下卑た光だけ。

私は膝の上で拳を握りしめ、震える声を必死に抑え込んで口を開いた。

「……借金の返済期限について、ご相談させていただきたく……」

「ああ、そのことか」

カミロ様はつまらなそうに鼻を鳴らす。

「今月末だったな。金貨二千枚。用意できたのか?」

「……いえ、その……」

「なんだ、まだなのか」

「今の我が家には、売れるような資産はもう残っておりません。屋敷の使用人も最小限にし、私も妹のミラも、食べるものすら切り詰めて……」

「そんな貧乏話はどうでもいい」

カミロ様が私の言葉を遮る。 冷たい言葉が、胸に突き刺さる。

「僕が聞きたいのは、金があるのか、ないのか。それだけだ」

「……ありません。ですから、どうか期限を……あと半年、いえ、三ヶ月だけでいいのです。待っていただけないでしょうか」

私は頭を下げた。 プライドも何りも捨てて、ただひたすらに懇願する。

亡き両親が残した莫大な借金。 連帯保証人となっていたカミロ様の家、バンデラス子爵家がその肩代わりをしてくれたのは、三年前のことだ。

その代償として、私はカミロ様と婚約した。 没落寸前の伯爵家と、新興貴族で金はあるが箔が欲しい子爵家。 政略結婚だったが、当時のカミロ様は優しかった。

『君のような慎み深い女性が妻なら、僕も安心だ』

そう言って笑ってくれたあの笑顔は、もうどこにもない。

「待つ? これ以上か?」

カミロ様の声が、一段低くなる。

「アリア。お前、自分の立場が分かっているのか?」

「……はい」

「お前の家はもう泥船だ。沈むのを待つだけのな。僕が今まで温情をかけてやってきたのは、お前が『伯爵家の娘』というブランドを持っていたからだ。だがな、最近じゃ社交界でもお前の家の噂でもちきりだぞ。『貧乏伯爵』『借金まみれ』ってな」

カミロ様が身を乗り出し、私の顔を覗き込む。

整った顔立ちが、今は悪魔のように歪んで見えた。

「そんな噂のある家の娘を妻に迎えてみろ。僕まで笑いものだ。それに……」

彼は私の顔をじろじろと眺め、あからさまに嘲笑した。

「お前、最近ますます地味になったんじゃないか? 肌はカサカサ、髪はパサパサ。服だって何年前の流行だ? まるで雑巾みたいなドレスだな」

「っ……!」

雑巾。 その言葉に、胸がえぐられるような痛みが走る。

確かに、今の私は見る影もないだろう。 化粧品を買う金などない。ドレスを新調する余裕もない。 妹のミラにだけは、なんとか綺麗な服を着せてやりたくて、私は自分のものを全て売り払ったのだから。

「……申し訳、ありません」

「謝罪なんていらないんだよ。欲しいのは金だ」

カミロ様は背もたれに深く体を預け、天井を見上げた。

「……まあ、いい。金がないなら、ないで」

「え……?」

予想外の言葉に、私は顔を上げた。 許してくれるのだろうか。 やはり、かつての優しさは嘘ではなかったのだろうか。

一筋の希望が胸に灯った、その時だった。

「代わりのものを貰えばいいだけの話だ」

カミロ様の唇が、三日月のように吊り上がる。

「代わりの、もの……?」

「ああ。お前には無理でも、この家にはまだ『価値のあるもの』が残っているだろう?」

価値のあるもの? 絵画も、宝石も、壺も、すべて売り払った。 この屋敷だって、抵当に入っているようなものだ。 一体、何が――。

その時。 居間の扉が控えめにノックされた。

「お姉様……お客様に、お茶菓子をお持ちしました」

鈴を転がしたような、愛らしい声。

扉が開き、お盆を持った少女が入ってくる。

プラチナブロンドの髪が、窓から差し込む光を受けてキラキラと輝く。 大きな青い瞳は、不安そうに揺れながらも、見る者を惹きつける清廉さを宿している。 ツギハギだらけの私の服とは違い、私が夜なべして仕立て直した水色のドレスが、彼女の白い肌によく似合っていた。

私の最愛の妹、ミラだ。

「……ミラ」

私が名を呼ぶより早く。

「おお……!」

カミロ様が、弾かれたように立ち上がった。 その目は、今まで私に向けていたものとは全く違う。 欲望と、執着と、粘着質な熱を帯びて、ミラを舐めるように見回している。

「これだ……これこそが、宝石だ」

カミロ様が呟く。

嫌な予感がした。 背筋を冷たい汗が伝う。 心臓が早鐘を打ち、警鐘を鳴らす。

カミロ様は、ミラの元へと歩み寄ると、彼女の細い手首を無遠慮に掴んだ。

「きゃっ!?」

「ミラ!」

私が叫んで立ち上がろうとするより早く、カミロ様はミラを引き寄せ、その頬に自分の顔を近づけた。

「いい匂いだ……貧乏生活をしていても、やはり素材が違うな。姉とは大違いだ」

「は、離してください……!」

ミラが怯えて身をよじるが、カミロ様は離さない。 むしろ、その抵抗を楽しむかのように、さらに強く抱き寄せる。

「おい、アリア」

ミラを拘束したまま、カミロ様が私を振り返る。

その顔には、醜悪な笑みが張り付いていた。

「提案だ。この借金、帳消しにしてやってもいいぞ」

「……え?」

「その代わり――婚約者を変更しよう」

時間が、止まった気がした。

婚約者を、変更?

「ど、どういう……意味でしょうか」

「言葉通りの意味だ。何の取り柄もない、地味で貧乏臭いお前はいらない」

カミロ様は、掴んでいるミラを、まるで商品のように私の前に突き出した。

「代わりに、この妹をよこせ」

「――は?」

思考が真っ白になる。 何を言われているのか、理解できなかった。 理解したくなかった。

「ミラを、よこせ……?」

「そうだ。美しいミラなら、僕の妻にふさわしい。いや、妻じゃなくてもいいな。愛人として囲ってもいい。とにかく、この美しい娘を僕に差し出せば、あの莫大な借金はチャラにしてやる」

カミロ様は、ニタニタと笑いながら、ミラのプラチナブロンドの髪に指を這わせる。 ミラは恐怖で顔を青ざめ、涙をいっぱいに溜めて私を見つめている。

「お、お姉ちゃん……助けて……」

その震える声が、私の脳髄を貫いた。

プツン。

何かが切れる音がした。

それは、私がこれまで必死に繋ぎ止めてきた「理性」であり、「貴族としての矜持」であり、「カミロ様への最後の敬意」だった。

「……ふざけるな」

私の口から、低い声が漏れた。

「ん? なんだ?」

「ふざけるなと言ったのよ!!」

私はテーブルを力任せに叩いた。 ガシャーン! 使い古したティーカップが跳ね上がり、床に落ちて砕け散る。

その音に、カミロ様が驚いて目を丸くした。 今まで従順で、何を言われても耐えてきた私が、初めて感情を爆発させたからだ。

「あ、アリア……? 貴様、気が狂ったか?」

「狂っているのは貴方よ、カミロ・バンデラス!」

私は彼を指差し、睨みつけた。 腹の底から湧き上がる怒りで、視界が赤く染まるようだ。

「私を侮辱するのはいい。私の容姿を笑うのも、私の家を馬鹿にするのも、甘んじて受け入れましょう。私が無力なのは事実だから! でも……!」

私は一歩、また一歩とカミロ様に詰め寄る。 その剣幕に圧されたのか、カミロ様がたじろぐ。

「ミラだけは……この子だけは、絶対に渡さない!!」

「な、何を……」

「妹は私の命よ! 私の宝よ! それを、借金のカタに? 愛人に? よくもそんな汚らわしい口が利けたものね!」

「き、貴様……立場が分かっているのか!? 借金を返せないなら、お前たちに拒否権なんかないんだぞ!」

「いいえ、あります!」

私はミラの手首を掴んでいたカミロ様の手を、力づくで振りほどいた。 ミラを背後に庇い、カミロ様と対峙する。

身長差はある。 力の差もある。 権力の差は、もっとある。

けれど、今の私は、一国の軍隊を相手にしてでも引かない覚悟があった。

「借金は返します。金貨二千枚でしょう? 耳を揃えて返してやるわよ!」

「は、ははっ! 何を寝言を! お前にそんな当てがあるわけがないだろう!」

「今はなくとも、作ってみせる! 私の人生すべてを懸けてでも!」

私の目には、殺気すら宿っていたかもしれない。 カミロ様が、ひっ、と小さく息を呑んで後ずさった。

「そ、そこまで言うなら……やってみろ」

カミロ様は、震える手でハンカチを取り出し、額の汗を拭った。 プライドを傷つけられた怒りと、私の異様な迫力への恐怖が入り混じった顔をしている。

「だがな、期限は待たんぞ。今月末だ」

「……ええ、結構よ」

「あと一ヶ月だぞ!? 一ヶ月で金貨二千枚など、まともな方法で稼げるわけがない!」

「稼いでみせます」

私はカミロ様を真っ直ぐに見据え、言い放った。

「私がどんな手を使おうと、地獄の底を這いずり回ろうと、必ず金を用意します。だから二度と、その汚い手でミラに触れないで」

「……っ、後悔するぞ、アリア!」

カミロ様は顔を真っ赤にして叫んだ。

「一ヶ月後だ! 一ヶ月後の正午、私が再びここに来る! その時までに金がなければ、ミラは力づくで連れて行くからな! 契約不履行で、お前も牢獄行きだ!」

「望むところよ。とっとと出て行って!」

「くそっ、薄気味悪い女だ! これだから不美人は嫌いなんだ!」

カミロ様は捨て台詞を吐き、逃げるように部屋を出て行った。 バタン! と乱暴に扉が閉まる音が、再び静寂を連れてくる。

部屋に残されたのは、私とミラ、そして砕け散ったティーカップの残骸だけ。

「……っ」

緊張が解けた瞬間、膝から力が抜け、私はその場に崩れ落ちそうになった。

「お姉ちゃん!」

ミラが駆け寄り、私を支えてくれる。 その温もりが、震える体に染み渡る。

「ごめんね、お姉ちゃん……私のせいで……」

ミラが泣きじゃくる。 その涙を、私は親指で優しく拭った。

「泣かないで、ミラ。あなたは何も悪くないの」

「でも……金貨二千枚なんて……どうするの? お屋敷を売っても足りないよ……」

「大丈夫」

私は自分に言い聞かせるように、力強く頷いた。

「必ずなんとかなる。なんとかしてみせる」

嘘だった。 当てなんて、何一つない。 金貨二千枚なんて大金、普通の貴族が一生かかっても稼げるかどうかの金額だ。 それを一ヶ月で? 常識で考えれば、不可能だ。

けれど。

(渡さない……絶対に)

ミラの純粋な瞳を見る。 この子は、希望だ。 泥沼のような私の人生の中で、唯一輝く光だ。

あんな男の慰み者にするくらいなら、私が悪魔に魂を売った方がマシだ。

私は立ち上がった。 足元の陶器の破片を踏みしめる。 ジャリ、と音がした。

その痛みすら、今の私には心地よかった。 それが、私の覚悟をより鮮明にしてくれるからだ。

「ミラ、聞いて」

私はミラの肩を掴み、その瞳を覗き込んだ。

「私はね、決めたの」

「お姉ちゃん……?」

「『何の取り柄もない姉』? 『地味な不美人』? ええ、そうよ。カミロの言う通りだわ。今の私は、ただの無力な没落令嬢よ」

鏡に映る自分を想像する。 色はくすみ、目は死んだ魚のように濁り、ドレスはボロボロ。 誰がどう見ても、惨めな敗北者だ。

でも。

私の腹の底で、どす黒く、熱い炎が渦を巻いているのが分かった。

それは『怒り』だ。 理不尽への怒り。 無力な自分への怒り。 そして、妹を侮辱されたことへの、許しがたい激怒だ。

「でもね、見ていなさい。あいつが腰を抜かすような女になってやるわ」

私は窓へと歩み寄り、カーテンを乱暴に開け放った。 夕日が差し込み、薄暗い部屋を赤く染め上げる。

「金も、地位も、名誉も、全部手に入れてやる。ミラを守るためなら、私は……」

窓の外、遠くに見える王都の中心。 そこに聳え立つ、白亜の王城と、それを取り囲む大貴族たちの屋敷を見据える。

噂で聞いたことがある。 この国には、誰もが恐れる『氷の公爵』がいると。 冷徹で、無慈悲で、だが王家をも凌ぐ権力と財力を持つ男。 その屋敷では、あまりの厳しさに使用人が一日ともたずに逃げ出すという。

「……『国一番の淑女』にだって、這い上がってみせるわ」

私は誓った。 これは契約だ。 私自身と交わす、血の契約だ。

残り三十日。 私の、命を削る戦いが始まる。

窓ガラスに映る私の顔は、もはや地味なだけの娘ではなかった。 獲物を狙う獣のような、飢えた目をしていた。

(待っていなさい、カミロ。そして世界)

私はスカートの裾を翻し、ミラに向かって不敵に微笑んでみせた。

「さあ、忙しくなるわよ、ミラ」

ここからが、私の――私たちの、大逆転劇の幕開けだ。
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